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春の味覚をもとめて

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今年は中々春がやって来ない事はもう何度か書いているのですが、
明日からデュッセルドルフへ向かうので出来たら皆で春の味覚を楽しめたらと、
思い切って蕗の頭を求めて出かけました。

そこは家から電車に30分ほど乗って南に下った小さな村、
駅から20分程歩いて住宅地を抜け長閑な野道を森へと向かいます。
以前この町(村)に住んでいた知人が散歩をしていて偶然見つけたその場所は、
とても見つける事は不可能な静かな森の奥深くで、
初めて行った時は彼が書いてくれた地図を頼りに何とか見つける事ができました。

蕗なんてモノは散歩をしていると、もう何処にでも生えているのですが、
これが若干日本の蕗とは種類が違っていて、蕗の頭もちゃんと生えるのですが
淡い紫色をしてちょっと毒々しい感じ、食べようなんて気はとても起こりません。

その点こちらの蕗は正真正銘、見た目も淡い緑の日本の蕗と全く同じ種類です。
これが不思議な事に、この森の2箇所にしか生えているのを見た事がありません。
他の場所にも生えていないかと、この森の中を隈なく歩いて見た事があったのですが、
結局この場所以外では見つける事ができませんでした。

住宅地から延々と続く坂道を息を切らしながら上りきると、墓地の向こうに森が見えてきます。
春の味覚をもとめて_a0280569_1626924.jpg
ここからは緩やかな丘陵地帯で畑が広がっています。
時折遠くをのんびりと歩く馬の姿も見受けられ長閑そのもので、ポカポカ陽気ですと、
ズーット時代が引き戻されたような錯覚を覚えるほどノストラジックで
何だか別世界へ来たような心地良さに包まれます。
しかしこの日は未だ雪が残っている程の寒さ。ザクザクとシャーベットの様な雪を踏みしめながら
森の奥へと入って行きました。
今年は未だ生育が遅いかなぁと心配しながら目的の場所へと辿り付きました。
そこはまだすっぽりと雪に覆われて見つける事ができません。
しかも伐採の手が入ったようで山のように木の幹が積まれています。
春の味覚をもとめて_a0280569_16262997.jpg

フトこの山積みの近くを見るとポツリポツリと小さな芽が雪を押しのけて顔を出しています。
その周りの雪をそっとかき分けた処、スギゴケの下には元気な蕗の頭が今か今かと
発芽の準備をしていました。

雪の中から採取をするので手は凍りそうにカチカチですが、お土産には充分の量が採れました。

デュッセルドルフでは早速に天ぷらにして、このちょっと独特な苦味のある春の味覚を堪能する事が
できました。

蕗の頭さん来年も元気に出てきて下さい。

by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2013-04-11 19:47 | ミュンヘン | Trackback | Comments(2)
Commented by kukko at 2013-04-11 22:35 x
ブログランキングから時々、拝見していましたが、雲の上の方のようで、コメントはばかっていました。
でも、思わず、一言!
春、芽吹いたものって、洋の東西を問わず、苦いのですね!
Commented by Atelier-Onuki at 2013-04-12 06:34
コメントありがとうございました。

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