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ヨーロッパへの憧れは… 4

ニューヨークからロスアンジェルスまでは6時間位のフライトだったでしょうか、
それにしてもアメリカは大きいなぁと実感させられます。
グランドキャニオンに差し掛かった頃には疲れていて、うとうと眠ってしまいましたが、
起きてもまだグランドキャニオン上空でした。

到着後、ゲートの係官にアラスカから来たのかと聞かれ、フト我に帰ると厚いダウンジャケットの下を汗が滴り落ちるのを感じました。
ガラス越しにランニング姿でジョギングしている人の姿も、・・・ 出発時はマイナス5度だったのに・・・。

ロサンジェルスで宿泊したホテルは、非常にモダンでゴージャスだったので強く印象に残っています。
ボナベンチャー・ホテルと云って映画などにも時々出てくるのでご存知の方も多いかも知れませんが、巨大な円柱シリンダーを組み合わせたような外観で、中央のホールはザァと20階分ほどが吹き抜けになっています。
各階にあるバルコニーからは蔦草が吊り下げられ、折しもクリスマス飾りもされていて、それはスケールが大きく圧倒されそうでした。

このロビーにはレセプションを初めレストランやショップなどが立ち並んでいて楽しい雰囲気を醸し出しています。
ロビーの一角にあるスクエアのコーナーはプールになっていて、ガラス張りのエレベーターはそこに沈んでいるように見えます。
エレベーターに乗ると、3・4階付近から突き出ている巨大なガラス屋根を突き抜けぬけて、今度は外壁に沿って外側を昇って行きます。スピードも速く中々の迫力、・・・特に降りる時、屋根を通過する時やプールに沈む瞬間は股の辺りが相当ヒヤァとします。
これを目当てに遊びに来ている人たちもいるようでした。

さて、ロビーで休んでいると、日本人の青年がやってきて、「自分はガイドなのだが如何ですか」と尋ねてきました。 
丁度、郊外のショッピング・モールやハリウッドへも行きたかったので、料金を尋ねてみるとこれがまた格安・・・それではと頼むことにしました。
「すぐ車を持ってきますから」と云う事で玄関に出て待っていると、ガラガラと音を発てボロボロのポンティアックがやってきました。
先日ニューヨークでのリムジンとは雲泥の差でしたが、
なかなか気の良い青年で半日あちこちと楽しく回る事ができました。

翌日は折角なので長距離バスに乗り込みアナハイムスタジアムなどを経由しお目当てのディズニーランドへ・・・しかし、着いてみるとちょっと様子がおかしい・・・
賑わっているはずが、ガランとして人影がありません。

訊いてみると何とこの日は年に一度のお休みとのこと。唖然としながらも、何時、何処行きのバスがあるのかも分からないし、未だバスが停車していたので戻る事にしました。
取りあえず車内で落ち着いて考えよう・・・ 
バスの行き先はサンタアナ。どれ位乗るのかも分かりませんが、まぁ終点まで行っても良いかと開き直った気分になりました。 
やっと到着したサンタアナですが、聞いたこともないし、空気は乾燥して砂っぽくざらついています。どことなくメキシコが近いような感じがしています。

先ずは落ち着こうと、喉も渇いたことなので、すぐ近くにあった露天の八百屋でメロンを買い、水飲み場の蛇口で割って取りあえず喉を潤しました。
さすがに、落ち着くと別のアイデアが浮かびました。
そうだ、何処かで読んだ事があるナッツベリーファームもそれ程遠くないはず。
バスの路線図をみるとアルアル・・・ここから直行で行けそうです。

いよいよナッツベリーファームなる所に到着しました。なかなか広大な感じです。
それに人気けはまばら、アトラクションの作りも素朴で野性味溢れています。
お陰で人気のあるはずのジェットコースターなど連続して乗れるくらい空いていました。

よくお祭りの屋台などでもありますが、空き缶を積み上げたピラミッドをボールで倒し、首尾よく全部を倒すと賞品が貰えるってやつ、昔ちょっと野球をかじった者としては、やってみたくなりました。
まぁ偶然うまく投げられて二投目くらいで全壊!よく分からない縫いぐるみの人形を貰いました。
すると、4、5人の中学生くらいの年齢の女の子たちが近づいて来て、何やら云っています。
良く聞くとその内の一人が「自分の為にもう一度トライしてくれないか」と両手で1ドル札を握りしめながら云っていました。
余程その腕前を見込まれたのか・・・これは受けるしかありません。
慎重に呼吸を整えて、エイッと力がこもりすぎたボールは あれれ とんでもない方向へ・・・
結局少ししか倒す事ができず、当然賞品もありません。
「ソーリー、ソーリー」と振り返ると「クッジュー トライ アゲイン?」 とまた1ドル札を差し出しています。「エッまだやるの?」、「もう一度だけ」・・・ より気合は入りましたが、
そう簡単に当たるものではありませんでした。

ちょっと申し訳なかったし、どうせ縫いぐるみの人形なんていらないので「良かったら
コレあげるけど」と言うと、パァッと笑顔がはじけ「サンキュー、サンキュー」の二つ返事。
「処で、何て云う名前?」、「Onukiと云うんだけど」、「それってファーストネーム?」、
「いや、Tsuneo」・・・ちょっと恥ずかしい・・・ 
「私この人形をTsuneoって呼ぶわ!」
いやぁ~照れるなぁ~、こんな感覚は日本人の僕には想像すらできませんし。
それにしても、まだこんなにお若いのに男心をくすぐる様な事を云って・・・
まぁびっくりするやら、アメリカのお嬢さんはおませだなぁ~と感心致しました。


さて、ホテルに戻り、新聞で今夜の催しをチェックしていると、あるではないですか、
アイザック・スターンの60歳バースデー・コンサートが・・・
大急ぎで会場のミュージック・センターへと向いました。
例によってもう長蛇のキャンセレーション・ラインができていました。
これも何とかチケットをゲット、初めて聴くスターン、楽しみです。
曲目はバッハのコンツェルト2曲とヴィヴァルディの四季と云う比較的ポピュラーな物、
彼の弾き振りでロス・フィルの選抜メンバーと楽しそうに共演していました。
アメリカの聴衆もなかなか熱心、曲に合わせて体が揺れている人たちが何人もいて、さすがノリが良いなぁと感心しました。
これらの選曲は多分スターン自らが選んだと思うのですが、内容の深いヘビーな曲ではなく、親しみ易いこれらの曲目をあえて誕生日コンサートに選んだという事は、多分これらの曲をとても愛していて楽しい雰囲気ながらも敬意をもって演奏されたのでなぁとつくづく感じさせられました。

これに近い現象を最近ムーティの演奏会で体験いたしました。
これもとても軽快なトランペット協奏曲で内容からしてそれほどの期待をしないまま聴きだしたのですが、
出だしからそれはそれは気合が入った緊張感あふれる演奏、まるで違う曲を聴いているようで、全く別の次元まで昇華された音楽でした。
この人は本当に楽譜に対して敬虔で真剣に取り組んでいるだなぁと、
大いに感動させて頂きました。
この事はまた後日、別の機会にでもと思っています。


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2012-10-13 01:37 | アメリカ | Trackback | Comments(0)
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