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オペラ・フェスティバルの開幕

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5月末からの日本旅行に始まってウィーンやら南ドイツやらへと出かけ、仕事もそこそこ忙しくて
疲れはピークの状態です。
そこに追い討ちを掛ける様にミュンヘンのオペラ・フェスティバルがいよいよ今日から始まります。
昨年に書面で申し込んでいた公演のチケットがドサット届きました。
勿論楽しみでもあるのですが、勉強する意味合いも半分兼ねていますので、
選んだ演目の中には長くてかなり厳しい内容の出し物まで含まれていて、唯でさえ
体力が必要ですが、相当覚悟をして行かなければなりません。
体力が衰えて来た最近はオペラへ行く事を、私は「業へ行く」と云うようになりました。
明日の「オランダ人」を皮切りに7月一杯まで毎週一本のペースで「業」をこなさなければなりません。
それでも出演者は普段の公演よりも人気のある人達が呼ばれていて指揮者では音楽監督の
ケント・ナガノを初め、メータやルイージ、ド・ビリーなど、歌手では今や人気絶頂のカウフマンを初め、
バルガスやハンプソン、ザイフェルト、グールドなど錚々たる顔ぶれです。
唯、昨年はグルベローヴァを初め、ネトレプコとかフレミングも出演していましたが、
今シーズンは女声歌手がちょっと小粒のようです。

それに今年はオペラ界の二大巨匠であるワグナーとヴェルディの生誕200年で、
当然ながらこの巨匠二人の作品が多く取り上げられます。
しかも明日の「オランダ人」が終わった後、オペラ前の広場で何と「ワグナーVS.ヴェルディ」と
題した催しが行われます。
そのため「オランダ人」は早く終了させるために休憩なしで2時間半ぶっ通しの上演で指揮者を始め
オーケストラや出演者、それに観客にも相当の体力勝負が強いられています。

先程オペラの前を通り掛かったらこの仮設ステージの仕込みをやっていました。
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ステージには多分ワグナーとヴェルディと思われる二体の大きな人形らしき物も置かれていて
これから建てるようです。
オーケストラ用のステージも対抗するように両脇の二箇所にセッティングされていました。
明日はどんな仕掛けなのか楽しみです。
歌劇場ファサードの円柱にも派手な布に包まれ、マキシミリアン通りには大きな旗が幾重にもなってはためいています。
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期間中はこの無事と成功を願ってミカエル教会でミサまで行われます。
これにはオペラのオーケストラやコーラスも参加しケント・ナガノの指揮でシューベルトのミサ曲を演奏しますが、入場は無料となっています。
そうそう二年前のあの東北大震災の折も彼らはこの教会でブラームスの「ドイチェス・レクイエム」をもって慈善演奏会を催してくれました。

さて、明日からの公演も楽しみですし、特にプリンツ・レーゲンテン・テアターで行われる
R.シュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」は劇場が小さいのでステージも間近に迫り
さぞ臨場感に溢れる事でしょう。(室内楽的でそんなに迫力などない出し物ですが。・・・)
ルートビッヒ2世がワグナーの為に建てたこの劇場の建築スタイルはちょっとバイロイトの祝祭劇場にも似ていますが、
装飾の可愛いさを含めこちらの方が親しみを感じます。

唯、このオペラ・フェスティバルを迎えるにあたって厄介な問題は、既に3週間も前の演奏会だったのに
あの凄かったラトルのマーラーが頻繁に頭の中で鳴り響いている事です。
今の処、未だ違う音楽を受け付けられるかどうか心配です。


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2013-06-28 04:11 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)
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