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リヒァルト・シュトラウスのお墓詣で

一夜が空け、早い朝食を取ってイザお墓参りにと出発をしました。

と云ってもこの街には墓地が二箇所あって、どっちの墓地にシュトラウスさんが眠っているのか分かりませんでした。
インターネットで調べてもどの墓地なのか明確に書いている物がありませんでしたので、取りあえずはツーリスト・インフォへ行って尋ねることにしました。

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係りの女性に訊いた処、彼女も知らないらしく隣にいる年配の係りに尋ねてくれました。(もっともこの方も年配でしたが・・・)
やっとのことガルミッシュ墓地に存在する事が判明し街を抜け北側にある墓地へと向かって行きました。

途中は長閑な牧草地に干草を保管する小屋が点在していてとても気持ちの良い田園風景です。

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木造の橋を超えお目当ての墓地はもう直ぐです。

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途中アメリカ軍の兵舎に差し掛かるともう墓地らしき建物が見えています。
それにしてもちょっと広大な墓地でこれは闇雲に探しても見付からないだろうと思ったので、偶々墓地を歩いていたお爺さんに尋ねましたが、この人が又良く尋ねられるらしく、
詳しく教えてくれました。
「アメリカ人、中国人、韓国人、それに日本人も皆同じ質問で、シュトラウスのお墓は何処か?と、それにトイレの場所も・・・と」冗談交じりに話していました。
お陰でちょっと奥の壁際にあったお墓は迷わず見つける事ができました。
やはりお墓の事はお年寄りに尋ねるのが一番です。

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山をバックに立っているこのお墓は立派な佇まいで、お花も綺麗に手入れが行き届いています。
ここには作曲家としては珍しく奥方は元より、息子さん夫妻、そしてお孫さんご夫妻も一緒に葬られていました。
石版の両側は金物の装飾が施されていますが、左側には彼の代表作である「薔薇の騎士」から二幕目オクタビアン登場シーンで差し出す銀の薔薇一輪が飾られていました。

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それにしてもこの墓地も綺麗だし、何といっても明るい雰囲気で墓地に纏わる陰気さを何一つ感じさせませんでした。

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墓地を後にし時間も余っているので、これまた久しぶりにPartnachklammの渓谷へ涼みに行く事にしました。
ここへ初めて来たのはスキーのついでに、未だ小さかった子供連れでした。
普段でも中々険しい渓谷ですが、冬場でしたから岸壁という岸壁は大きなツララに覆われているし、足元は凍っていて滑るし怖かった思い出があります。
バスに乗ってニューイヤー・ジャンプで有名なシャンツェまで行きました。

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渓谷まではここから馬車に乗るか歩くのですが、ジャンプ台の向こうをフト見ると何だか小さくて可愛いゴンドラが動いています。
近づいて見ると何ともレトロな乗り物で幅が50cm位ちょっと太目の人は乗れない感じです。
地図を見るとこの上のEckbauerという山まで登れ、そこからも渓谷へと降りて行けそうです。
まぁ初物には弱い私は迷わず乗ってみる事にしましたが、中々人気があるようで、次から次からと乗客がやって来ます。
待っている間この愛嬌のあるゴンドラの動きを見ていると、なんと乗り場付近には飲み物やソーセージなどの簡単な食べ物がテーブルの上に置かれています。
事前に注文をしておくとゴンドラにテーブル板を渡してセットをしてくれるようです。
まぁなんとも長閑で微笑ましい光景かと感心です。

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この玩具のようなゴンドラには結構長い時間乗り頂上のEckbauerに着きました。
そこには、頂上に草原に囲まれた一軒の家が涼しげに建っていて、その心地よさは期待以上の光景です。
その背景にはツークシュピッツに連なるアルプ・シュピッツを初めとした本格的はアルプスの山々が見え素晴らしい眺めです。

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少し下った所にレストランがあって大きなテラスからの眺めも絶景です。

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もうためらわずに早めの昼食を取る事にしました。
もう皆考える事は一緒で次から次からとやって来てはここでお昼を取っています。
飲み物だけ頼んでお弁当といってもパンに何か挟んだだけの簡単なものですが持参して来ている家族もいます。
子供が多い家庭はどうしても何処かで節約をしなければなりませんし、飲み物さえ頼めば食べ物の持参は許されている制度は合理的で良い習慣だと思います。

さて景色も充分楽しんで腹ごしらえもできた処で下山することにしました。
ここから渓谷の入り口まで2時間弱の行程です。
結構細くてキツイ下り坂の連続で多くのハイカーと入れ違ったり、抜いたり抜かれたりともう足は途中から悲鳴をあげだしましたが休憩を入れながら何とか川のほとりまでたどり着きました。
渓谷の入り口はもう直ぐです。
この上流から入るのは初めてですが、何処にもチケット売り場らしきものがなくて洞窟から勝手に入って行けました。

ここも大勢の人達が来ていて、岸壁にへばり付いている細い通路や洞窟内ですれ違うのはお互いに神経を使います。
下はゴウゴウと音を発てて激しく流れています。

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それにしても水源に近いので水が綺麗だし、岸壁のあちこちからも水が滝のように滴り落ちてきてとても涼しくて心地よい感じです。

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この渓谷から途中で幾つかの川と合流しながらイザール川となり、その先でドナウ川と合流し黒海まで続いて行くと思うと何だか沸々とロマンをかきたたされます。

結構長い距離を歩いて下流の入り口まで辿り着きましたが、やっとここに来てテーブルにチケットをセットした係りの人が立っていました。
何だかノンビリした自己申請でこの辺にもゆとりを感じました。

帰りの列車も相変わらず満員状態ですし、足は筋肉痛でパンパン状態でしたが、
このEckbauerのコースは又行きたいなぁ~とツクヅク思い返していました。


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2013-07-17 18:22 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)
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