ヴォルフガング・シュルツさん逝去によせて

先日の28日にヴォルフガング・シュルツさんが亡くなられました。
まだ67歳なんて若さで残念です。

長年ウィーン・フィルの主席フルーティストとして活躍されていましたがここ数年はオーケストラの中に
彼の姿を見つける事がなくて、あぁとうとう退団されたのかなぁ~と寂しく思っていました。
一時心臓を悪くされたようで、凄く痩せた姿を見た時はとても心配をしていたのですが、
あまりにも早い他界に愕然としています。

名門オーケストラには数々の優れたソリストが入っていますが、中でもシュルツさんは特別で、
彼のフルートには例えアンサンブルの一部として出てきてもうっとりとして聴き惚れていました。

その響きには意思がしっかりとした主張を示し、豊かで力強いのですが、けしてアンサンブルから
はみ出すことがなく、柔らかくて潤いがあり奥行も素晴らしいし、その暖かい音色から人柄までも
にじみ出ているようで、もう賛辞する言葉が見つからない程です。

ウィーンでの演奏会では時々U4の地下鉄に乗って行くと、これから同じムジーク・フェラインに向かう
細長いフルート・ケースを持ったシュルツさんも乗っておられて、あのカールス・プラッツ駅のスロープを
会場へ向かってゆっくり歩いておられる姿が今でも目に焼きついています。

ある年にはシュターツ・オーパーに新しくカフェが出来たので、ブラッと入って窓際の席でコーヒーを
飲んでいると、何と隣の席にシュルツさんがやって来られました。
雑誌社の取材を受けておられる様子で、最近の活動や新しく出た録音などについて話しておられました。
この時は未だお元気でソワソワしながら聞き耳をたてながも、こんなに身近に音楽を感じられる喜びで
嬉しく思っていました。

思い出は多々ありますが、ドビュッシーの「牧神の午後」や「田園」でのソロ・パートが懐かしく
脳裏に蘇ってきます。
もうあのちょっと深めの黄金色をしたフルートから醸しだされる輝かしい響きを聴けなくなると思うと
本当に残念ですが、ご冥福をお祈りするばかりです。

これからシュルツさんがメインで加わっているドビッシーの「ビリティスの歌」でも聴きながら・・・

by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2013-04-01 17:49 | ウィーン | Trackback | Comments(2)
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Commented by sswkr at 2013-04-11 13:20 x
最近までたびたび来日されてたので急逝のニュースに驚きました。ご自身の演奏や後進の育成に円熟の時期ですから、鬼籍に入るの早すぎる。好きな演奏家のコンサートには仕事をほおり投げてでも足を運べという教訓をまたもや実感。ご冥福をお祈りいたします。
Commented by Atelier-Onuki at 2013-04-12 06:36
コメントありがとうございました。

シュルツさんの件は本当に残念でした。
上手いソリストは未だ他にもいますが、あれだけ味わい深く聴かせてくれる奏者はもう数少なくなりましたね。

人柄が現れた暖かい演奏でした。
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