ごあいさつ

毎年、ウィーン国立歌劇場の年間予定表を郵送してくれる友人がおりました。
彼女は大学の後輩で、やはり舞台美術を専攻し、ウィーンのアカデミーで
更に勉強を続けていました。
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インターネットなど存在せず、はるばる海を渡ってきた
紙の年間予定表が全ての時代。
ウィーンフィルに惚れ込んでいた私にとっては
羨ましい限りの演目内容が記載された、
その年間予定表を繰り返し眺めては、
遠い日本でため息ばかりついていました。

便りがある度に「ここはいい所だから遊びに来ませんか」
と書き付けてあり、
いつしか其の思いが高まり、ついに憧れのウィーンを
旅するチャンスが訪れました。
短い旅でしたが、この街がすっかり気に入ってしまい、
帰国後も思いは募るばかりでした。

確かモームだったか「もう何処でもいい、この街以外なら。」
段々とそんな気持ちが強くなり、
とうとう日本を出てウィーンに住もうと決意したのは1983年の夏。
不安でいっぱいの手紙をウィーンの友人に送った処、
彼女の御主人から、とても気の効いた文章で
「何の心配も要らないから来たらどうですか」
と心強い返事が届きました。

あれこれと準備をしてウィーンに降り立ったのはもう11月も末の頃でした。
南回りの長旅で降り立ったウィーンは、道路も凍り付いてすっかりモノトーンの世界に
なっていました。人々の歩くスピードが日本のそれと比べ格段に遅く、
まるでスローモーションの白黒の映画を見ているような錯覚に陥ったことを覚えています。

当初は、一年ぐらい持つだろうか、貯金が無くなるまで楽しもう という心づもりでしたが、
状況が変わりウィーンからドイツへ引越すことになりました。
一年どころか、未だに日本へ帰国出来ないまま、ずるずるとドイツに居る有り様です。

ドイツやヨーロッパの旅先で折に付け水彩画を描くようになり、その数も大分増えてきました。
ホームページ Atelier Onuki ではそのような絵の数々をご紹介していますが、
こちらのブログでは絵の紹介だけではなく、クラシック音楽や演奏会、旅の話等を
綴っていくことができればと思っています。

特に旅の話では、我が母との珍道中などもご紹介させて頂きます。
日本から年老いた母親が、ドイツに住む孫達に会う為に2年に1度程度のペースで
ヨーロッパへやってきていました。
その滞在中には何処かへ出かけるのですが、彼女は足が悪い為、いつも大変な旅になります。
ところがそれ故に旅の先々で、色んな人に親切にして頂いたり、
特別な人情や普段経験できない出来事に触れる機会に恵まれたのでした。

by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2012-08-28 22:07 | Trackback | Comments(0)
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