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雪よ岩よ我らが宿り

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毎日のように雪が降って寒いし暗いしと、辛い季節になりました。
それでも雪景色は綺麗だし、陽が差し込むとキラキラして別世界にいるような気分になり、
暫しうっとりと見とれてしまいます。
特に今年の冬は例年よりも早く雪が降りだしたようです。

演奏会やオペラもこのシーズンは充実した公演が多く、辛いことばかりでは無く、
別の楽しみ方があります。
それにアウトドア派にとってはスキーという楽しみもあります。

日本では大雪で大変な被害が出ていて、こんな時にスキーの事など考えるのは
不謹慎かもしれませんが、ちょっとだけアウトドア派としては
ついついゲレンデの情報などを調べてしまいます。
昔と違って今はあちこちにWebcamが設置されていて、
家にいながらにして現地の最新の様子を見る事ができ便利になり、見ているだけでも面白いものです。

ドイツは意外にも本格的な山が南にしか無く、スキー場もガルミッシュ辺りが
やっと満足できる所かもしれません。
ありがたい事にミュンヘンからは日帰りで行けるので練習にはもってこいです。

ヨーロッパのスキー場は、それぞれの国によって特徴が違っていて興味深いものがあります。
例えばフランスなんか中央集権という国の特徴がスキー場にも反映しているのか、
一箇所に集中してスキー関連の設備が集まっています。
ラ・プラーニュと云う所へ行ったことがあるのですが、大型のホテルやアパート、
その中にスーパーや映画館、温水プールまであって、
ちょっとしたスキー・ヴィレッジを形成していました。
それにリフトもほとんどが一箇所に集中していて、そこから蜘蛛の巣のように伸び、
あちこち移動せずにいろんな山へ登ることが出来便利でした。
唯、小さな村に建物が集中している分、ホテルの部屋は狭くなっています。
この頃、子供達はまだ小さくて初心者レヴェルでしたが、
一番下の娘がある急斜面で雪の塊に足を引っ掛けて頭から結構長い距離を滑落しました。
この時、下にいたご婦人が心配をして「サヴァ?」と娘に尋ねていました。
本来なら娘の心配をしなければならないのですが、
ヘェ~こんなシーンでもサヴァと云うんだ・・・と変な感心をしていました。

ある年は出発ギリギリまで決めておらず、急遽行くことになったのですが、
知っているスキー場はもう既に一杯で宿が取れませんでした。
かろうじて空いていたのがトルゴンと云う聞いた事もない所、
地図で調べてみても中々見つかりません。やっとモントルーの南、
山の端っこにへばり付いているのを見つけました。
電車とバスを乗り継いで長旅の末、何とかたどり着きました。
翌日からスキーを始めましたが、林間コースもあってなかなかのスキー場。
二つ目の尾根を超えると知らない間にそこはもうフランスです。
気が付けばトロア・ヴァレーという広大なスキー場の一番端っこに繋がっていました。
ちょっとしたコーヒー一杯でもスイス側と違ってグッと美味しくなります。
通貨が違うという面倒を我慢してでも、お昼はこちら側と決め毎日通っていました。
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そんな中、「ここは良いよと」と仕事仲間でやはりスキー好きのドイツ人からドロミテを紹介されまた。
当時はデュッセルドルフにいたので、北イタリアはとても遠い感じがして
中々意を決する事できなかったのですが、とうとう行ってみる事にしました。
夜行の寝台列車に乗って10時間ほどでしょうか、朝8時ころ
ドロミテの玄関口ボルツァーノへ着きます。
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途中ブレンナー峠では乗員や牽引車の交換があるので結構長く停車しています。
ここは国境なので流通の中継地点になっており、現在はトラックがたくさん集まっていますが、
その昔モーツァルトやゲーテもここを越えてイタリアに向かったと思うと、中々感慨深いものがあります。
駅もとても渋い造りですので、長い停車時間も楽しいものです。

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さてボルツァーノからバスで揺られる事1時間半くらいで、目的のファーザ谷に着くことが出来ます。
この辺のエリアは北から大きな谷が三本あって、その谷に沿うように村々が点在しています。
面白いことに一番北では殆どドイツが通じ、二番目は60%くらい、
三番目はさすがに10%くらいしか通じなくなります。
地名はどこもドイツ語とイタリア語の二カ国語で標記されています。

地元の人達はイタリア人と云われるのを余り好まず、
自分達のことを南チロル人と云って誇りにしています。
民族的にはロマンド人で、言語も普段はロマンド語で会話をしているそうです。
面白いことに、この言語はどの言語ルーツにも属さないそうです。
この民族はスイス辺り(あのスイス・ロマンド管弦楽団もロマンド人で結成されたそうです)
の方が有名ですが、この辺の山岳地帯に点々と住み着いていたのでしょう。
人柄も優しく勤勉でとても良い人達です。

ありがたいことに食べ物がイタリアの中でも美味しい地域で、
これは山の上で食べても結構ちゃんとした味で感心します。
確かジェラートもこの辺の村で最初に作られたと聞いた事があります。

それに何と云っても景色の綺麗な事、雄大で素晴らしい眺めです。
何でもこの辺の岩盤は柔らかいそうで、隆起した山が浸食の影響を強く受け、
とても不思議で面白い形を形成しています。
一般的なアルプスの山々の形と違って、何か西部劇に出てくるサボテンが
突起したような形の山に似ているかもしれません。

ゲレンデも広大、この辺だけで全長500kmほどあるそうで、
とてもとても回りきれるものではありません。
スキー・パスもスーパー・ドロミテと云うパスを買えば全地域のリフトが乗り放題ですので、
気にせず地域を越えて滑走することができます。
ハイライトはセラ・ロンダと云って、中央にドンと隆起したセラ山脈を一周するコースで
全長が大体40km(とは云っても半分はリフトですが)、これを一日かけて一周します。
登っては下りのコースですが、其々の地域によって景色の雰囲気も違い、変化に富んだ楽しいコースです。
ちなみに時計回り、反時計回りと二つの方向でそれぞれ違う景色、コースを
楽しむことができますので魅力は尽きません。
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ある年3家族で総勢11人と云う大所帯で行って、このセラ・ロンダにトライしたのですが、
最後にある出来事が・・・この話も長くなるので又別の機会にでも書きたいと思います。

さぁ今シーズンもドロミテへ・・・行きたいなぁ~


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2012-12-15 06:27 | チロル | Trackback | Comments(0)
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