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バルセロナの現場

昨年から半年来の準備をしてきた大きなプロジェクトの現場も先週の月曜日から始まり、
いよいよ私も明日からバルセロナへと出かけます。
これは通信関係の大きなコングレスとメッセで、世界中から集まる最先端のテクノロジーと将来を見据えた
次世代通信を紹介する場となっています。
14・5年前に始まったこの催しは当初コングレスがメインだった為、カンヌのあの映画祭でも使われる会場で
開催されていましたが、段々と展示の方も大きくなり手狭になってきました。
あの頃、展示スペースが足りなかった分は、港にボートをレンタルしてそこにも別の展示をしたものでした。
カンヌは風光明媚なので毎年行くのを楽しみにしていたのですが、
どうしても展示スペースが限界となり、とうとうバルセロナに会場が変ってしまいました。

それも暫くは万博会場の後にメッセ会場になった所で、
場所はスペイン広場に面し、モンジェイクの丘まで延びるとても良い立地でしたが、
それも最早手狭になって、今年からは新しく出来たメッセ会場での最初の開催となります。
そんな訳で関係者は何時もより気合が入っていて、その分受け手の我々は何時も以上の苦労を強いられています。

まぁ現場では予定通り進行させて行くだけでも結構神経を使うのですが、
日本から総勢100人程の関係者がやって来て現場に来てから色んな要望を出してくる人達や、
時には大きな変更を希望されたりする場合もあります。
それでも若かった頃は夕食などスタッフと一緒にワイワイと飲みに出かけたりして、
出張も時には楽しいものでしたが、流石にこの年になってくるとそんな気力も体力もなくなり、
とにかく夕食などは早く済ませて次の日に備えて充分寝たいと云うのが本音になって来ました。

唯、今は未だ雪が降りしきる寒いミュンヘンから一気に15・6度もある明るっくてお天気の良いバルセロナは一足早く春が来たようで嬉しいですし、
何と云っても食べ物が美味しく、特に魚介類が新鮮で豊富なのが魅力的です。
尤もスペインの場合、どのレストランも夜の開店は8時半から9時位なので早く済ませる訳には行かず、
どうしても早く済ませたい時はバルへ行ってタパス類をパパッと食べて帰るしかありません。

それに今年は、未だそれ程時間的に追い込まれていない到着日の夜に、チャッカリとあのランブラス通りにあるリセウ劇場のチケットを押さえています。
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この素晴らしく且つスペイン的な歌劇場は10数年前にその殆どを焼失してしまいましたが、
昔と同じ姿で見事に再建され、しかも舞台機構などは最新の設備に衣替えしてより素晴らしい歌劇場として復活しました。
それにラテンの香りたっぷりの内装は本当に綺麗で味わいがあります。
レストランも、予約をした人達だけに限定された特別な部屋があって、ここは特にシックで重厚な装飾がなされています。
休憩時間はたっぷりと長く、これは本家のイタリアでもそうですがオペラを観るだけでなく、
ゆったりと遊び楽しむと云う伝統的な習慣なのでしょうね。
バルセロナの現場_a0280569_671669.jpg
オーケストラも中々のレヴェルだし、何と云っても出演する歌手は素晴らい人達を招いていますのでとてもハイ・レヴェルのオペラを満喫する事ができます。
歌手の人達によると声の通りも良く聴こえ、この劇場が一番歌い易いと何処かで聞いた事がありました。
昨年のグルヴェローヴァがタイトルを歌った「アンナ・ボレナ」は絶妙な歌唱で、
これらドニゼッティのオペラを歌わせたらこの人以上の歌手は居ないのではないでしょうか。
と云うかこれだけ歌える彼女の存在があったからこそ、埋もれていたドニゼッティの数々のオペラが再発掘され今まで忘れられていた作品が日の目を浴びるようになりました。
そういえば本来は侍女の役なのに、王女よりもちょっと威張っていたガランチャも面白い存在でした。
バルセロナの現場_a0280569_634882.jpg

今回はオフェンバッハのあの魅惑的なオペラ「ホフマン物語」で、
歌手もナタリー・デュセー始め充実していますし、リセウのサイトで映像を一部観た処、
ちょっとモダンながらも色んな仕掛けなどを盛り込んでいて、これも又楽しめそうです。

現場は辛いのですが、これは今回随一の楽しみです。


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2013-02-19 05:59 | スペイン | Trackback | Comments(0)
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