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ザルツブルク街歩き

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次の日も婦人は元気で、「何処かへ行く?」の問いに「何処でも~」と乗り気です。
山へは昨日行ったので結局ザルツブルクへと向かう事になりました。

それにしても婦人はバイエルン・チケットがすっかり気に入ったようです。
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これは、このバイエルン州内の一日だけ乗り放題チケットでICEなどの特急には乗れませんが、
とてもリーズナブル、人数によって値段が別れていて、

例えば今回のように二人ですとたったの26ユーロと格安です。
バイエルン州はドイツで一番大きな州ですから中々乗り出があります。
東の方だとチェコ国境まで行けますし、今日の様に南はオーストリー国境まで行けます。
ザルツブルクはオーストリーに入ってから暫く走りますがこの駅まで有効となっています。
尤もベルヒテスガルテンなんてドイツ国内ですが、
半島の様な形でオーストリーに食い込んでいますから更に南へと行く事になります。
ミュンヘンから2時間、長閑な風景にもちょっと飽きだした頃には到着します。
と云ってもこの日は霧が濃く立ち込めてボーッとしか見えませんでした。

ザルツブルクの駅はここ数年かけて大改装中でホームもガラス張りでモダンな天井の工事中、
以前は単なる地下道が見違える程大きなコンコースになって既に一部は営業を初めていました。
唯、昔を知る者にとっては、何だか違う所へ来た様な感じがして、ちょっと寂しい気がします。
以前はドイツ方面からのホームはちょっと隔離された感じの一番端っこにあって、日本でも昔あった柵だけのザルツブルク街歩き_a0280569_18282841.jpg鄙びた改札口・・・入国審査もここで行われ駅員かと間違えるほどでした。
駅舎もこの一角は確か木造で味わいのある物でした。

まだあちこち工事だらけの道を街へと向かいました。
まずは駅から近いお決まりのミラベル庭園へ、まだ霧が立ち込めていて、お城は薄らとしか見えません。それでも人気がなく夏場とは違って、ちょっと幻想的で良かったかも知れません。

川を渡って旧市街地へ、モーツァルトの生家がある小道へと向かいました。
この通りは看板がどの店も凝っていて楽しめます。
お店も小ぶりながらブランド店やお洒落にしている所が多くて目を見張ります。
それに何と云っても美人の店員が多いこと・・・ハッとさせられる事がシバシバ。
ある狩り用品の店など、私には全く用がないのにワザワザ後戻りをしてまで覗いてしまう有様でした。
それに引き換え我がミュンヘンの寂しい事。・・・滅多にお目にかかる事がありません。
何故かは良くわかりませんが、これは多分このバイエルン地方はコンサヴァティヴで、街も人もとてもレトロな雰囲気、歴史的にもあまり近隣諸国との交流も少なく、純血に近いのかも知れません。
ちょっと目の体力を使ったのでお腹が空いてきました。

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まぁこれもお決まりのコースですが、St.ペータースへ行く事にしました。
ここは岩盤にへばり付く様に建てられた修道院で、かつて人々に施しとして提供していたスープが有名です。
栄養価の高い材料を煮込んだものですが、特徴はその受け皿にあります。
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それは固いパンで出来ていてスープと共にお皿まで食べる事ができ、お腹も大きくなるし、
器も沢山用意しなくて良いと云う一石二鳥のアイデアでした。

我々は別に施しを受けに行った訳ではないのですが、今はレストランも営んでいます。
今と云っても803年からと入口のプレートに書かれています。
これは建物なのかレストランなんか明記していませんが、まぁ1200年以上の歴史があるわけです。
夏場は岩盤の下にある中庭でも気持ち良く食事ができますが、今日はガランとしています。
室内もアンティックそのもので雰囲気があります。
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気の早い事に、もうクリスマスの飾りが所狭しと上手に飾られていました。
食事もちょと精進料理に近いのか、お上品な味に盛り方も控えめでした。
トイレットが二階なので上がってみると、これ又アンティックな雰囲気、廊下を挟むように小部屋が
幾つかあってここも綺麗なクリスマス装飾がなされ準備万端と云ったかんじです。
奥の大広間も飾りが終わっていて、これは結婚式かなんかの準備をしているようでした。
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さて食後はブラブラとこの修道院に隣接した岩盤の下に広がる雰囲気のある墓地を歩いて、
これもお決まりのケーブルカーに乗って丘の上にあるお城へと向かいました。
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この日はあいにく霧が立ち込めて遠くの山々は見えませんでしたが、閑散とした城内の広場には
小さなクリスマス市の準備をしていたり、町並みを連想させる居住地は小さくて閉鎖的、
その区切られてた空間には人影もなくちょっとシュール、
まるでキリコの寂しさと哀愁が漂う絵の世界へ引きこまれた様な錯覚に陥りました。
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街へと戻りブラブラと駅まで、そろそろ帰るモードです。
来た時と同じ橋を渡ってちょっとコーヒー・ブレイク、たもとのザッハー・ホテルへと向かいました。
ウィーン風のカフェは何だかホッとする気がします。
窓際の席へ、椅子も白縁に淡いコーラル・レッドのフェルト張り、
注文は当然ながらメランジュ。このいわゆるウィーンナー・コーヒーは泡立てミルクがたっぷりで和みます。
壁には所狭しと著名人のポートレートが飾られています。
多分フェスト出演の為に訪れた音楽家が多く宿泊して来たのでしょうか、
モッフォを初めルートヴィッヒなど往年の歌手から、
指揮者ではカラヤン初めバーンスタインやショルティ、ムーティやラトルなどと
時の移り変わりも感じられます。

処で以前から気になっていたのですが、このホテルの隣に白い瀟洒な館があって、
この裏庭の中央にはカラヤンのブロンズ像が立っています。
それは彼の指揮スタイルを良く捉えた全身像で、この家の人は余程
彼のファンだったんだなぁと思っていましたが、壁に付いていたプレートをフト見た処、
ここはなんと彼の生家でした。
知らなかった・・・

さて、次の日は婦人もご機嫌よくデュッセルドルフへと帰って行きました。

私も何時も通りの電車通勤が始まりましたが、ザルツブルクとは大違い、車内は残念ながらその差
は一目瞭然で、ヘッドホーンで身を固めなるべく車窓から外を眺める日々が始まりました。

by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2012-12-01 18:34 | ザルツブルク | Trackback | Comments(0)
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