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「トレ・チーメ」のハイキング

以前、本格的なワンダー・フォーゲルをやっている知人から「ドライ・ツィンネンは良かったですわ~」と聞いていましたので、
何時かは行ってみたいなぁ~と思っていました。
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ドイツ語でDrei Zinnen / イタリア語でTre Cimeと云う三つの頂からなる山はドロミテの山の中でも一番有名な一つで良く写真では見ていました。
途中にあるミズリーナと云う湖も綺麗そうです。

ドロミテでも東の端にあるこの山はドイツ方面からは遠くて、ちょっと行きにくい気がしていましたが、
夏場はこのトブラッハからも例の「SAD」が直通のバスを出していると云うので行ってみることにしました。

朝9時発のバスは10分ほど前にはもう押すな押すなの人だかりで、大勢の人が乗り込もうとしています。
30分後には臨時のバスも出るそうですが、後ろの方に空席を見つけたので取りあえずは乗り込む事にしました。
次から次へと人が乗り込んで来たバスは、立っている人が十数人もいるほど超満員の状態になりました。

バスは一路コルチナ方面に向けてドンドンと山の中へと走って行きました。
途中は森あり湖ありと中々の景勝路線です。
暫く幹線道路を走ったあと左へ折れ曲がり、イヨイヨ急勾配の山道をミズリーナ湖へ向けて上って行きます。

写真で見ていたミズリーナ湖もちょっと神秘的な光景だったので期待が湧きます。
バスは湖手前のグランド・ホテルに着き更に湖に沿ってドンドン奥へと走りました。
車窓からの眺めはフム~・・・確かに綺麗ですが、私の想像は現実よりも大きく膨らんでいたようです。
当初はここが良かったら寄って行こうと思っていたのですが座席を立つほどではないようでした。
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結局U-ターンをするためにバスは湖の一番奥にある停留所まで行きましたが、誰一人として降りる人はいなかったので無事通過するだけとなりました。

折り返したバスはイヨイヨ最終目的地のトレ・チーメを目指し有料道路へと向かいましたが料金所までは凄い渋滞で、
ここを通過するだけで20~30分は掛かりました。
道はイロハ坂よろしくクネクネとヘアピン・カーブの連続でキツイ勾配をグングン進んで行きます。
周りは険しい山々が迫って来て、一体何処まで上がっていくのだろうか心配になるほど突き進みます。
結局はエッこんな高い所までと驚くほどで、トレ・チーメの直ぐ裏側の袂に着きました。
ここには駐車場があって驚くほど多くの車が所狭しとギュウギュウ詰めで駐車をしています。
何でも標高が2300mもあるそうで木が生えることが出来ない高さは荒涼とした光景です。

先ずは停留所傍の山小屋で休憩してこれからのハイキングに備えました。
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ここはトレ・チーメ南側の壁面で迫って来ている山肌はすでに迫力があるのですが、それがこの山である事を認識するには難しい形をしています。
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良く写真で見かける典型的な光景は北側から撮ったもので、それを見るにはこの先にある三つ目の山小屋まで歩くしかありません。

二つ目の山小屋までは緩やかな道でダラダラと歩いて行けますが、その先の尾根まではちょっとキツイ登りとなります。
道は緩やかなコースもあり、本来はショート・カットが大好きな私ですが歳の事を考えて遠回りをしました。
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やっと尾根までたどり着くともう目の前に迫力あるトレ・チーメが斜に構えていますし、
やはり良く写真に出てくる三番目の山小屋も遠くに見えてきました。
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もうここまでもキツイ行程でしたが、この景色を見てしまうと何だか「もう少し先まで行ってあの写真に出てくるアングルから見てみたい」
という衝動に駆られます。

この尾根からも山小屋まで上下二つのルートがありますが、上の方は「一歩間違えれば!・・・」と考えさせられる如何にも本格派向きっぽいので、
当然ながら下の緩そうな一般登山道を選びました。
途中に小高い丘があってここからの眺めも良さそうです。
皆それを思うのか殆どの人達がここへ立ち寄って記念撮影をしています。
傍にいたイタリア人の母子が「ウンタラ・カンタラそこのジャポネに・・・」みたいなことを言っています。
どうやら私に二人一緒の写真を撮ってもらいたいらしい・・・
ハイよっとiphoneを渡され、縦だのドウだの賑やかに言っていましたが無事終了、
撮れ具合を確認した中々美人の娘さんは気に入ったようで「ミーレ・グラーチェ!」とご機嫌さんでした。

続けて山小屋を目指しましたがこれが見えているのに中々遠い道のりです。
途中で上の岸壁を見上げたら何とそこにはロック・クライミングをしているグループが直角の壁を横に移動しています。
もう見ているだけで鳥肌が立ちそうです。
ふと近くを見ると幾つも人工的に開けられた様な四角い窓があります。
そうだ何時かTVで見たことがあったのですが、この辺は第一次大戦の時は国境地帯で要塞として作られたようです。
それにしてもあんな絶壁の高い所に良くも要塞など作ったものです。
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最後のキツイ階段を登りきりやっと山小屋まで辿り着きました。
一頻り景色を堪能した処でお昼、もうお腹もペコペコです。
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ちょうどお昼時のレストランも超満員、「暫く待つか・・・」と諦めかけた頃、テーブルに座っていた昔は美人だったと思われる婦人が
同じテーブルに座れと言ってくれました。
イタリア語しか話さない婦人とは残念ながら詳しい会話は出来ませんでしたが、人懐こい人でボリュームたっぷりのボロネーゼも美味しく頂けました。

さて景色に誘われてここまでやって来ましたが、このキツイ道のりを帰らなければなりません。
途中の尾根までは何とか結構頑張れましたが、その先は休み休みでフウフウ云いながら何とかバス停まで戻ってくる事ができました。

帰りのバスでは良く眠れた事・・・
夕食時もワインが直ぐに利いてきて、この夜はグッスリと眠りました。


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2013-08-23 04:04 | イタリア | Trackback | Comments(0)
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