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「ザルツブルクのマイスタージンガー」

6月にラトルによるマーラーの2番を聴いたり、先日は9番を作曲した小屋を訪れたりと、ここしばらくドップリとマーラーに浸かっていました。
しかも特にこの二曲は浮世離れした内容の曲なので、どうしても気持ちが現実から遠ざかってしまいます。
これでは社会人として欠陥人間に成りかねないので(否すでに欠陥だらけなのですが)、そろそろ聴くのを控えようかなぁと思っていました。

そこへ予期せぬことに突如ワグナーが出現して来ました。
ワグナーなのでこちらもマーラーに負けず劣らず浮世離れしていますし、
現実へ気持ちを復帰させるのには何の助けにもなりません。

と云うのは会社の同僚で毎年ザルツブルク音楽祭に通っている人がいるのですが、
彼の知り合いで日本から来られている音楽ファンの方が体調を崩してしまい、突如チケットが私に回って来たからです。
体調を崩された方にはお気の毒なのですが、エッこんな高いチケットを頂いても良いのかなと恐縮するほど高額でした。
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ミュンヘンからは近いので毎年「如何しようかなぁ~」とプログラムだけは見るのですが、如何せんチケット代が高くて二の足を踏んでいました。
特にオペラは会場の大ホールが通常のオペラ・ハウスに比べて間口の幅が二倍くらいありますので、
このステージ一杯を装置で飾るとそれは豪華で迫力があります。

もう16・7年前でしょうか我が師匠の一人、装置家の高田一郎先生が演出の浅利慶太さんと組んで「エレクトラ」を上演し、
その時に招待して頂いて以来です。
その折ついでに観たパトリース・シェロー演出の「ドン・ジョバンニ」も特筆もので、
我がオペラ鑑賞の中でも五指に入る素晴らしい内容で懐かしく思い出されます。

さて、今回の演目はワグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」でした。
会場前はサラサラとした霧雨にも関わらず大勢の着飾った人達で賑わっていました。
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バイロイトに対抗して設立されたこの音楽祭(音楽だけではないので祝祭とした方が良いのかも知れませんが。)は、
バイロイトが意外と地味な格好の聴衆が多いのに対して、もうどんなに頑張って着飾っても埋めれてしまう程、聴衆の格好が一番派手な音楽祭でしょう。
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それは日本からの人達もそうで、プッと笑いが出てしまいそうなちょっとユニークな方々もおられました。
(でも皆さんさすがにお金持ちらしいザマスノヨとした雰囲気を醸し出されていました。)
唯、この雰囲気は場違いな気がしてきて途中からとても居心地が悪く感じだしていました。

さて場内はほぼ満席状態です。
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最初からステージの幕は開いていて室内の舞台装置がセッティングされています。
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客電も落ち前奏曲が始まる前にバタバタと寝巻き姿のワグナーと思しき人物が登場し、あれこれと作曲過程での創作に関する葛藤をし、
これだと閃いたと同時にバーン・バーババンと例の前奏曲が始まりました。
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曲の後半になって彼はステージ袖から白い半透明のカーテンを引いて一部右端の装置を除いて被ってしまいますが、
このカーテンには装置と同じ映像がピッタリと合うように投影されています。
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引き終えた後、彼はこのカーテンの中へ消えて行きました。
同時に映像は段々とアップになり左端にあった古風な机へとパーンし、正面へと回り込んで最大に映し出された処でカーテンは開きます。
中からはそのアップになった机が映像と同じ大きさで今度は巨大な装置として舞台一杯に現れ大勢のコーラスが乗っています。

ハハァこれは架空の世界であることを暗示するように人々を小さく非現実的に扱っているのでしょう。
先ほどのワグナーもこの架空の世界に入っていったのだとこの辺で納得です。
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この映像がアップしてから幕が始まって行く手法はとても上手だと思いますし、
第二幕、三幕もセットの違う部分をクローズ・アップしてから入って行きました。

それにしても机を初めあちこちに置かれている巨大な古い本までも、装置はきめ細かな配慮がされた素晴らしいもので、
材質の表現や小さな装飾に至るまでちゃんと作っていて、これは随分コストが掛かっただろうなと余計な心配をするほどです。

暫くあって登場してきたハンス・ザックスは先ほどのワグナーを演じていた人ではないですか。
そうか前から疑っていたのですが、このザックスはワグナーの化身だった訳です。
そういえば生れて間もなかった長女のエファも同名でこの物語りに登場しますし、
ザックスとのあのアイ情関係は一体何だったのでしょうか。
この作曲家は後に作曲する「指輪」でも長男のジークフリートの名を英雄として登場させますし、
この辺の感覚は私には理解が困難です。
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それと最初からステージ中央に思わせぶりに置いてあった3体の胸像ですが、左が小ぶりのゲーテで右端が等身大のベートーヴェン、
中央が一番大きく緑の布が掛けられ見えなくしています。
もうこの辺でハハァあれはワグナーだな・・・と想像が付きますが、・・・
案の定最後に姿を現し、この緑の布は最終幕でマイスター達が纏っていたマントや衣装、
それにワグナーの象徴とも云うべき変な形のベレー帽まで緑色と云う徹底的にワグナーをマイスターの象徴のように扱っていました。
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最終幕ではザックスによってドイツ民衆の精神や芸術性に付いて延々と語られますが、
これはドイツ人(オーストリア人も含め)はしっくりと受け入れられるのでしょうか。
そのまどろっこしく理屈っぽい語り口は、時折面倒な理屈を云う弊社ドイツ人スタッフの顔がチラチラ浮かんできたりして、
私には理解しずらい感覚で、それでぇ~?と段々面倒くさく感じていました。

全体的にはビーダマイヤー調の舞台装置、カツラまで含めた衣装がとてもきめ細かな配慮がなされていて素晴らしいものでした。
それに照明が上手い、とても自然な表現でスポットも光源を悟らせずにさりげなく浮き上がる手腕は特筆物でした。

演出も面白いと云えば面白いコンセプトだと思いますが、徹底的にドイツ寓話であることを強調するためか、
二幕目からベックメッサーが絡むシーンではドイツで生み出されたお伽噺からのオンパレードのように
ありとあらゆるキャラクターがパロディ化されて登場してきます。
赤頭巾ちゃん、白雪姫をはじめ小人達にオオカミ、毒リンゴの継母、カエルの王様に長靴をはいたネコと書ききれない位で支離滅裂です。
それに大騒ぎの最中タンスの中で白雪姫が小人に犯されているシーンなど如何なものかなぁと・・・首を傾げてしまいます。

歌手陣はこの大きな劇場にも関わらず良く声も通り、全般的に立派なものでしたが、
特にザックスとベックメッサーが演技も含め素晴らしい歌唱でした。
このベックメッサーはワグナーが彼に敵対していたウィーンの評論家ハンスリックをモデルにしたそうですが、
私個人はこの敵役でコケにされてしまう彼の役柄の方が可哀想だし人間味があって好きです。
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それに大人数の合唱が特筆もので、その力強い所はボリューム満点ながら、
柔らかい表現でアンサンブルもきめ細かく静かな部分もハッとするほど綺麗な歌いぶりでした。
特に三幕目では上下三層に陣取った合唱がステージのほぼ全域に広がり、大きな面として伝わってくる声は
大迫力で素晴らしい効果を上げていました。

オーケストラもこの長いオペラをだれる事なく緊張感をもって演奏仕切りました。
ガッティも一部にブーイングをする観客もいましたが、ここまでオペラが振れる人とは知りませんでした。
ウィーン・フィルの皆さんお疲れ様でした。
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終演後は閉店間際のビア・レストランに飛び込んで、もうディスペンサーの掃除を初めかけていましたが、
最後の一杯とかろうじてグラーシュ・スープを確保する事ができました。


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by Atelier-Onuki | 2013-08-29 23:58 | ザルツブルク | Trackback | Comments(0)

「ファローリア」と云う山で

トファーナ山から降りてきて何もやる気が起こらなかったのですが、厄介なことにお腹だけは空いて来ました。

街中へ戻って来て何処かで昼食をと歩行者天国の界隈をブラブラ物色していましたが、
どうも「ヨシここっ!」とパッと気を引くようなレストランが見付かりません。
これだったら山小屋で食べた方が景色も良かったし・・・とちょっと後悔していました。

仕方なくバスターミナルの方へ迷路のような坂道をダラダラ歩いて戻って来たら、ターミナルのある通りに2・3軒のレストランが並んでいました。
ちょっと覗いて見ると地元の人っぽいお客が何人か座っていますので、これはまぁ期待できるかもと日陰のテラスに座りました。
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メニューにザッーと目を通すとズッキーニのスパゲッティなるものを見つけました。
これはまだ食べたことがありませんし、麺も自家製とあるのでメンクイの私としては迷わずこれを注文しました。
待つ事楽し・・・20分ほど掛かりましたか、やっと出てきました。
先ず麺を見てびっくり・・・殆どウドンほどの太さがあります。
恐る恐る一口試してみると、「オッ美味い!」・・・
ズッキーニだけしか入っていませんがこれがちょっと甘みもあるし、麺がプリプリした食感は腰もしっかりしていて、ほんのりとした味も付いています。
初めての味でしたがこれは美味しい一品を頂きました。

エスプレッソも頂いき、あれだけ無気力だったのに何だか元気が出てきて、
よし、こうなったらもう一つのロープウェイにも乗ってみるぞと云う気になってきました。

乗り場も直ぐ近くでここから見えています。
イソイソとチケット売り場へ行った処、窓口のオジサン曰く、「あと30分ほど出ないけど良いか?」との事。
まぁ今から帰っても早過ぎるし、近くをブラブラする事にしました。
ちょっと丘になっている乗り場の裏へ回ったら、来る時にバスが潜り抜けた素敵な石橋に遭遇しました。
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石橋を渡り丘へと歩を進めたら牧草が鮮やかな緑で輝いています。
その牧草地の中、ポツポツと日向ぼっこをしている人がいますが、中にはビキニ姿の女性も気持ち良さそうに寝転がっていました。
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さて30分が過ぎたのでロープウェイと向かいましたが、乗客は3人しかいないだけでこりゃ30分待つ訳です。
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そこそこ大きなゴンドラはファローリアと云う山へ向かいましたが、途中で中継点に着きました。
ここには電車のプラットホームのようになっていて、何とここで乗り換え、向かいのホームにはタイミング良く上から降りてきた別のゴンドラが到着しました。
そうかやっと分かりましたこれは同じロープで全体が動いていますが、ゴンドラは四台あって其々が上手く会うように設計されているようです。
何故このような設計になったのか分かりませんが、多分スキー客のために考案されたのだと思われ、
上の方では滑ることができない初心者や短い距離を滑りたい人用として作られたのでしょう。

さて乗り換えたロープウェイは頂上へと着きました。
ここは山と云うよりも全くスキー場の様相で、リフトが何本も設置されていますが、
雪がないのでリストの位置が高すぎるため一本も動いていません。
これを歩いて上まで行くには相当きつい感じだし、今日はあまり歩きたくないのが本音です。

如何しようかと迷っているとオジサンが近づいて来て、「上までジープで行かないか?」尋ねて来ました。
オジサンは商売でやっている感じで、往復9ユーロとの事。・・・
まぁ歩く事を考えたら安いものかと乗り込むことにしました。
ジープはガタガタの道をグイグイ登って行き、イササカ荒っぽい運転も手馴れているようです。
頂上へ到着し、一頻りこの辺から見える山の名前を説明してくれました。
何と昨日行ったドライ・ツィンネンも遠く見えていますし、先ほどのトファーナやイタリアで一番高いマルモラーダも見渡せ、
ここまで来て良かったと思わせる絶景のパノラマでした。
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「30分ほどで迎えにくるから、もし居なかったら電話をして。・・・」と言い残してオジサンはガタゴトと帰って行きました。
あっけにとられて訊くのを忘れてしまいましたが「何処に電話をしたら良いのでしょうか?」

付近をあちこち歩いてちょっと下にある山小屋で暫く休むことにしました。
ここからの眺めも中々のものでゆっくりと楽しめたし、そろそろ下山か・・・
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次のロープウェイに乗れたら5時のバスに間に合います。
オジサンも遠くにゴトゴトやって来るのが見えました。

そしたら何のことか、この山小屋にいたちびっ子たち親子合せて十数人がガヤガヤと一目散に乗り込みます。
「オジサンも直ぐに戻って来るから・・・」と平然と言い放って降りて行きました。
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もう一人ハイキングにしてはえらいお洒落な格好をしたお爺さんも待っていたのですが、彼も置いてきぼりに・・・
ボッーと待っていても仕方がないので又テラスに戻って景色を眺めていましたが、中々戻って来ません。
遠く下に停まっているジープを凝視すると、何と彼は上に登る客引きをしているではないですか。

そろそろ時間も迫ってきたので焦り出したころお客を見つけた様で、やっとノロノロと動き出しました。
上まで登ってきたジープは我々を通り越し更に一番上まで連れて行ったようです。
お洒落なお爺さんもやるせなく手を広げて、如何しようもないの体です。
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やっと降りてきたジープに早々に乗り込み、お爺さんもすぐさま「間に合わないよぅ・・・」と云っていますが、
オジサンはノンビリしたもので「大丈夫・・・3分前には着くから・・・」と平然としたものです。
ガタガタ・ゴトゴトとちょっとスピードを上げたジープは乗客が年寄り二人なのには全くお構いなく大きく揺れながら駆け下りました。

下に着いて「ほら・・間に合っただろ・・」と云うオジサンの言葉も聞き終わらない内に、
お爺さんは猛ダッシュといってもエッサ・コラ程度のノロイ動作ですが、私もそれにエッチラ・コッチラと駆け足で従いました。
ロープウェイの係員はこの様子を見ていたかのようにニコニコしながら待っていました。

結局は先ほどの子供達も一緒のゴンドラで無事下まで降りることができました。

このコルチナまで来るとイタリア色が濃くなり、ちょっといい加減でノンビリした性格の人が多く、心配もあるけれど郷に入れば郷に従えで、
感じは明るいし人は良いのでまぁ良いかと思ってしまいます。



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by Atelier-Onuki | 2013-08-27 18:47 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「コルチナ・ダンペッツォ」のロープウェイ

昨日までに今回の目的を二つもこなしてしまったので、この日は何のあてもなく又「SAD」バスに乗ってボーッとコルチナ・ダンペッツォへ向かいました。
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トブラッハから景勝の山岳地帯を南下すること一時間ちょっとで到着しました。
ここはドロミテでは一番大きな街で歴史も古く昔から栄えています。
リゾート地だけあって歩行者天国の通りにはちょっと洒落たブティックも点在しています。
あのリッカルド・ムーティの別荘もあるそうで夏はここで過ごしているそうです。
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昨日は歩きすぎたのでちょっと足腰がガクガクして今日は余り歩く気がしません。
とは云え折角の山岳地帯だし、「何とかと何とかは、高い所へ登る。」と云われますが、その何とかなので高い所が大好きです。

この街にはロープ・ウェイが二本ありますが、先ずはその高い方のトファーナと云う山へ行ってみる事にしました。
これはロープ・ウェイを三本乗り継いで何と3220mと富士山とまではいかないにせよ結構高い所まで登ります。

二本目までは一気に登りましたが、いきなり3000m以上行くのはリスクも伴うのでここの山小屋で一息入れることにしました。
冬場この辺はスキー場になるようですが、その光景はゴツゴツした岩ばかりの殺伐とした厳しいコースです。
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ゆったりとコーヒーを楽しんだあと、暫く付近を散歩してイヨイヨ三番目のロープ・ウェイで頂上に向かいました。
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このロープ・ウェイは勾配がキツク前方の岩盤に向けてグイグイと上昇して行き中々の迫力です。
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ここにも小さな山小屋と木製のそこそこ広いテラスが谷の方へと張り出していてパノラマ風景を楽しむ事ができます。
見通しの良い時は遠くミラノやヴェニス辺りまで見渡せるそうですが、この日は雲がモコモコと湧いていて視界が晴れたり曇ったりと目まぐるしく変ります。
このテラスから更に鉄製の階段が岩にしがみつくように設置されていて未だ上の方まで登って行く事ができます。
この階段を登ってみましたが途中で階段はなくなり、その先はゴツゴツとした岩場がむき出した本格派の登山コースで
幅50cmほどの両サイドは寄りかかれば倒れそうな弱々しいビニール製のネットしか付いていません。
その先にはネットすら無くなりワイヤーがコースにそって取り付けられているだけでそれは怖そうです。
それに尾根になっているので時折突風を伴った雲が湧き上がって来ます。
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岩盤もこの山は太古の時代に垂直方向に隆起したようで、その層は殆ど垂直に切り立っています。
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所々大きく割れた部分がパックリと口を開け吸い込まれそうな溝で迫力満点の谷を形成していました。
さすが向こう見ずの私でもこれ以上登る勇気がなく途中から恐る恐る階段を引き返しました。

暫くテラスから見上げていると先ほどの尾根に人影が見えます。
どうやら頂上を目指して歩いているようですが、世の中には勇気のある人もいるものです。
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「アァ~怖っ・・・!」思い出すだけでも鳥肌ものです。
ボーッして下のほうを見ていたら今度は向かいの岩盤に動く影が、・・・
ここにも垂直の岸壁を移動しているクルーがいます。
もう「あんたら正気かぁ~」と叫びたくなるくらい見ているだけでゾッ~としてしまいます。

この高さだと気温も低くて寒くなって来たので下りることにしました。
今度は一気に二つ乗り継いで一番目の山小屋まで降りました。
もうここまで下ると木々も生えているし緑に囲まれてホットする光景です。
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お天気もここでは快晴・・・芝生の上には大勢の人が安楽イスに寝転がって日向ぼっこ・・・何とも長閑な光景に様変わりです。
ホットしたのと余りの気持ちよさに暫く寝そべってしまいました。
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この日は殆ど歩かなかったのですが、何だか景色の凄さに緊張したのかドット疲れが出てきてもう何もやる気が起こりませんでした。


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by Atelier-Onuki | 2013-08-24 01:25 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「トレ・チーメ」のハイキング

以前、本格的なワンダー・フォーゲルをやっている知人から「ドライ・ツィンネンは良かったですわ~」と聞いていましたので、
何時かは行ってみたいなぁ~と思っていました。
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ドイツ語でDrei Zinnen / イタリア語でTre Cimeと云う三つの頂からなる山はドロミテの山の中でも一番有名な一つで良く写真では見ていました。
途中にあるミズリーナと云う湖も綺麗そうです。

ドロミテでも東の端にあるこの山はドイツ方面からは遠くて、ちょっと行きにくい気がしていましたが、
夏場はこのトブラッハからも例の「SAD」が直通のバスを出していると云うので行ってみることにしました。

朝9時発のバスは10分ほど前にはもう押すな押すなの人だかりで、大勢の人が乗り込もうとしています。
30分後には臨時のバスも出るそうですが、後ろの方に空席を見つけたので取りあえずは乗り込む事にしました。
次から次へと人が乗り込んで来たバスは、立っている人が十数人もいるほど超満員の状態になりました。

バスは一路コルチナ方面に向けてドンドンと山の中へと走って行きました。
途中は森あり湖ありと中々の景勝路線です。
暫く幹線道路を走ったあと左へ折れ曲がり、イヨイヨ急勾配の山道をミズリーナ湖へ向けて上って行きます。

写真で見ていたミズリーナ湖もちょっと神秘的な光景だったので期待が湧きます。
バスは湖手前のグランド・ホテルに着き更に湖に沿ってドンドン奥へと走りました。
車窓からの眺めはフム~・・・確かに綺麗ですが、私の想像は現実よりも大きく膨らんでいたようです。
当初はここが良かったら寄って行こうと思っていたのですが座席を立つほどではないようでした。
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結局U-ターンをするためにバスは湖の一番奥にある停留所まで行きましたが、誰一人として降りる人はいなかったので無事通過するだけとなりました。

折り返したバスはイヨイヨ最終目的地のトレ・チーメを目指し有料道路へと向かいましたが料金所までは凄い渋滞で、
ここを通過するだけで20~30分は掛かりました。
道はイロハ坂よろしくクネクネとヘアピン・カーブの連続でキツイ勾配をグングン進んで行きます。
周りは険しい山々が迫って来て、一体何処まで上がっていくのだろうか心配になるほど突き進みます。
結局はエッこんな高い所までと驚くほどで、トレ・チーメの直ぐ裏側の袂に着きました。
ここには駐車場があって驚くほど多くの車が所狭しとギュウギュウ詰めで駐車をしています。
何でも標高が2300mもあるそうで木が生えることが出来ない高さは荒涼とした光景です。

先ずは停留所傍の山小屋で休憩してこれからのハイキングに備えました。
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ここはトレ・チーメ南側の壁面で迫って来ている山肌はすでに迫力があるのですが、それがこの山である事を認識するには難しい形をしています。
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良く写真で見かける典型的な光景は北側から撮ったもので、それを見るにはこの先にある三つ目の山小屋まで歩くしかありません。

二つ目の山小屋までは緩やかな道でダラダラと歩いて行けますが、その先の尾根まではちょっとキツイ登りとなります。
道は緩やかなコースもあり、本来はショート・カットが大好きな私ですが歳の事を考えて遠回りをしました。
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やっと尾根までたどり着くともう目の前に迫力あるトレ・チーメが斜に構えていますし、
やはり良く写真に出てくる三番目の山小屋も遠くに見えてきました。
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もうここまでもキツイ行程でしたが、この景色を見てしまうと何だか「もう少し先まで行ってあの写真に出てくるアングルから見てみたい」
という衝動に駆られます。

この尾根からも山小屋まで上下二つのルートがありますが、上の方は「一歩間違えれば!・・・」と考えさせられる如何にも本格派向きっぽいので、
当然ながら下の緩そうな一般登山道を選びました。
途中に小高い丘があってここからの眺めも良さそうです。
皆それを思うのか殆どの人達がここへ立ち寄って記念撮影をしています。
傍にいたイタリア人の母子が「ウンタラ・カンタラそこのジャポネに・・・」みたいなことを言っています。
どうやら私に二人一緒の写真を撮ってもらいたいらしい・・・
ハイよっとiphoneを渡され、縦だのドウだの賑やかに言っていましたが無事終了、
撮れ具合を確認した中々美人の娘さんは気に入ったようで「ミーレ・グラーチェ!」とご機嫌さんでした。

続けて山小屋を目指しましたがこれが見えているのに中々遠い道のりです。
途中で上の岸壁を見上げたら何とそこにはロック・クライミングをしているグループが直角の壁を横に移動しています。
もう見ているだけで鳥肌が立ちそうです。
ふと近くを見ると幾つも人工的に開けられた様な四角い窓があります。
そうだ何時かTVで見たことがあったのですが、この辺は第一次大戦の時は国境地帯で要塞として作られたようです。
それにしてもあんな絶壁の高い所に良くも要塞など作ったものです。
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最後のキツイ階段を登りきりやっと山小屋まで辿り着きました。
一頻り景色を堪能した処でお昼、もうお腹もペコペコです。
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ちょうどお昼時のレストランも超満員、「暫く待つか・・・」と諦めかけた頃、テーブルに座っていた昔は美人だったと思われる婦人が
同じテーブルに座れと言ってくれました。
イタリア語しか話さない婦人とは残念ながら詳しい会話は出来ませんでしたが、人懐こい人でボリュームたっぷりのボロネーゼも美味しく頂けました。

さて景色に誘われてここまでやって来ましたが、このキツイ道のりを帰らなければなりません。
途中の尾根までは何とか結構頑張れましたが、その先は休み休みでフウフウ云いながら何とかバス停まで戻ってくる事ができました。

帰りのバスでは良く眠れた事・・・
夕食時もワインが直ぐに利いてきて、この夜はグッスリと眠りました。


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by Atelier-Onuki | 2013-08-23 04:04 | イタリア | Trackback | Comments(0)

マーラーの作曲小屋

ブライエス湖を後にしてマーラーの作曲小屋へと向かいました。
この小屋はトブラッハの手前にある人里はなれた小高い山の中腹に建っています。
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彼が滞在していたホテルも今はグスタフ・マーラー・ストゥーベという名のレストランとしてちゃっかり彼の名を冠していますが、
当時はどんな名のホテルだったのでしょうか。
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それにしても当時はオーストリア領だったとはいえ、インターネットはもとより電話すらなかった時代に良くもこんな辺鄙な所に見つけたものです。

シーズン中はコンサートやオペラの指揮者として忙しかった彼は夏休みに静かな所で小屋を借り集中して作曲に専念していました。
これまでもアッター湖畔やヴェルター湖の近くで小屋を借りていましたが、ここは最晩年の3年間ほど訪れていた最後の作曲小屋となり、
交響曲の「大地の歌」と「第9番」、そして未完に終わった「第10番」の二楽章までが作曲されました。
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若いころから病弱で異常なほど神経質だった彼は絶えず不安を抱えながらの人生で、
精神的にも落ち着いているかと思ったら突然かき消すかの様に不安が襲ったりと不安定だったそうです。

この精神状態は彼の作品の中でも特長的に現れ、静かで穏やかなメロディーも長続きはせずに荒々しい金管群によって唐突に中断される瞬間が間々訪れます。

それは社会的な不安や家庭の問題、健康状態、そして死への恐怖との葛藤でした。
もうこのトブラッハにやって来た頃はウィーンの音楽監督も辞し、活路を求めてニューヨークへ行ったり来たりの日々で、
アルマとの関係も修復のつかない程にまで達していたようです。

彼の先人達も含め交響曲作曲家と云われる人達にとってベートーヴェンの存在は余りにも偉大すぎて、意識をしない人は居ませんでした。
なかでも人一倍の意識をした彼は「第9番目」の交響曲を作曲する事に対して大きな恐れを抱きためらっていました。
それはベートーヴェンが「第9番」の交響曲が初演された僅か数年後には亡くなってしまい、これが最後の交響曲となったからでした。

このトブラッハでは新しい交響曲の構想は練られていたのですが、「第9番目」にあたる交響曲を「大地の歌」と云う題名にして番号を回避したほどです。

それでも新しい交響曲への思いは募り、とうとう「第9番」の作曲を決意します。

前作の「大地の歌」の最後では「永遠に・・・永遠に・・・」と何度も引きずるように未練がましく終りそうで中々終わらない終結ですが、
ここではイヨイヨ迫りつつある「死」という現実に対してきっぱりと正面から向き合おうとしています。

まるで手探りをするかのように静かにゆったりと始まり出した曲は間もなく「大地の歌」の最終章、
「告別」のフィナーレで奏でられる「Ewig - - - ewig - - -(永遠に・・・永遠に・・・)」の旋律へと又もや受け継がれて行きます。
このテーマは手を変え品を変え色んな変奏となって綿々と綴られます。
それでもこの長閑な環境が反映されているのか全般に牧歌的でゆったりとしたメロディーが進行していきます。
音楽はだんだんと高揚して行き金管群による最初の盛り上がりがやってきます。
これは背後に佇むドロミテ独特のギザギザとした荒々しい形ながらも荘厳な山々を連想させ彼らが何かを語りかけて来ているようです。
綿々と続いた曲は金管による三度目の盛り上がりを見せた後、グット落ち着きを見せ
バイオリン・ソロの甘い旋律を経て静かに終結して行き弦によるピチカートのあと木管の宙に舞うような不協和音で静かに閉じられます。
ここで少しは覚悟をする勇気が見え出したようです。

一転してニ楽章はファゴットのおどけた旋律に木管が絡み合い、ちょっと「鳥獣戯画」の世界を連想させます。
その騒がしい音楽はグロテスクとまで思えるほどで、何だかヤケクソぎみで人生の辛い部分を吐き出しているかのようですが、
一転して落ち着きを取り戻し良かった頃の昔を回想しているようでもあり混沌としています。
曲は高揚して行き亡霊の饗宴の様を呈してから徐々に静かになって行き最初に出てきたファゴットの旋律に戻ってきますが、
ここではテンポもゆったりとして落ち着いた表現で静かに終わります。

唐突に噴出されたトランペットで始まる三楽章も半ばヤケクソぎみの気持ちは継続されているようです。
音楽はまるでもう如何でも良いやと開き直って墓場へ向かう行進曲のようです。
それでも突如またもや過去への追憶シーンとなり穏やかなシーンも現れますが、
この行進曲風のリズムはドンドンとスピードを上げて駆け足で向かっていくようです。
曲の幕切れも踏ん切りが付いたのか「早く行こうよ!」と云わんばかりに慌しくてあっけなく終ってしまいます。

静かにゆったりとした弦楽器群で弾き始められた最終楽章のアダージョは綿々と奏でられ果てしなく延々と広がって行きます。
まるで「まな板の鯉」のごとく心穏やかに綴られその甘いメロディーは恍惚すら感じます。
もう死への恐怖よりもむしろ憧れへと昇華してきました。
これはマーラー自ら自分の為のレクイエムとして書いているかのようです。
先ほどはクラリネットが道化た旋律もここではホルンがテンポを落とし荘厳に響いています。
これに導かれた金管群が再び盛り上がって行き大伽藍を描くと、
テンポはグット落ち静かに静かに何度も名残を惜しみながら消え入るようにこの曲全体の幕が閉じられます。

いや~、この長い曲を聴いたせいか文章も長々となってしまいました。
そう作曲小屋へ急がなければなりません。
と云うのも今は人寄せを目論んで、ここはちょっとした動物公園になっています。
その閉館時間が心配だったので本当は夕暮れが似合うのですが、日が長い夏場なので未だカンカン照りのなか足を急がせました。

鉄道のガードを潜り抜けると、もう周りは牧草地の坂道をダラダラと登って行きました。
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林を抜けるともう直ぐ左手に2・3軒のホテルが見えてきます。
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この一番左のホテルにマーラーは滞在していました。
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ホテルの直ぐ向かいにある動物公園と云っても家畜程度で大した動物はいないのですが、案の定18時に閉門していました。
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それでも名残を惜しむ何家族かの子供達が入り口近くの遊具で遊んでいました。
フェンス越しにドア・ノブを見ると中からは開けられそうです。
暫くしてこちらを振り向いたお母さんに手を振って手招きをしました。
「そこに窓口があるけど・・・」、「いやもう締まっているし写真を撮るだけだから・・・」と
無理やり開けてもらいました。
足早に公園の奥にある作曲小屋へと急ぎました。
それは林の中に忽然と佇んでいました。
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おそらくマーラーが来たときはこの小屋しか建っていなかったのでしょうね。
小さな室内には日に焼けて薄くなってしまった写真や手紙のコピーなどが展示されています。
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彼はどの方向に向かって座っていたのだろうかとか想像を巡らしていました。
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帰り際、マーラーも見ただろうと思われるトブラッハ方面の景色を眺めていたら、
里の方から教会の鐘がカンコンと聞こえて来ました。
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そうですあの一楽章の後半にも鐘の音が聴こえてきます。
きっとマーラーもこの里からの鐘を聞いたことでしょう。

帰り道はiphoneでこの一楽章を聴きながらシミジミと下って行きました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

追記 : この文章を書いた後、昨夜フト気付いたのですが、このカンコンと鳴る鐘の音を同じ音形でゆっくりと伸ばすと何とあの「Ewig・・・」の旋律と同じではないですか。
ドイツ語の発音的にも自然なアクセントに感じますが、この辺の真意はもうマーラーさんのみ知るところでしょうか。

それとカンコンと鳴っている途中からゴォンゴォンと低くて小さな音の鐘も被るように鳴りだしました。
この日は聖母マリアさんの命日なので何時もより派手目に鳴らしたのでしょうか。・・・

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by Atelier-Onuki | 2013-08-21 23:51 | イタリア | Trackback | Comments(0)

お盆休みはトブラッハ

日本ではちょうどお盆休みで、日本がらみの仕事は一週間ほど小休止です。
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ヨーロッパにはさすがにお盆の風習はないのですが、あの聖母マリアが8月15日に昇天をされたので一部の地域では祝日となっています。
ヨーロッパでの祝日は基本的にキリスト教の宗教行事に由来していて、それに其々の国の記念すべき日が加わっています。
キリスト教に由来すると云ってもカトリックとプロテスタントでは捉え方が違い、国や地域によって祝日はバラバラです。

ドイツ国内だけでも祝日の日数が州によって異なります。
カトリックの人が多いバイエルンを初め南ドイツは宗教行事も多く、祝日も他の州に比べて4日間ほど多くちょっと得をしています。
それに引き換えベルリンやハンブルクなどプロテスタント系の多い地域では休みが少なく、ちょっと気の毒です。

そんな訳でちょうどお盆にあたる15日が休みなので金曜日も休み、ちょっとしたお盆休みを取りました。

朝早くミュンヘンの中央駅からボローニャ行きの電車に乗り込みました。
これは人気路線なので既にもう超満員の状態ですが、運良くインスブルックからの予約を入れている座席を見つけました。
ここなら取り敢えず2時間は座る事ができます。
結局この席には誰も乗ってこなかったので、目的地のFortezzaまで座って行けました。

ここでローカル線に乗り換えてドロミテで一番北の谷あいにあるToblach独/ Dobbiaco伊まで向かいます。
今回の目的の一つはこのToblachにあるグスタフ・マーラーの作曲小屋を訪れる事でした。

処でこの辺のローカル線やバスは「SAD」と云う第3セクターのような会社が運営しているのですが、
これが中々優秀な会社で電車や駅それにバスは良く整備されていて綺麗な上に運行がとても時間通りで正確です。
この辺にも「我々は他の地域のイタリア人とは違う南チロル人だ」と云う気概が感じられます。
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乗り込んだ電車も新しくてとても綺麗、乗客もパラパラでとても快適でした。
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ノンビリと揺られる事1時間くらいでToblachに到着しました。
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もう午後2時半をまわっていたのですが、ホテルのレストランで何とか遅い昼にありつく事ができました。
「キッチンを閉めてしまったので冷たい物しか出せないけど」と云いつつもスープもOKと云う事で、
ハムやチーズの盛り合わせと一緒に頂きました。
それ程期待はしていなかったのですが、これが美味しい・・・
ハム類も生ハムっぽいソフトな味わいは旨みすら感じるほどでした。
さすがこの辺りは食事が美味しいと改めて実感です。

さてお腹も満たされ休憩も充分取ったので、先ずはバスに乗って近場のブライエス湖へ向かいました。
再びSADのバスで揺られること30分ほど、山間にある湖に到着です。
お天気の良い休日なのでここも大勢の人達で賑わっていました。
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以前訪れた時は晩秋だったので殆ど人影もなく趣があったのですが、今日は全く違う雰囲気で観光地という印象です。
それでも山が間近まで迫った湖はエメラルド・グリーンの水を湛え綺麗だし湖畔の散歩は心地良く、充分楽しむことができました。
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散歩も満喫した処で、そろそろマーラーの作曲小屋へ向かうことにしました。
ここはその雰囲気と作曲された曲の内容から、夕方が似合いそうです。・・・

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by Atelier-Onuki | 2013-08-19 22:22 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「魔女の家」は・・・

先週はデュッセルドルフから帰ったばかりでちょっと疲れも残っていたので、
週末は家でゆっくりして溜まっている題材の絵でも描こうかなぁと思っていました。

ところがお天気が余りにも気持ち良くて何時もの川原ならまぁ近くて良いかと散歩に出かけました。
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ここへはバスで行くのが便利なのですが、一度家から違うルートで歩いて行った処、
意外と近く心地良い道のりだったので最近は直接歩いて行く事にしています。
川原まで40分、あちこち歩き回り休憩も含めてトータル2~3時間位の行程は散歩にはちょうど良い感じです。

この日はお昼前には川原に着き、池の袂にある茶屋で休憩をしました。
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もう椅子やテーブルにテントまで立てて本格的にピクニックを楽しんでいるカップルや浮島では結婚式の記念撮影をしている新婚さんもいます。
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この池は緑色をしていますがイザール川から水が引き入れられ、これと平行して流れている運河へと循環されているのでとても透明度があって綺麗です。

以前、春先にこの対岸からボート・ハウスを描いたのですが、先日の日本での展覧会でこれを気に入られた方がいらして購入して下さいました。
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このボート・ハウスは水面から浮かんでいて、普段はこの家の下にボートが浮かんだ状態のまま収納され、お客が来るとそこから引っ張り出しています。
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とても古くて味わいのある木造りの家はちょっと不思議な形をした煙突も付いているので、
ズッ~と魔女でも住んでいるのかなぁ~と勝手な想像を膨らましていました。
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そしたら先日はこの家からお昼前と云う事もあってたくさんのブレッツェル(編パン)をバスケットに入れた婦人が出てきて茶屋へと運んでいました。
ちょっと小腹も空いていたので恐々一つ買って試してみたところ、これが未だ温かくて美味しい。
普段このパンはこの辺ではポピュラーで塩っぽくボソボソの食べ心地はあまり好きではなったのですが、これはモチモチしていて塩加減も控えめです。
これはきっとこの家で焼いているのでしょう。
あの煙突はパン焼きのためでした。
暫くして別のお姉さん達が次から次からと焼きたてのケーキやお菓子を運びだして来ました。

ハハッ~やっぱりこの家はヘンゼルとグレーテルに出てくるような魔女が住む「お菓子の家」だったようです。



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by Atelier-Onuki | 2013-08-14 00:39 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)

ルール川の舟下り

明けて日曜日はちょっと気温も下がり爽やかな風も吹いています。
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折角なので何処か近場の気持ちが良さそうな所は~ と考えてルール川で船にでも乗ろうかと出かけました。
処でこの地域で発行されている定期券は色んな用途に応じた種類があってとても便利なのですが、
我々が年契約しているチケット‐2000と云うのも優れものでとても重宝しています。
これは普段デュッセルドルフ市内の公共の乗り物は全部乗り放題で、しかも貸し借りが自由と云う気前の良さです。
それが更に19:00時以降と週末や祭日は大人2人と子供3人まで同乗する事が出来、
さらにオマケで乗車範囲がこの州全域まで広がります。
何故かケルン方面だけは同じ州なのに途中までしか乗ることが出来ず、この先は別料金となります。
長い歴史の中で何時も対抗してきたこの両都市では今もそんな意識が何処かにあるのでしょうか。
逆に北西方面に目を向けると、何とオランダ国境まで有効で、高々3ユーロの追加券を買っておけば
オランダのVenloまで乗って行くことができるのです。

さて、この日はKettwigと云う小さな町まで行く事にしました。
Sバーンと云ういわゆる郊外電車に乗り、これも30分ほどで到着します。
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ルール川沿いにあるこの町はちょっと高低の差があって川原からの眺めが素敵です。
町並みは古く木組みの家や、ドイツではシーファー、日本ではスレートと云われる薄い層に加工し易い
石を瓦や壁にフンダンに使った家々が建っています。
小路もグニャグニャと曲がっていたり階段や坂道も味わいがあります。
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この日はここからミュールハイムまで船旅を楽しむ予定でしたが、未だ出発まで時間があったので
ちょっと感じの良いカフェで休憩する事にしました。
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建物はザアッと300年位前に建てられたもので石の壁などグニャと歪んでいますが、
内装はお洒落に改装しています。
帰りがけにトイレに行くべく細い階段を登り二階に上がりましたが、壁という壁は石がむき出しで、
しかも多分これから掛けられるであろう絵がたくさん置かれていました。
カフェのオーナーらしき女性に尋ねた処、あの絵は彼女自身が木炭でこの辺の風景を描いたものだそうです。
このカフェも二週間前にできたばかりで、年に12回位のペースで個展をしたいそうで
「誰か芸術家を知っていたら紹介してくれる?」と尋ねられました。
これこれと自分に指差して「私も風景画家でこの辺も結構描いているんだよ」っと、
「そりゃ是非、展覧会をやって。」、「じゃぁメールでもしますわ~」と云う事になり、
面倒なので未だメールはしていないのですが、まぁ前向きに検討しても良いかなぁと考えています。

実は7・8年前にミュールハイムのギャラリーから展覧会の依頼があって、
あまりこの辺を描いた事がなかったのでそれに合わせて随分この辺一帯を描いていました。
唯、残念な事に会期も迫った一ヶ月ほど前にこのオーナーが交通事故で亡くなってしまい
この企画は無くなってしまったということがあったのです。

さて、ブラブラと船着場まで歩いて行きました。
船着場の前には、古いレンガ造りの紡績工場のファサードだけ残した跡地があって、
その朽ち具合はまるで遺跡のような味わいがあり、既に何枚か描いた事がありました。
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それが見違えるように改装され、ファサードを生かしながら今やお洒落なマンションに変身していました。
何処かリゾート地のホテルのようで、ベランダでくつろぐ住人もちょっと自慢げにこちらの方を見ているようでした。
まぁ綺麗になったのは仕方がないのですが、我々絵描きにとっては貴重なモチーフの一つが無くなり、
とても残念な出来事です。

気を取り直して乗船しました。
昼過ぎの運行ですがそこそこ満員の状態で、やはり人気があるようです。
ルール川はその名前から想像するよりも、遥かに水が綺麗でその濃い緑色をした水も近くで見ると
ちゃんと透明度も高く澄んでいます。
なんでも鱒やサンダーといった清流に住んでいる魚も生息するそうです。

ルールと聞くと、我々日本人は直ぐに中学辺りで習ったルール工業地帯を思い浮かべます。
そうまさにあのルール工業地帯で、確かに工場は数箇所にまとまってはありますが、
この辺一帯は結構小高い丘が点在し、森も多く、工業地帯と云う印象が全くありません。

川もその丘あたりが源流ですので水はとても綺麗です。
それに所々で水量調整のダムでせき止められているので、流れも緩やかです。
日差しはカンカン照りでしたが、船が走り出すと気持ちの良い風がデッキを通り抜けて行きます。
この川の途中も何度か描いたことがあって、川辺の農家など懐かしく眺めながらノンビリと
船上からの景色を楽しみました。
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終点のミュールハイムの手前には、赤い屋根の素敵なボート・ハウスがあってこれも描いたことがあります。
これを対岸から描いたのですが、丁度この日はマラソン大会とぶつかり、川原もそのコースになっていて
目の前を何人もの人が走るのをメゲずに描いた事を思いだしていました。
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でも、これはそんな悪条件にも関わらず、なかなか気に入った一枚に仕上がりました。
後日、この絵を大変気に入ってくれた人が購入して下さり、今は奈良のご自宅に飾られているはずです。

さて、短いながらも心地良い船旅も終わり、船着場の袂にあるビアガーデンで一杯です。
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冷えたビールに炭焼きステーキ(これがとってもリーズナブル!)を頂き、楽しい一日でした。

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by Atelier-Onuki | 2013-08-11 01:00 | デュッセルドルフ | Trackback | Comments(3)

涼を求めて・・・

デュッセルドルフに降り立つとモヮ~とした空気が佇んでいて、同じような気温でもミュンヘンより湿気が多くてその分蒸し暑く感じました。
何でもこの日は今夏一番の暑さだったそうで37度まで行ったそうです。

翌土曜日も何処かへ行こうと思っていたのですが、この暑さだと何処へも行く気が起こらず結局は夕方までボッーと家で過ごしていました。
そんな中、普段はあまり家にいない娘から電話が掛かってきて晩御飯でも一緒にと云う事、まぁ川原ならちょっとは涼しい気になるかなぁとKaiserswerthまで出かける事になりました。
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この小さな町はデュッセルドルフから北へ20~30分と近く、歴史はデュッセルよりも古く神聖ローマ時代にまで遡ります。
この時代に建てられた皇帝の居城跡の遺跡が川沿いあるので、週末にはちょっとした観光スポットとなります。
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町並みも古い建物がまだ多く残っていて味わいがあります。
それとあのナイチンゲールがここのディアコニーと云う教会系列が運営する病院で、近代介護の勉強をした事でも知られています。

ここへは夕方など船で行くのも趣があって気持ちが良いのですが、未だカンカン照りの状態でしたのでU-バーンと云って市街地だけ地下を走っている中途半端な地下鉄で向かいました。

ブラブラと町を通り抜け、船着場近くには「Im Schiffchen」というミシュラン星付きレストランもあって
遠巻きに中を覗きながら、教会への小路へと折れ曲がりました。
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このレンガ作りの塀に遮られたちょっとオランダ風の小路は味わいがあってフッと時代が遡ったような錯覚に浸れる大好きな通りです。
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実はこの辺は古い建物が集まっていて、良くスケッチに訪れていました。
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教会を抜けるとあっけなくライン川へと出てしまいます。
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遺跡沿いに歩く河原の小路にはバラバラとそぞろ歩きの人達も、丁度そよ風も吹きだして心地よい散歩です。
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途中の自己申請で買えるお花畑では娘が後々の事も考えず夢中になって刈りだしました。
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気が済むまで刈った後は渡しの船着場までブラブラ歩き。
当初この袂のレストランで夕食をとる積もりだったのですが、もう大勢のお客で賑わっています。
これではちょっと涼をとるといった雰囲気ではないので町まで戻りました。
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実は町中には結構美味しい日本レストランがあって、私としてはこちらの方へ行きたかったので内心ホッとしていました。

通りに出されたテーブルに陣取りゆったりと夕食を楽しむ事ができました。
それにキリンの生が美味しい事・・・グイグイとアッと云う間に空いてしまいました。

8時を過ぎる頃にはもう満席の状態です。

何となく聞こえて来る話声は英語ありフランス語ありで中々インターナショナルです。
この町の近くにはかつてNATO軍が駐留した関係上イギリス人が沢山住んでいましたので、
英語は不自然ではないのですが、フランス語は珍しい。
店の人によるとここへ来るお客は地元に住んでいる人達より、観光客の方が多いそうです。
いや~日本食の地位は益々上がって行くようで嬉しい限りです。

その後、あの無計画に摘み取られた花々はそれなりに様になって今も元気に家のあちこちで咲いています。


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by Atelier-Onuki | 2013-08-08 23:49 | デュッセルドルフ | Trackback | Comments(0)

ヴェルディ「マクベス」の公演から

今週はそこそこ仕事も忙しいのに、月曜日にオペラ鑑賞でした。
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しかもシリアスでヴェルディの中でも演奏時間の長い出し物です。
尤もヴェルディのオペラは最後の「フォルスタッフ」以外は全てシリアスな悲劇ですが、
中でもこの「マクベス」はキツイ内容です。

原作がシェイクスピアなのは有名で、これは黒澤明の映画「蜘蛛巣城」でも日本の戦国時代に置き換えて製作されています。

ヴェルディもこの原作にはえらく興味をそそられたそうで、相当気合を入れて作曲をしたそうです。
ヴェルディやその先輩格にあたるベルリーニのオペラなどもシリアスでドロドロした内容のものも多いのですが、
唯、そこに付けられた音楽が綺麗なので救われています。

シェイクスピアの作品ではごく一部の作品を除いて必ずと言って良いほど流血シーンがあります。
興味深いことに、血生臭い歴史があったにも関わらずフランス人は舞台上での流血シーンをあまり好まず、
かつて世界三大劇場の一つであるパリのコメディ・フランセーズでもシェイクスピアは滅多に取り上げられませんでした。
シェイクスピアではありませんが、オペラ・コミック座で初演された、
あのビゼー飛っきりの名作「カルメン」も当初はこの流血シーンがある為に受け入れられませんでした。

さて、この夜の演出はMartin Kušejと云うやはり演劇畑の人で、覚悟はしていたのですが
案の定、音楽よりも劇の内容の方を掘り下げた過激な表現が間々登場致します。
人間のドロドロとした嫌らしい気持ちの部分に焦点があてられていて、露に表出して行きますが、そこまでやらなくても~と思ってしまいます。
確かに戯曲としての掘り下げを徹底的に追求するのも大事な部分だと思いますが、
これはオペラですのでもう少し音楽の様式に則した、観ていて居心地の良い部分にも配慮してもらいたいものです。

舞台装置はステージ上にこれでもかと思われるほど無数の頭蓋骨が敷き詰められていて、これは終始敷かれたままで情景が変わって行きます。
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戦闘に破れたシーンなどは大勢の負傷者たちが疲れ果ててうつろな状態ですが、
何人かは素っ裸で足をロープで縛られて釣り下げられています。
まぁ衝撃的な効果はありますが、そこまでやる必要があったのでしょうか。
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途中マクベスが不安になって再び魔女を訪ねていくシーンも十数名の魔女があまり意味もなくトップレスの状態です。

唯、この辺の厳しい役柄は歌手ではなく役者ないしはダンサーに委ねられその周辺に歌手達が配置された配慮は劇を良く心得ているなと思わせました。
それに鳥が撃たれて落ちてくるシーンでは実際の犬が登場し、この鳥を銜えて退場して行きました。
まぁ賢い犬で、オッーと観客に驚きを与えていました。

歌手陣は概ね健闘していましたが、中でもマクベス夫人を演じたNadja Michaelは
彼女自身の性格がキツイ感じの歌手で声量も充分で研ぎ澄まされたような歌い口はこの厳しい役柄にピッタリでした。
来シーズンはこの役でネトレプコが出演するそうすが、彼女もこの役柄にピッタリかな~
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それにしても週の頭にこんな厳しいオペラを観るのは体に良くありません。

今週末からちょっとデュッセルドルフで4・5日ノンビリと過ごして来ます。



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by Atelier-Onuki | 2013-08-02 00:28 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)