ウィーンフィルの演奏会

今朝は11時からウィーン・フィルの演奏会があるので何時もより早く行動を起こして
会場のコンツェルト・ハウスへと向かいました。
ウィーン・フィルの定期演奏会は普段ですと会場はムジーク・フェラインなので、ちょっと気をつけないと
間違ってしまいそうです。
この芸術週間は隔年でこの二つの会場が担当するのですが、今年はコンツェルト・ハウスの担当、
開場100周年と云う記念すべき年と上手く重なっています。

今日の演目はブラームスの二重協奏曲とベルリオーズの幻想交響曲、途中カールス広場にある
ブラームスの像に挨拶をして向かいました。
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この人はこの広場を通ってムジーク・フェラインへ通っていた関係上、この場所に建てられたのでしょう、
石像になった今も頭を下げて考え込んでいるようです。

コンツェルト・ハウス前の広場には今度はベートーヴェンの像が建っています。
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実はこの像には思い出があって、いつも感慨深く眺めています。
それは大昔、まだ高校生だった頃に初めて買ったベートーヴェン交響曲全集の表紙を飾っていたのが
この像の横顔でした。
背景が木に覆われていたので私はてっきりどこか郊外の大きな公園かなぁと想像をしていたのですが、
初めて出会った時は「へぇ~これがあれか~」と大きな驚きと喜びを感じたものでした。
その全集はクリュイタンスがベルリン・フィルを振ったもので、全曲を初めて通して聴けた体験は印象も強く、今でも愛聴盤の一つです。

それにこの像がある広場にはギムナジウムと云って日本の高校にあたる学校が隣接しています。
ここはウィーンでも優秀な生徒が通う学校だそうで、卒業生にはなんと
シューベルトを初めホフマンやホフマンスタール、シュニッツラーなどの文豪も輩出しています。
なんでもシューベルト少年は数学なども優秀だったそうです。

ホールの前にはウィーン・フィルのメンバーもパラパラ出てきていて、知り合いと歓談をしています。
地元での演奏会はノンビリしたもので、こんな身近に楽団員がウロウロしている光景も珍しい事ではありません。
いよいよ最上階の席に辿り着いて開演を待ちました。
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最初の曲はブラームスの「バイオリンとチェロの為の二重協奏曲」、ブラームスはこのオーケストラ独特の
響きを念頭におきながら作曲をしたと云われていますが、
この柔らかくてコクがある響きはブラームスにピッタリで、特に渋くて深みのあるウィンナー・ホルンは
懐古的で彼の控えめなロマンチズムが良く伝わってきます。
もう静かで綿々と甘く歌う二楽章などウットリとする雰囲気です。
唯、ソリストが楽団員からの選抜だったので、大きく暴れるような事はなく、家庭的な範疇に収まった少々
こぢんまりと纏まった演奏となりました。
後半はベルリオーズの幻想交響曲で一楽章(夢・情熱)は落ち着いた雰囲気ながらも深みのある表現で、
集中力も素晴らしく最初から期待が湧いてきました。
二楽章(舞踏会)の甘いワルツなどこのオーケストラの柔らかい弦楽器群や木管にハープが絡んで
夢見心地です。
静かなコーラングレのバック・ステージとの掛け合いではじまる三楽章(野の風景)も遠近感が綺麗に
表現されシミジミと聴き惚れています。
そしてこの楽章フィナーレでは遠雷を表現するティンパニー2対が四人の奏者によって遠ざかって行く様を
表情豊かに奏されました。
そしてイヨイヨ目の覚めるような打楽器郡の連打で始まる四楽章(断頭台への行進)では金管郡も
待っていましたとばかりに大活躍です。

以前ラトルで聴いた時はこの辺からグジャグジャになったのですが、それはこのオケの金管楽器は
タイプが古くとても扱いにくい代物の上、さらにラトルの事ですから可能性のギリギリまで難しいことを要求していたのではと思われます。
(この人はオーケストラを全面的に信頼しているので、ギリギリまでのチャレンジをしていますが、
この時はちょっと失敗をしちゃったのですね。)

さすがにこの日はホルンなど一般的で扱い易いフレンチ・ホルンを入れていました。
そして大詰めの五楽章(魔女の夜宴の夢)へと突き進んで行きます。
ありとあらゆる楽器が乱舞するこの楽章には面白い仕掛けが満載で、教会の鐘とチューバ2本との
掛け合いや、その後すぐに奏される骸骨が踊って骨がカチャカチャ当たる様を表現したと云われる
バイオリンの弓を弦に叩きつけて弾く所など、ドンドン引き込まれて行きます。
そして思いっきり良くクレッシェンドをするフルートをきっかけに、金管の乱舞は激しさを増し
とうとう荒れ狂った宴はたけなわに達した所、ようやく最後の一撃で幕を閉じました。
これはこれは素晴らしい演奏ではなかったですか。・・・
この曲は人気曲なのでしばしば演奏会で取り上げられ、私も色んな演奏に接して来ましたが、
今日の演奏が多分ベストではなかったでしょうか。
素晴らしい集中力とパワーながらエレガントさからはみ出す事はありませんでした。

結局、最後の演奏会でもドップリと疲れてしまい、電車に乗るまでの間カフェ・セントラルでボーッと過ごしました。
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ここも一番好きなカフェで、そのちょっとイスラム風の内装は素晴らしく建物を見るだけでも行く価値があります。
この建物には、カフェ以外にも噴水のある素敵なアーケードや宴会場などがあり見所は一杯です。
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それにこのカフェは美味しい、コーヒーはもとよりケーキ類やちょっとした料理も一級品の味です。
最近はちょっと観光客が多く訪れるようになりましたが、未々素敵なカフェです。

予定の列車は結局ブタペストからの到着が二時間ほど遅れ、まだパッサウ経由の状態で
ミュンヘンに着いたのは10時半を回っていました。

短い時間でしたが中身が濃かった上に電車でも疲れ、いやはや本当にグッタリです。

そろそろ普段の生活に戻らなければ・・・

by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2013-06-16 04:49 | ウィーン | Trackback | Comments(0)
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