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ゴッホ - 8 (エスパス・ゴッホ) [ドイツ・ニュース・ダイジェスト 1月のコラムより]

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ゴーギャンがアルルを去るのを止めようと、カッとなったゴッホは発作的に自分の右耳を切り落としてしまいます。

それだけでも大事件なのですが、何を思ったのかその耳をハンカチに包み
知り合いの娼婦の所へ届けに行きました。

普段から地元では胡散臭く煙たがられたゴッホですが、
これで完全に「狂人」のレッテルを貼られてしまいます。

すぐさま病院に運ばれますが暫くは厳しい監視の元に置かれます。

それでも彼の数少ない理解者の一人で肖像画のモデルにもなった
郵便集配人のジョゼフ・ルーランや彼の妻も見舞いに来てくれました。
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それに何と3月には心配をしていたポール・シニャックがお見舞いに来ています。

一般人にとってゴッホは変人でしたが、若い画家からは、その才能を慕われていたようです。

彼は何ヶ月も長く入院していましたが、回復に向かいだした頃には絵を描く事も許されました。

何枚描いたかは不明ですが、これらの作品は彼の退院後に処分されてしまったそうです。(勿体無い!)

入院中はフェリックス・レイと言う若い未だインターンのような医者が治療を担当しました。
彼は辛抱つよく親身になって診察してくれたので、ゴッホも彼を信頼するようになります。
退院後には彼の肖像画を描くほどでしたが、
彼はこの絵を気に入らなかったようで、後にゴッホが亡くなってから画廊に売ってしまいます。
その画廊で偶然見かけたとあるロシア人が買い取りますが、今ではプーシキン美術館に展示されています。
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更に退院後、2階の回廊から見た「アルルの病院の中庭」を描いていますが、
現在、庭の花々はこの絵を元にして植えられています。
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フォーラム広場からもほど近いこの建物は現在病院ではなく図書館などの公共施設となり、
名前も「エスパス・ゴッホ」として一般公開されています。
(あれほど嫌っていたのに、今やゴッホと冠されて、勝手なものですね。)
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この病院にも長く居られなくなり、規則が緩やかと聞いていた
サン・レミー・ド・プロヴァンスの修道院サン・ポール・ド・モーゾールへ自ら望んで移る事になります。



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by Atelier-Onuki | 2020-01-28 23:44 | コラム | Trackback | Comments(0)
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