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「バーデン・バーデン、クララの家」 (ドイツ・ニュース・ダイジェスト6月のコラムより)

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ブラームス・ハウスに貼ってあった手描きで大雑把な地図の記憶を頼りにクララの家へ向かいました。

趣きのある立派な修道院を過ぎると、小川を挟んで道が分かれています。

地図だと確か大通りに面していたので暫く探しましたがなかなか見付りません。
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景色に誘われ今度は橋を渡り川に沿って歩き出しました。
この川沿いには色とりどりの瀟洒な家が立ち並び中々素敵な雰囲気です。
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並木道も広々としていて、その先は広大な森へと連なっています。
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ちょうど前の方から地元の人らしきオジイサンが歩いてきたので尋ねてみました。
「エ~ッと・・・確か表通りだったような???」と彼もちょっと不確かな感じです。

そこへ彼の知り合いらしきご婦人が歩いて来られました。

「アア~、この人なら知っているよ・・・」・・・「クララの家・・・云々・・・」・・・
「知っている・知っている・・・一緒に付いて来なさい。」と心強い返事・・・

彼女は歩いてきた道を150mほども逆戻りしてくれ、

「ホラ・・・あそこの白い家・・・あれがクララの住んでいた家よ・・・、

唯、彼女が住んで居た頃は一階建てだったの・・・
今の大家さんが改築をして三階建てにしたのだけれど、彼女も音楽好きで、
二階部分はホールになっていて時々演奏会をやっているのよっ・・・」とニコヤカに話してくれました。
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「では、良い一日を・・・」と挨拶を交わし、彼女は又逆方向へ歩いて行かれました。
(因みにこの家の正面は大通りHauptstrasseにも面していて、そちら側には1863-1873年の間、
作曲家シューマンの妻で天才ピアニスト、クララ・シューマンが住んで居たとのプレートが付いていました。)
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暫く感慨深く眺めた後、川に沿って歩いてみました。

すぐ左手にはブルー系の花々で爽やかに植え込まれた素敵な公園が現れました。
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木組みで味わいのある東屋が建っていたので歩を進めると
直ぐ前の木陰にブラームスのブロンズ像が立っていました。
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遠く向こうの方にはクララらしき像も立っているようです。
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あっちへ行ったり来たりして眺めていましたが、この30mほどの距離をおいて立っている二人の像は、
お互いの微妙な関係を実に上手く表した間隔だなぁと感心をしていました。

何だか切なくも微笑ましい気持ちになりながらボチボチと帰路に付きました。・・・






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by Atelier-Onuki | 2018-06-18 23:54 | コラム | Trackback | Comments(0)
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