待ちに待ったウィーンでの初めての演奏会 1 

とうとう憧れの楽友協会での演奏会のチャンスが、ウィーンでの生活をはじめて
比較的すぐにやってきました。それは1983年11月末のことでした。a0280569_219733.jpg
当時、ウィーンでやはり一人で暮らしていた絵描きのKさんを誘い、
初めてのウィーンフィル定期演奏会へいそいそと出かけました。
しかも指揮者はバーンスタイン。

最初はハイドンの88番のシンフォニーでした。
まず、出だしから、今まで聴いたこともない、
柔らかくてどこまでも深みのある音には唖然とさせられました。
これまで日本でもウィーン・フィル、ウィーン・フィルと馬鹿みたいに
惚れ込んでいたこのオーケストラ、沢山の演奏会にも行き、数えきれない程の
録音をLPで聴いてきました。
しかし、私の想像を遥かに超えた響きがホール全体を満たしていました。
楽しく躍動感溢れるハイドンは、一気に終楽章まで進んでいきました。
演奏が終わった後も拍手は鳴り止みません。
もう数度も挨拶に現れた彼は、とうとうオーケストラの方を振り返ると、
先程の4楽章がまた鳴り出しました。
えっ まだ休憩前なのに…
こんなことって今まで体験したことがありません。
それに指揮者を見ると彼はオーケストラを前に微動だにしないまま最後まで
演奏しきりました。
これには観客も興奮気味で更なる拍手が鳴り響きました。

これは後日、テレビでこの日の演奏会の録画を見る機会があったのですが、
バーンスタインは手を使わずに、なんと目だけでオーケストラを指揮していました。

かつてバーンスタインがウィーンに初めて登場したときは、
街中で大騒ぎだったと雑誌で読んだことがありました。
記念すべき初めての演奏会では、彼の得意なマーラーの
確か「大地の歌」をとりあげています。
当時既に、マーラーの第一人者だったバーンスタインですが、
ウィーンフィルを前に奢ることなく、
「私は、皆さんからマーラーを学びに来ました。」と語ったそうです。

それから年月が過ぎ、そんな余興でこの誇り高きオーケストラを振れるまでに、
彼らから愛されていたのだなと感慨深く思いました。

そしてプログラム後半へと続きます。

by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2012-09-10 02:20 | ウィーン | Trackback | Comments(0)
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