一夜が明けて

ラトルの演奏会から一夜があけ、未だ頭の中では至る所でマーラーの旋律が流れ、それも断片が
ゴジャゴジャと混ざりあったりしてパニック状態です。
もう虚脱感が漂い何もする気が起こらず、唯々この響きを留めておきたいなぁと漠然と思っているだけでした。
それに昨夜は遅くまでTさんと語り合ってしまったので、この気だるい感じに輪をかけていました。

とは言え厄介なことにお腹だけは空いて来て、まぁDommayer辺りなら気分転換になるかなと、
遅い朝食を取りにグダグダと出かけました。
ここはシェーンブリュンの先にあるHietzingと云う地区にあるカフェでヨハン・シュトラウスが
デビューした所として有名です。
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唯、彼がデビューしたカジノだった会場は戦争で焼けてしまったそうで、今は違う場所にあるのですが、
この名前だけが残りちゃんと入り口近くにはシュトラウスの胸像とその経緯が書かれています。

それにここにはとても気持ちの良い裏庭があって、お天気さえ良ければそこでの食事は至福の一時を持つ事ができます。
今はオバラという何とも日本っぽい名前のケーキ屋さんが経営するようになって、味もグット良くなりました。

朝食は6・7種類から選べますが、私の注文したPikanterと云うメニューは所謂ウインナーが四本に
充分なベーコンが添えられ、それに目玉焼きが二個も付いていてボリュームたっぷりです。
中にはシャンペン付きのメニューもあって「朝からシャンペンかい?」と思うのですが、
たまに飲んでいる人もいますからまぁまぁ一般的なのでしょうね。

ゆったりとした時間を過ごし、ブラブラとシェーンブリュンの庭を散歩する事にしました。
ここは広大な庭園なので朝食の消化をするには充分な距離です。

綺麗に刈り込まれたアーチ状の並木道、オットー・ワグナー設計で見事なガラス張りの
パルメン・ハウスを眺めながらノンビリと歩きました。
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途中のバラ園は丁度見ごろで見事なバラの数々を鑑賞することができました。
もうこの庭園に入るなりほのかにバラの香りが甘く漂っています。
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お天気も良かったので次から次からと観光客が訪れてきました。
お昼は又Tさんと約束していたのでちょっと急ぎ足でオペラまで向かいました。
シェーンブリュンへ向かう正面の通路にはこの宮殿を紹介した、何種類かのパネルが並木にそって
点在しているのですが、その中でもヨーゼフ二世を紹介しているパネルが傑作で、そこには彼は
毎日16時間、最後の日まで働いたとの明記されている横にまるで履歴書のように
フランツ・ヨーゼフ、職業:皇帝と書かれています。
そうあの「皇帝円舞曲」の皇帝で今なお国民から愛されているようです。
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Tさんとの昼食の後は連れ立って旧市街地をウロウロ散歩しました。
ステファンの裏手辺りに差し掛かった処で、ウィーンの事を良く知っている彼が解説をしてくれました。
何でもこの辺はあのフリーメイソンのウィーンに於ける本拠地だそうで、
あのモーツァルトが最後に住んだ家もこの地区にありました。
今はデパートになってしまいましたが、ちゃんとプレートも付いていて、
1849年まで建っていたこの家で1791年12月5日モーツァルトは亡くなりましたと
書いてあります。
どうもこの家もフリーメイソンから提供されていたそうです。
立派な門構えの家、大きい木の扉にはフリーメイソンを暗示させる模様の木組みが施され、
上部には今にも落ちそうな感じで石が吊り下げられていて、
彼らは石工であったことをここでも暗示しています。
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両サイドの上部にはこれまたフリーメイソン三つの誓いが、象徴的に施され如何にもと云う感じでした。
ふと向かいの建物を見ると又怪しげな本屋さんの看板が掛かっています。
「荒削りの石」と云う名の店で、しっかりとコンパスに角度定規のマークが印されていて、
「秘密を知るための」とサブタイトルまで書いてあります。
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恐る恐る覗いて見ることにしました。
店のウインドウにもそれらしき本だけでなく手袋や装飾品など、全てにこの印が施されています。
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店内の奥にはお爺さんがひっそりと一人で店番をしています。
あちこち見て回ってもお爺さんは無反応で静かに机に向かったままです。
Tさんは興味があるようで、とうとうお爺さんに質問をし始め、分かり易く書いてあると云う本を
何と二冊も買ってしまいました。
フリーメンソンの秘密についても質問をしていましたが、お爺さん曰く、内容にもよるらしいのですが
最初は秘密でも2・3年で公にするらしく、会員の名前などは明確に届出をしているそうです。
近くにある「ネコ・カフェ」に入って先程の本をパラパラ見せてもらいました。
著名な会員なども出ているのですが、ハイドンやなんとプッチーニも会員だったようです。
最終ページに出ている著者名Aさんを見てムッムッ・・・と。
さては先程の門構の家、隣の高そうな服屋、いやいやデパートの建物にもこのAさんの名前が
あちこちに付いていたのを思い出しました。

この辺界隈は多分このAさんが殆ど所有しているのでしょうね。
それもTさん曰く、この界隈は一区画に一軒だけと云う大きな建物だけです。
それも5・6階辺りには渡りブリッジが付いていて、隣との行き来ができるようになっています。
たっぷりと濃い内容の勉強をさせてもらったので、もうグッタリしてしまいました。
昨夜の疲れも加わって、もう何もする気力が起こりません。
オペラへも行こうかなぁと、何処かで思っていましたが何度か観た演目でもあったし、
この日はホテルの近くで一杯やってぐっすり眠ってしまいました。

明日はそろそろ行動を起こさなければ・・・

by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2013-06-13 02:51 | ウィーン | Trackback | Comments(0)
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