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ヨーロッパへの憧れは… 2

やっとホテルに落ち着いて、と云ってもこのホテル、タクシーが着くなり立派な制服をまとったドアマンがやってきて、さぁとドアを開けたと思うと直ぐさまトランクから荷物を取り出してくれます。
回転ドアなのに又ここにも別のドアマンが、中に入ると又更に別のドアマンが荷物を押して誘導してくれています。一体何人の世話になるのかしら。・・・

吹き抜けが大きいロビーはフカフカの絨毯で、何処からとなくピアノの音が聞こえてきます。中央にはびっくりする程大きな鳥籠がド〜ンとあって、たくさんの鸚鵡が飛んでいました。
レセプションでチェック・インをしようとしたらこのドアマンが隣にある銀行の窓口みたいな所へ行けと云っています。どうもシステムが違うようでここで予約の確認を取るようです。窓口の女性の英語は早口で聞き取ることができません。
「ニューヨークは初めてなの?」の問に「イエス、イエスの二つ返事」こちらはニューヨークどころか初めての外国です。
やっとゆっくりと優しく喋ってくれましたが、
つくづく俺は田舎者なのだなぁ〜と、妙に感心をしてしまいました。

早々に外へ出て、スタンドで新聞を購入。どの新聞にも昨夜のレノン事件が一面に大きく載っていて、改めてその事件の大きさに衝撃を受けました。

ひと夜があけ、ニューヨーク二日目はニュージャージーなど郊外のショッピング・モールへ行く予定です。 
当時の勤務先の社長が紹介してくれたリムジンの人が迎えに来てくれましたが、その車を見てエッこれ~と、後ずさりしそうになりました。
想像とは裏腹にそれはそれは大きなリムジンがドンと止まっています。
なんでもリンカーンだそうで、ダークブルーの後部座席は向かい合わせで9人は座れるかと思われるものでした。こんなのは映画でしか見たことがありません。

何店舗か一日かけて見て回り、夕刻にスタッテンアイランドからフェリーに乗って、自由の女神をかすめ、ダウンタウンへと到着しました。
車がフェリーから上陸した時のことですが、大勢の人が車を取り囲み前に進めません。
それも大声で何か叫んで、そのうちボンネットまで揺すり始める有様。
これは一体何事だろうか・・・唖然となるばかり。
よく聞くと彼らは口々に〝レノン・レノン"と叫んでいます。
「あぁ~そうか」とリムジンの人、何か分かったようです。
この車と同じ型にレノンも乗っていたそうで、しかも乗っているのは日本人、
どうも関係者と勘違いをされてしまったようです。
どうりで威圧的な感じではなかったのだ・・・と納得しました。

翌日は図面を届け、ちょうどお昼になるので近くのレストランを紹介してもらいました。
セントラル・パークに面した「ルシアン・ティー・ルーム」と云う所。
グリーンのテントが車道までドーンと突き出していて、いかにも高級そうな感じです。
内装もクラシックでゴージャス、フト壁に掛かっている絵が気になったので見てみると、
なんと私が崇拝している装置家の一人レオン・バクストの版画ではないですか。・・・
この高級感とあいまって興奮と緊張が体を走りました。
お味も上品で、大味でボリューム満点の食事に食傷していた身には実に美味しく感じられました。
このお店ですが、何年か後にたまたま購入したホロヴィッツのレコードに、彼がお店に入っていくところの写真が載っていました。

グッケンハイム美術館やロックフェラーのツリーなどを見学し、夕方はリンカーンセンターを訪れました。
ここはスクエアの広場を囲むように正面がメトロポリタン・オペラ、
その右奥にジュリアード音楽院、右がニューヨーク・フィルの本拠地エヴェリー・フィッシャー・ホール、
そして左側がシティ・オペラとアメリカの重要な音楽拠点が集中しています。

先ずメトロポリタンへ行って見たところ、この日は公演がありません。
次にエヴェリー・フィッシャー・ホールへむかってみると、なんとギレリスとメータでチャイコフスキーのピアノ協奏曲ではないですか。これこそはと思い、当日券があるかどうか聞いた処、残念ながらソルド・アウトとの事。(これはCBSによってライヴ録音されています)
向かいのシティ・オペラはと云うと「くるみ割り人形」でこれも観てみたい。・・・
何人か並んでいたので尋ねてみると、キャンセル待ちの列だそうで、こちらはチャンスがありそうなので並ぶ事にしました。
まぁ市立歌劇場のバレエなので余り期待もしないまま、そしてギレリスに後ろ髪を引かれながらも、
何とか開演時間ぎりぎりにチケットを買う事ができました。

まだ続きます。

by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2012-10-03 00:54 | アメリカ | Trackback | Comments(0)
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