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7日間の入院生活・2

病棟は廊下を挟んで医療室や看護婦の控え室と10部屋ほどの病室に分かれていていました。
この廊下には何時もコーヒー紅茶に、水もガス有り、無しの2種類が置いてあって
自由に摂取する事ができ助かります。
3日目には食事の時間や回診、検診などのタイミングにも慣れて来ました。
食事も当初は流動食しか与えられませんでしたが、もう3種類の中から選べる様になりました。
朝夕は食パン2枚にバターやチーズとハム2切れと粗食ですが、お昼は温かい料理が出て、
薄味ながらも結構美味しい味付け、下手にこの街のレストランで塩っポイ味付けの物を食べるより
余程美味しい物です。
                          普段ペンネは余り食べないのですが、これが入院中一番のご馳走でした 
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唯、ちょっと量が少ないのでドイツ人の人達には物足りないのではと心配になるほどです。

相部屋のオジサン2人は食後、申し合わせた様に上着を来て一服するために出かけて行きます。
一度「どう、一緒に行く?」と尋ねられましたが、「もうちょっと我慢する。」と断りました。
彼らは耳の病気なのでそれ程問題ではないのでしょうが、
私は喉も切っているのでさすがに後2週間位は禁煙です。
それに傷口が完全にふさがるまで、禁酒で安静、運動も控え、重い物も持たない様に咎められています。
体は未だダルイし喉も痛くて喋るのも辛いのですが、やはり限りなく退屈で、
病院内をウロつき始めました。

あの新館への迷路の様な迂回路にも慣れ随分と詳しくなりました。
そんな中、エントランス・エリアにはカフェとキオスクもあるし、
人の出入りも多いのでちょっとした退屈凌ぎにもなりよく出かけました。
この小さなロビーには椅子が10脚ほど点在しているのですが、
行くと必ず一番出口に近い端っこの席に背中を丸めて静かに座っているオジサンがいます。
この人は余ほど退屈で人見知りなのか、殆ど喋りません。
時折、立ち上がってゆっくりと歩くのですが、足を引きずりながら小さな声で
シャイセ!・・・シャイセ! (意: くそ~!)」
と独り言を云っています。
最初の頃は目があっても背けていましたが、こう頻繁に会うので、
3日目辺りにはとうとう会釈をする程にまでなりました。
そして次の日に 「どうしました?」 と尋ねた処、
ようやく、足の手術を受けた事やその後の不満などを、小声でボソボソと話し始めてくれました。
何と明日には退院をするのだとのこと。
次の日の朝、ロビーへと降りて行きましたが、案の定そこにはもう彼の姿は無く、
何だかちょっぴりセンチメンタルな気分になりました。

病室前の廊下へも頻繁に出ては、ベンチに座ってヘッドホーンで音楽を聴いて時間を過ごしていました。
隣の病室は大きくて6人部屋のようですが、この部屋からも頻繁に出てきてベンチに座っている
若人がいます。
この人は鼻の手術を受けたようで、包帯を巻いたブリッジを何時も両方の鼻の穴に突っ込んでいて、
何時しか私は彼の事を「ブリッジ君」と勝手に命名しました。
ドイツ語が全く喋れない彼は看護婦さんとはカタコトの英語でやり取りをしていますし、
ある日訪ねてきた怪しげなマリオ青年とは何語だか全く判明がつかない言語で会話をしていました。
マリオも偶々彼が着ていたジャンバーの背中に Mario Crew と書いてあったので
彼のこともそう勝手に呼んでいただけです。・・・
月曜日の夕方、閑散とした廊下でブリッジ君と私だけがベンチに座ってボーッとしていました。
もう面会時間も終わろうとした時、バタンとドアが開きドヤドヤと
黒ずくめで威勢の良い男たち7・8人がブリッジ君めがけ急ぎ足で迫って行きました。
あっブリッジ君危うし・・・私もとっさにどうしようか・・・と思いきや、
これはどうも私のアクション映画の見過ぎだったようで、彼らは仕事帰り、
ギリギリ面会時間に間に合うよう急いでやって来たのでした。
黒ずくめのジャンバーには皆 Mario Crew と書かれていて大勢のマリオが訪ねて来た訳です。

またある日から、廊下をペタペタとスリッパの音をちょっと気になるくらい大きくたてて歩くオバサンが
加わりました。しかも小股で歩くので余計気になります。
どこの国出身なのか分かりませんが、ちょっとラテン系?・・・ドイツ語はこなれた感じなので
長くドイツにいるのでしょうが、文法などはメチャメチャなので余り理解ができません。
ある夕方、例によって廊下で座っていると、このオバサンがやって来てシャワー室へ行きたい様子。
直前に別の人が入っていくのを見かけたので、「今は使用中ですよ!」・・・「下の階にもあるよ」、
などの会話を機にやたらと話しかけてくるようになりました。
シャワーからの帰りにも「明日手術なの・・・だからシャワーを・・・」と照れくさそうに話していました。
翌朝も早く目が覚めたので、院内をブラブラ散歩をしていると、丁度このオバサンが
手術室へ運ばれて行く処に出くわしました。私を見つけるとスガルような目付きで
「コレカラ、オペなの~」と十字を切りながら不安そうに訴えていました。
朝が早く未だボーッとしていたせいもあって、何だか映画のワン・シーンを見たような錯覚に陥りました。
まぁ彼女の手術も無事終わったようでしたが、耳だけでなく数箇所の手術を受けたそうで、
一旦退院をして、後日、また反対側の耳の手術を受けるそうです。
大変でしょうが彼女も全快することができるよう祈っています。

もう院内は隈なく散歩をし、いろんな物を見つけました。
ここにはチャペルまであってちゃんと礼拝も行われています。
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しかし流石に院内にも飽きてきました。
まだ喉は痛いし頭もボーッと熱っぽいのですが、例の疎水沿いが気になりますし、
まぁちょっとだけ と思い、脱出してみる事にしました。
疎水はなみなみと水を貯え、静かながら勢いよく流れています。
並木道も想像以上に自然が残っこていてまるで森に来たような錯覚さえ覚えます。
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それにしても何処まで続いて行くのでしょうか、途中にあった自転車道の案内板には
ステルンベルク湖まで19kmと書かれているので、おそらくこの疎水もこの湖から
流れて来ているのでしょう。
雪でボーッと霞んでいた教会も、期待通り素敵な姿です。
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この辺、Pasingへは来たことがなかったのですが、古くて趣がある建物も多く、
なかなか素敵ですっかり気に入りました。

一週間の入院は退屈でしたが、環境は素敵だったし、看護婦さんたちも優しくて
至れりつくせりの看護にはいくら感謝をしてもし尽くせない程です。
病院へ提示したのは健康保険のカードたった一枚とパスポートだけで、
外国人である私に対しても、何の分け隔てもなく、丁寧に看護をしてくれました。

たった数日前までの事だったのに、もう随分昔の出来事の様な気がして、
幻のような印象しか残っていませんが、しっかり喉はまだ痛むし、
ちょっとアレルギーの様な後遺症もあって、あぁ~確かに手術を受けたのだなぁと再認識しています。

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by Atelier-Onuki | 2013-01-26 03:09 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)

7日間の入院生活・1

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先週の木曜日から入院をして、やっと今日退院して来ました。
と云うのも昨年の6月ころから、何か飲み物や食べ物を口にして味を感じると
唾液腺の辺りが沁みるような痛みを感じていました。
それも酸性の味が強いもの程、痛さもキツイものでした。
暫くは我慢をしていたのですが、その内酷い時には痛みが頭の神経の方まで達する様になり、
とうとうお医者さんへ行くことにしました。
耳鼻咽喉科での見立てでは、ストレスによる胃酸過多と
ニコチンによって炎症を起こしているとの事で、
暫くは胃薬と口内の嗽で様子を見ていたのですが、余り良くなる気配がないので、
一度病院で検査をすよう勧められました。
そう云えばニコチンではもう随分長い間、不摂生をして来ましたし、
胃酸はこの頃、とても厄介な案件を抱えていて毎日胃が痛く随分ストレスを貯め込んでいました。
今はまた別のもっと厄介な案件があって、このストレスに関しては何ら改善はないのですが。・・・

そして先週の木曜日に精密検査を行い、次の日には即、手術と云う段取りになりました。
検査は朝7:30分に事務的な手続きを済ませ、先ずは耳鼻科での診察、
その後は血液検査や血圧など測り、今度は内科で心肺の検査、
最後がCTスキャンなのですが、医者だけで4人違う科に回されるし、
その間、何種類もの書類のサイン、そして過去の病歴や生活習慣、常用している薬への
アンケートに対するの回答など、もうウンザリです。
血液検査の結果を待って、CTスキャンの許可が出たのがやっと夕方4時と
何とも念には念の入れようです。
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最後に検査結果が主任のお医者さんから説明があり、
あす7時から炎症している部分の除去をする手術をしますとの事になりました。
生まれて初めての手術ですし、そんなに難しい手術ではないと云われてますが、やはり不安です。
朝7時、搬送用のベッドに横たわり、「舌を上げて」と云いなりになると、
口の中にポイと精神安定剤が放り込まれました。
新館にあるらしい手術室までは、所々まだ工事中で
迷路のようにエレベーターを乗ったり降りたりと迂回をしながら結構な道のりです。
もうこうなったらこちらとしてはパッパッと早く済ませてしまいたい心境ですが、
なかなか辿り付きませんでした。
その間、心配なので「私の様な手術を受ける患者はよくいるの?」と尋ねてみると、
「大丈夫、しょっちゅういるから。」と年配の看護婦さんの落ち着いた返答にちょっと安心しました。
いよいよ到着です。先ずは準備室みたいな所で屈強で髭もじゃの看護師が
私の寝巻きを脱がせ手術用のベッドへと移し、
上から暖かいバスタオルを手際よくギュギュと掛けてくれました。
更に次の部屋に通され、今度は心電図などの準備をしに看護婦が来るからと、
言い残してこのブルートは去って行きました。
暫くすると今度は又、別の髭もじゃが・・・看護婦と聞いていたのに・・・
これが又「名前は?」、「生年月日は?」、「生まれは?」と次々と質問をしてきます。
「症状は?、どこが痛いの?」の質問にはさすがに心配になって
「あのぉ~、そこのカルテに書いてありませんか?」・・・と、
「まぁ~一応、念の為の質問だから。・・・」と云った目は意外と優しく笑っていたので安心しました。
それに先ほどの安定剤が効いてきたようで、
この段階では「もう何でも来い!」と開き直った心境になっていました。

そしていよいよ手術室へ、TVなどでしか見たことがありませんでしたが、
天井から沢山の照明がぶら下がった本格的な部屋です。
今度は30半ばで利発そうな黒縁メガネがテキパキと質問をしてきます。
「生まれは?」・・・また同じ質問かい???、
半ば投げやり気味に「オオサカ・・・」、と「日本へは行ってみたいんだけどね、まだ行ったことがないんだ。」
・・・やっと違う質問が、「さぁ良い夢見ましょうね・・・」とマスクが近づいて来て、
「ましょうね・・・」という辺りで意識がスッ-と無くなったようです。
何れ程経ったのでしょうか、ボーッと気が付き始めた時は手術も終わり病室へ向かっている途中でした。
その後もボーと意識が曖昧で、スープの様なものを取ったのかどうかもアヤフヤ・・・
何だかズーと寝ていたようです。
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あくる日はまぁまぁ意識も戻ってきてました。
部屋はオジサン達二人との相部屋、比較的大人しい人達でゆっくり休むことができました。
気が付けば窓からの眺めも素敵です。
折しも雪がコンコンと降っていて木立越しに微かに見える淡いブルーグリーンの教会も
幻想的な佇まいです。
病院に沿って疎水が流れ、コンモリと茂った並木道がズーと続いています。
これは何処まで続いているのでしょうか、気になる処です。
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三日目には随分と体力も回復してきました。
本当は外出禁止なのですが、病院の周りだけだったら・・・

ちょっとこっそり抜け出して散歩をしたくなる、魅惑的な並木道です。

この日からは、病院内の人間模様にも気になりだす余裕もでてくるのですが、
少し疲れて来たのでこの続きは明日にでも。

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by Atelier-Onuki | 2013-01-24 05:25 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)

ダボス会議の思い出

毎年1月末に開催される世界経済フォーラム、いわゆるダボス会議は
今年も25日から開催が予定されています。
日本も毎年参加していて、スポンサーが付いた年にはパーティを開き
各国の要人を招待して外交を行なっています。

ある年、結構大きな予算が付いたそうで、ジャパンデーと称し大きなパーティが企画されました。
会場の装飾やプレゼンテーションなど大掛かりで専門的な準備が予測された事もあり、
弊社に協力の依頼が回って来ました。
一番のメインテーマとなったのは日本文化の一つ、海外でもブームの寿司。
日本並みの本物のクォリティで寿司を提供したいとのこと、
しかも雰囲気やサーヴィスまでも日本の様にきめ細かく、来客を待たせたくないとの配慮から
寿司職人はズラッと5人位は並べたいとの事でした。

欧州ではこんな企画はよくあり、いろんな国にまで出張してくれる寿司屋さんもいて、
ちゃんと心得もあり手馴れた物なのですが、ズラッと5人となるとそう簡単には行きません。
先ず何時もお願いしているお店に訊きましたが、やはり人数が揃わないとのこと。
スイスを初め近そうな街にある店も何軒か問い合せましたが、
どこも寿司職人の人数がネックになってしまいました。
そんな中やっとミュンへンにある知り合いの寿司屋さんが、
「よっしゃ、何とか集めてみます!」と勢い良く引き受けてくれました。

会場装飾も、中央にドンと大きな生花を置きたいので、生花ができる人を探さなくてはなりません。
調べてみると、何とチューリッヒに草月流の支部で師匠格のスイス人がいる事が分かりました。

会場はダボスでもそこそこ大きなホテルの宴会場で、
下見を兼ねてホテル側との打ち合わせをしましたが、
彼らは過去にこのジャパンデーを行なった経験があり心強い対応でした。
当然ホテル側からもコックさんがズラリと並び当地の料理を提供すると云う、和食・洋食の饗宴。
会場装飾も着物の反物による案で決まり、当日に向けて準備が進められて行きました。

順調に準備も進み準備万端、当日、開場を待つばかりとなりました。
例の寿司コーナーにはネタケースが日本の様にズラッと並び、
その後ろには頼もしい寿司職人の方々が予定通り5人で手際よく握り始めました。
しかもネタは特別ルートで良いものを仕入れたそうで、リーダーは自信たっぷりです。
着物を着たサーヴィスの女性達まで揃っています。
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中央の生花はお弟子さん達と数時間の格闘の末、オブジェの如くモダンで堂々した作品が完成しました。
このおっ師匠さん、中々気が利く人でメインの生花だけでなく、
各テーブル用の可愛い飾花も作ってくれるし、受付のテーブルやプレゼンテーションのコーナーには
中型の生花までも用意してくれました。
このシーズンは花の種類が少なく、これだけの数を揃えるのはとても困難なのだそうですが、
おっ師匠さん、特別ルートを通じてサンレモの園芸店に直接予約を入れて、準備をしてくれていたそうです。
「この花、昨日着いたばかりだからフレッシュでしょ~。」と自慢げに語っていました。

いよいよ今回の主催者である大臣ご一行が到着、リハーサルも終え、招待客もパラパラと集まりだしました。
この年はやはり気合が入っていたせいか、大臣クラスだけでも5・6人は来られていたようです。
企業関係でも、テレビで見たことのあるような有名社長さん達が次々と来賓されています。

宴もたけなわになった頃、ホテルのオーナーが私の所に歩みよって来て、
「あの~、このお寿司ですけど、5人前程お持ち帰りする事ができますか?」と尋ねてきました。
「まぁこのパーティが終わって、余っていたら可能ですが。」と答えると、
「イヤ今すぐに欲しいのです。」
・・・「それは無理ですね。」・・・

実は別のホテルから問い合わせがあって、
何処かでこの寿司パーティの噂を聞きつけたあのビル・ゲイツ氏が、
寿司が食べたいと言い出したそうです。
いや私としては相手が相手だけに提供してあげたかったのですが、
やはり受けている仕事の方が大事で、万が一足りなくなってしまったら困りますので、
まぁ食べに来て頂くのは大いに歓迎致しますが、
そちらに届けることは残念ながらできませんと丁重にお断りしました。

結局は、充分に準備していた食材は余り、
終了後には、宴会中、指をくわえて見ていただけのスタッフの為にお弁当の寿司を作ることができました。
こんなに余るんだったら彼にも食べて貰えたのにな…と、今となってはちょっぴり後悔をしています。

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by Atelier-Onuki | 2013-01-15 00:29 | スイス | Trackback | Comments(0)

ミュンヘンのスポーツ店

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ここミュンヘンはアルプスにも近いせいか、登山やハイキング、
それにスキーを初めウィンター・スポーツの愛好家が多く、
大型のスポーツ店が驚くほど沢山あり、どこも賑わっています。
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それも本格的で相当のプロ相手にでも満足させられる品揃えで、
品数も多いしアイテムも「へぇ~こんな物まであるんだ!」と
滅多にお目に掛かれないような物まで扱っています。
特に山岳用品のアイテムの豊富さには驚かされます。

それにしても本格的な山に行くには、いろんな装備が必要なんですね。

私なんぞは単に軽いハイキングへ行く程度ですから詳しくないので、
ジャケットやハイキング・シューズを見るくらいですが、
最近は山用とは思えない様なお洒落な物が出回り楽しく見ることができます。
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今日も思いがけず一足購入していまいましたが、
昔の様に如何にもと云ったゴツイ靴ではなく、タウン・シューズとして履いても
決して可笑しくない洒落たものです。
それに機能的にも良く考慮されたものですから、
この寒くて雪の多いミュンヘンで履くには持ってこいです。

そう云えばこの街の人は普段通勤の時にでも山用品を着てる人が多く、
7割近くの人々が日常的に山用の衣服を着用しているのではないでしょうか。
まぁお洒落に着ている人もいますが、大抵は未だダサイ格好が多いようです。

一応格式のあるオペラ・ハウスでさえも、雪が降った日などは多くの人が
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雪用のゴツイ靴を履いてきて、ロビーでフォーマルな物と履き替えている有様です。
まぁこの履き替えると云う感覚は、素朴でノンビリとしたバイエルンの独特の感覚かもしれません。
寒さの点ではミュンヘンと同じようなウィーンでは、このような光景は見られませんから。

沢山のスポーツ店が競合しあっていますが、
1年ほど前にオープンした“Globetrotter“と云う店が中々お洒落な作りをしていて好きです。
広々とした店内は入って直ぐの空間が四層の吹き抜けになっていて気持ち良く、
地下には大きなプールがあって、噴水が吹き出したり、
夏場はカヌーやボートの実演をして楽しませてくれます。
各、ディスプレイもそのコーナーの雰囲気を上手く醸し出しています。
ちなみに、このお店にはスポーツ専門の旅行会社も入っています。
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登山用品の売り場には大きな植え込みの空間があって、
ランダムに設置されたモニターには生物の映像が流れたり、
絶えず鳥の囀りが聞こえてきます。
足のサイズや形状の計測などは当然の様に、用途毎にありますが、
防寒着のコーナーには何と氷室まであって、その機能を体感できるようになっています。
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又、別の吹き抜けにもモダン・アート宜しく、スリッパや足ひれで作った
魚のオブジェなどが吊ってあったりで、思わず見つめてしまいます。

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まぁ何も買わなくても、見て回るだけで楽しめるお店です。

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by Atelier-Onuki | 2013-01-13 17:51 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)

新春森歩き

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昨夜デュッセルドルフからミュンヘンへ戻ってきました。
明日からは初出勤で、又厄介で神経を使う仕事が待っています。

少し体調と神経を整えようと近くの森へ散歩に出かけました。
小雨交じりで地面はグジャグジャ、結構寒かったのですが、さすが散歩好きのドイツ人・・・
パラパラと来ています。それにジョギングをする人も結構見かけました。
こちらは「雨にも負けず・・・」の心境ですが、逞しい彼らにはそんなのはお構い無しです。

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ここまで歩いて15分位ですが広大な森で、もう遠くの山あいまで来たような感じ、
丁度霧も立ち込めていて何処か違う世界に引き込まれそうな錯覚にさえ陥ります。

この森にも鹿や猪が生息していて、以前に来たときは森の奥深くに鹿の群れを見かけた事もありました。
猪なんかちょっと餌付けをしている場所があって、ここではその姿をよく見かける事があります。

こんな野生動物がいるので森全体は金網で囲まれていて、入口も二重の扉になっています。
当然ながら犬の侵入は禁止ですが、馬に乗っての散歩は許可されています。
この地方の殆どの森は杉苔が森全体を覆うように生えていて、地表を緑色で埋め尽くし、
とても爽やかな印象で気持ちよく散歩ができます。

しかしこれだけ広い森にも関わらず、驚く程良く整備されていて、ここを管理をしている人達には
いつも感心させられます。
それと木などの植物がもつ生命力にも驚かされます。
もうそこら中で小さな木々が新しい生命を息吹き逞しく成長しています。
このまま放っておいたらどれだけの木々で覆い尽くされるのかと思うほどの生命力。
この辺も計画的に上手く伐採などをして管理しているのでしょうね。

切断された木の上にまた別の木の生命がa0280569_7144037.jpg


この静かながら逞しい自然の生命力や、それを又地道に管理している人達のことを思うと、
明日からの仕事にもひたむきに粘り強く取り組む心構えが湧いてくる気がしました。

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by Atelier-Onuki | 2013-01-07 07:15 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)

パウル・クレー展に寄せて

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デュッセルドルフのK-21(クンスト-21の略で21世紀芸術の意)と云うミュージアムで
クレー展が2月初旬まで開催されています。この美術館は、普段は現代アートが展示されています。

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今回の特別展は、NRW州(ノルト・ライン・ヴェストファーレン)の州立美術館が
クレーの100点目の絵画を購入したことを記念して開催されました。
クレーは戦前デュッセルドルフのアカデミーで教鞭をとっていた事もあって縁の地であり、
彼が住んでいたアパートも未だ現存しています。

デュッセルドルフの美術館は毎月、第一水曜日の18時から20時までは入場がフリーで、
しかも解説が付くそうで、これは芸術を気軽に親しんでもらう為の素晴らしい政策だと思います。
私の知る限りミュンヘンでは日曜日が1ユーロ、パリでは毎月第一日曜日がフリー、
ロンドンに至ってはナショナル・ギャラリーであろうが、大英博物館であろうが年中フリーと云う
気前の良さでで、芸術愛好家にとっては本当に有難い制度です。

さて、このベルン生まれの画家については既に良く知られているので説明の必要は無いと思いますが、
先ずなんといっても名前のKleeってのが素敵です。
これはドイツ語でクローバーを意味し、その響きや意味合いからも彼の絵のイメージにマッチしているような
気が致します。
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抽象画が全盛期を迎えようとしていた時期に、どの流派にも属さず彼独自のスタイルに辿り着き、
そのパッと見は幾何学的な感覚ながら詩情や音楽さえ聞こえて来そうな絵画の世界からは
控えめながら色んな事が語りかけられてくるようです。
彼自身、幼い頃からヴァイオリンに親しみ、これはプロ級の腕前があったそうですし、
文学にも関心が強く、詩的な感覚はその影響も大きいようです。
その後も私的な日記や芸術論の本を執筆しています。
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画家としての転機は、マルクと行ったチュニジアで受けた印象が大きな衝撃を与えたようで、
画風や色使いが一変いたします。
これには旅行記の様な画集が出ていて、その影響を受けた風景や建物、装飾品やタペストリーなど、
マルクの作品と共に紹介されていてとても興味深い物でした。

このクレーさん、私が学生だった頃には良く勉強をしたものでした。
その後、教えていた学生さんなんかにも試してもらった勉強方法があるのですが、
これは大いに成果を上げました。

彼の絵は、先ず何と云っても色使いの素晴らしさが傑出しています。
未だ色彩感覚に乏しく、自分独自の色使いが出来なかった頃、
なるべく明るい色使いをしている彼の絵画を選び、それと同じ色を作る事から始めました。
もっともオリジナルは水彩から油彩、パステル類まであって、キャンバスも様々、紙あり布有りで
その表面は一様ではありませんし、絵の具にもマチエールが付いていて簡単ではありませんが、
そこから一番近い色を抽出します。
それから大体何パーセントの割合で構成されているのかを割り出し、自分が作った別の構成の画面に
大体同じ位の分量で彩色してみると云うものでした。
出来上がった作品は、このお陰で、色使いに関しては何だか凄く良くなった様に感じていました。

彼の晩年は亡命や大病に煩わされ痛々しさを感じますが、絵画の世界を超えて、
その後にやって来るデザインの世界にまで大きな影響を与えた独自の世界は、
これからも沢山の芸術家やデザイナーにとって一つの指針であり続ける事でしょう。

館内のカフェもモダンです
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by Atelier-Onuki | 2013-01-05 23:06 | デュッセルドルフ | Trackback | Comments(0)

2013年 ニューイヤーコンサートと花火

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皆様あけましておめでとうございます。

今年もいつものように一斉に打ち上げられた花火と共に新しい年を迎えました。
ちょっとお天気が心配でしたが、一段落するまで雨が降らなくて良かったです。
それに「不景気なんか吹き飛ばしっちめえ!!」との思いもあったのか
何時もより派手に打ち上げられたようです。
ここデュッセルドルフでは、0時と共に教会の鐘やライン川に浮かぶ船も汽笛を鳴らし
それなりに雰囲気があります。

一夜が明け、これまた恒例のニューイヤー・コンサートをTVで観てやっとお正月気分になって来ました。
年々歳をとってくると、もうお正月とかクリスマスとか面倒でどうでも良いかなんて気分なので、
一向に改まった気持ちにもなりませんし、今日は未だ2日ですが、
休暇中にも関わらず午後から差し迫っている案件のミーティングが入っている始末です。

さて、ニューイヤー・コンサートはヴェルザー・メスト二度目の登場で、
前回よりはこなれた感じがしましたが、初めて取り上げられた曲も多く、
カラヤンの時の様にポピュラー曲をずらりと並べた堂々の勝負とはならなかったようです。
まぁこれはボスコフスキー以降に登場した大抵の指揮者も避けて来ましたが、
オーストリア出身で久々の期待が持てる指揮者なので皆でバックアップをしているようです。

演奏に関しては、今年生誕200年を迎える為ニューイヤー・コンサートに初登場したワグナーの
ローエングリンから「三幕への前奏曲」が、さすがバリッとした素晴らしい演奏で強い印象を残しました。
同じく生誕200年のヴェルディからはリゴレットを編曲した「カドリーユ」と「ドン・カルロからのバレエ音楽」
を取り上げましたが、これは曲自体の完成度がイマイチの様な気がしました。
本来のシュトラウスではアンコールでの「青きドナウ」が柔らかくて潤いのある素晴らしい演奏だった
のではないでしょうか。

それにしても年に一度サンレモからの花々で飾られたムジーク・フェラインは艶やかで気持ちが良さそうです。
時間も朝11時からで、窓から陽が差し込んでくるとホールは光と音に包まれ夢見心地・・・
別世界に浸っている気になってしまいます。
ニューイヤーコンサートはもう随分と長く行っていないので、またそのうち何時かはと思っているのですが、
やはりチケットの入手が困難なのでツイツイ腰が重くなってしまいます。
まぁチケットがなくても行ってしまえばこのシーズン、演奏会場やオペラの入口で売っている人もいて、
チャンスは無きにしもありません。
良い人なら額面通りの金額で売ってくれますが、中にはこれで稼ごうなんて連中もいますから要注意、
最終値が45万円にもなったなんて噂も聞いた事がありました。

前回行ったのは89年。クライバーが登場すると云うので、大騒ぎして行きました。
まだインターネットの無い時代だったので雑誌などで調べ、音楽ツアーに強そうなあちこちの旅行代理店に
電話をかけて訊きまくりました。
中には簡単に「アイヨッ、ありますあります。」って感じで受け答えする代理店があって、
こりゃ良かった直ぐに予約をしようとよくよく訊いてみると、
なんとウィーン近郊のバーデンでのニューイヤー・コンサート。
そりゃチケットある訳だし、そんなの普通わざわざデュッセルドルフから行きません。

ようやく信用できそうな代理店がドイツ南部にある事が分かりました。
当時はマルク時代で、一枚1200マルク(あの当時だと10万円位の価値)でしたが、
まぁクライバーですから覚悟は決めていました。
それにチケットはホテルに届けるとの事、多分彼らもウィーンの誰かに頼むのでしょう。
ホテルで実際にチケットを手にするまではヤキモキしたものです。

これは緊張と興奮に溢れたニューイヤー・コンサートで、ある画伯との珍道中でもあったのですが、
書き出すと長くなりますので又の機会にご紹介させて頂きます。

では、2013年が皆様にとりまして平穏で喜ばしい一年であります様にお祈りしております。

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by Atelier-Onuki | 2013-01-03 17:48 | 音楽 | Trackback | Comments(0)