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プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」のこと(ドイツ・ニュース・ダイジェスト 12月のコラムから)

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「オペラを観ようと思っているのですが、どの作品から観たら良いのでしょうか?」と質問されることがあります。

人それぞれ好みも違うので一概には答えられないのですが、
「まぁ、私の大好きなボエームなんかはどうですか」と答えることにしています。

プッチーニ作の「ラ・ボエーム」は、
ストーリー自体も分かりやすいですし、
何と言ってもプッチーニの叙情的な甘い音楽が、
すぐに口ずさみたくなるほど親しみやすく、素晴らしいからです。
 
物語はクリスマス・イブの夜から始まるので、このシーズンになると頻繁に取り上げられる作品でもあります。

パリのカルチェ・ラタン界隈を舞台に、貧しくも夢を追いつつ暮らす若きボヘミアン達……。

詩人のロドルフォとお針子のミミの出会いに始まり、
画家のマルチェロはかつての恋人ムゼッタと再会します。

二組の恋人たちを中心に繰り広げられる、貧しさ故の甘く切ない恋物語。

そこに寄り添うプッチーニの流麗な音楽が甘酸っぱい悲しさをさらにロマンティックに盛り立て、
聴衆は抗し難く音楽の世界に身を任せてしまいます。

私はたとえ仕事中でも、ラジオからふと「ラ・ボエーム」の一節が流れてくると、
舞台の情景や自分の若かりし頃の思い出が込み上げてきて、ぐっと熱くなるものを感じるほどです。
 
ところで、私の親しくしている友人の一人が、
オペラ歌手をしている美しい女性からこのオペラを観に行こうと誘われたそうです。

しかもクリスマス・イブの公演。
当の彼は「ラ・ボエーム」なるものを観た事がないとのこと……

そりゃ協力しなきゃ! と、CDを貸したりして他人事ながら、
二人の関係が成就することを願っていました。
 
数カ月後、「そう言えば、あのオペラどうだった?」と尋ねたところ、
「良かったですよ」とシンプルな答え。

「それで公演後は?」「いや~、夜も遅かったし家へ帰りました……」
「ええっ!?」、…「あれから、何の連絡もないんですよ」とのこと。

クリスマス・イブの夜に、女性からこんなにロマンティックなオペラに誘われるなんて、

生涯に一度あるかないかのクリスマス・プレゼントだったかも知れないのに、
現実はオペラのようにはいかなかったようです。
 
今シーズンも、「ラ・ボエーム」を観に行こう。
冬の寒い夜、厚手のハンカチを携えて……。


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by Atelier-Onuki | 2016-12-20 00:36 | コラム | Trackback | Comments(0)

モレ・シュル・ロアンのシスレー 2 (ドイツ・ニュース・ダイジェスト 11月のコラムから)

このタイミングで11月の記事をupするのは、余りにも遅すぎなのですが、
日本へ行っていたり入院をしていたりで、暫く機会がありませんでした。
今回は見送ろうかとも思ったのですが前回10月から続く流れもあったので、
取りあえず掲載する事にしました。

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印象派の画家アルフレッド・シスレー(1983-99)が愛した街を訪れたところから、今回の話は始まります。
 
ところで、私は気の赴くまま自分のスタイルで描いているつもりなのですが、
人から「シスレーの絵に似ていますね!」と言われたことがありました。

そう言われると嬉しいのですが、反面、気恥ずかしさも感じますし、
何よりもシスレーさんに対して「シツレー」だなぁと恐れ入っていました。

ただ、とても好きな画家だけに、どこか自然と似てくるのかもしれません。
 
そんなシスレーが晩年に移り住んだモレ・シュル・ロアンは、落ち着いた趣のある街です。
淡いグレーの石作りの家並みは統一感があり、また、ひなびた感じを醸し出しています。

城門を抜けて街の奥へと歩を進めると、シスレーが12枚もの連作を描いた教会が見えてきます。

ノートルダム・ド・モレと言うそうですが、屋根は微妙にねじれ、緑鮮やかな苔が生していて歴史の長さを感じさせます。
 
シスレーの家はこのすぐ裏側の小道に面していました。
土壁で囲われた家の中に入ることはできませんが、ここからも教会を眺めることができました。

メインストリートをさらに進み、もう一つの城門を抜けると、これまた古い石橋が掛かっています。
そう、ここがロワン川です。
橋の右側からとうとうと流れる川がせき止められ、ここから一段下へ滝のようにゴウゴウと流れ落ちると、
今度はゆったりとした流れとなり、その先のサン・マメス辺りでセーヌ川と合流していきます。

橋の途中には水車小屋が古い佇まいを残し、なんと洗濯場まで当時のままのようです。

川に沿って歩いていると「ああ、ここもだ!」とシスレーが描いた風景が眼前に現れます。
 
私も1枚描いてみる事にしました。
彼が描いた同じ場所からでは失礼なので、ちょっと違う角度から描いていました。

集中していたのか気が付けばもう20時近くになっていたので、
ホテルに戻り一休み、慌てて夕食に出かけた頃には21時をまわっていました。

メインストリートに出ても人影がありません。
わき道のお店も閉まっていて静かなものです。
やっと閉まりかけのよろず屋を見つけ、辛うじてハム入りのバケットを買うことができました。

時代に忘れられたような街ゆえにシスレーが描いた風景にはたくさん出合うことができました。


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by Atelier-Onuki | 2016-12-16 21:58 | フランス | Trackback | Comments(0)

「日本そして入院へ」

皆様大変ご無沙汰しておりました。
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11月中旬から日本へ旅立ち12月頭にはドイツへ帰ってきたのですが、
旅の後半になって突然また目が二重に見える症状に陥りました。

帰独して直ぐに講演会が控えていて、悪戦苦闘ながらも何とか無事にその任を成し遂げる事ができました。
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その翌日から入院する事態で今日まで何もすることが出来ませんでした。

この症状は6月にもなったことがあって、それは血糖値の上昇による神経系統の障害だそうです。

取りあえず入院中は血糖値を抑える処方がなされ、これは飛躍的に改善されたのですが、
目の方は相変わらず二重に見えていて、前回の例で考えると1ヶ月位は掛かると思われます。

1月中旬にはスキーにも行きたいので、何とか短期間で治って欲しいものです。

日本での面白かった事なども書きたいのですが、今回は短めに致します。

まぁ何と言っても食べるものが美味しく、日々堪能していました。
それにつれ各地での地酒・・・名前はすっかり忘れてしまいましたがどれもこれも美味しいものばかりでツイツイ杯を重ねてしまいました。

まぁその結果、目に障害が生じてしまったのですが。・・・

各地でお会いできた方々にも大変お世話になりました。

松山では幼馴染と再会し、特に美味しいお店に連れていってくれました。

最初に置いてあった「卵豆腐」と思いき一口目から感動です。
何とこれは「白子の卵豆腐」でダシはスッポンでとっているそうです。
仕上げの「スッポン雑炊」まで感動の連続でした。

もっとも途中から話しが弾んで中々料理を食べる暇が無くなり、
結局は「金目鯛の煮付け」には手を付けることが出来ず、翌日の朝食用として持ち帰りました。

処で、この幼馴染は元々俳句をやっていた縁で再婚されたのですが、
そのお相手が今「プレバト」を初めテレビでも引っ張りだこの人気俳人の方で、
さすがお話しもさりげない気遣いがあって盛り上がり、あっと言う間に時間が過ぎてしまいました。

松山から大阪入りして、直ぐに展覧会場へと向かいました。
それはこの展覧会とコラボと言う形でコンサートが企画されていました。

若くて綺麗なお嬢さんお二人によるピアノ連弾で絵の雰囲気に合わせて曲目を選んでくれたそうです。

彼女たちはジュネーヴとリオンの音大を卒業されたので、本来はフランス物がお得意なのですが、
私がドイツから来ていると云う事で前半ドイツ・オーストリー系からシューベルトの「ファンタジー」とブラームスの「ハンガリー舞曲」から数曲を、
後半はフォーレの「ドリー」と最後はラヴェルの「ラ・ヴァルス」という難曲を弾いてくれました。

どれもこれも私の好きな曲で旅の疲れと時差ぼけがあいまって、何とも不思議な雰囲気の中、心地よく聴き入っていました。

終演後は立食パーティとなり、色んな方々と挨拶や歓談をしていましたが、
途中から眠くて眠くて気の効いた会話ができませんでした。

特に音楽家のお二人とは音楽談義を振り向けてくれるのですが、如何せん頭が回らず碌なお話も出来なかったのが残念でした。

早めにお暇をして大阪へ向かっている間には段々と体力が回復してきました。

夜遅くには退社後の娘と再会し、かつて彼女がバイトをしていた焼鳥屋さんへと
向かい、結局は性懲りも無く梯子までして大いに盛り上がってしまいました。
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次に日も娘を交え高校時代の親友、M君と合流し法善寺にある料理屋で再会しました。
ここは「鯛めし」が有名だそうで美味しいお刺身を初め大いに舌鼓を打ちました。
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彼は長らくギターをやっているのですが、今もレヴェルの高いアンサンブルに所属していて
昨年は「ブランデンブルク協奏曲」を引っさげて関西地区のコンクールで優勝したそうです。
何でも長く続ける事は大切なことと、改めて思い知らされました。
それに何と言っても高校時代から彼がズート続けてくれている事が一番嬉しかったです。

それに私の知らなかった高校時代のエピソードなどを話してくれて面白い夜となりました。

その上、二日後には高校時代の同窓会も急遽催してくれました。
今回は10人ほどと少人数だったので、親しくお話をすることができました。
懐かしい面々と昔話で場は大いに盛り上がりました。
彼らの話によると同窓会を始めた頃からより一層親しくなり出したそうです。

そして展覧会も無事に終了する事ができました。
会期中はたった2日間しか滞在することが出来ませんでしたが、大勢の方々にご覧頂いたようでありがとうございました。
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さて、このブログ内でも何度かコメントを下さり、その縁で彼女ご自身もこの画廊で二度も個展をされたⅠさんが、
わざわざ奈良から訪ねてきて下さいました。
やっと初めてお目にかかる事ができ、親しくお話させて頂けたのも嬉しかったです。

今回の催しは西宮市主宰の「ギャラリーさんぽ」の一環にも取り上げられたので、
その流れで観に来て下った人たちも多かったようです。

遠方にお住まい方々からは心のこもった花束も贈って頂きありがとうございました。
お陰で会場も華やかな雰囲気に盛り上がりました。
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今回も展覧会の機会を与えてくださり、献身的にお世話頂いたKさんには深く感謝しています。

また、目が回復して来ましたらなるべく投函させて頂きますが、今回はここまでとさせて頂きます。


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by Atelier-Onuki | 2016-12-16 01:30 | 日本 | Trackback | Comments(0)