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四年前の出来事

昨日、通勤に使っている最寄駅でブルンナーさんと云う方の追悼式が行われたようです。

ちょっと郊外にあるこの無人駅は普段とても長閑なものなのですが、丁度4年前の9月12日にある痛ましい事件が起きました。
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その頃は未だデュッセルドルフに住んでいたのですが、TVや新聞でも大きく取り上げられていましたので、この事件のことは知っていました。
まさかその駅が最寄駅になるとは、その時には思いもしなかったのですが。・・・
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この事件は先ず電車の中で四人の児童が何人組かの若者に恐喝をされていました。
これを見かねたブルンナーさんが注意を促し児童達を助けました。
それまでは良かったのですが、この駅に着いた時にホームでブルンナーさんは若者達から報復を受け酷い暴行をされた末にここで亡くなってしまいました。

その後、逃げ去った若者達は逮捕されたのですが、彼の痛ましい結末に対して多くの悔やみや反響が起こりました。
初めてこの駅に行った時から既にその場所には十字架が取り付けられていましたし、十字架も少し古くなると、
すぐに新しい十字架が取り付けられ頻繁に献花もされていました。
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ちょうど四年経った昨日はこの場所に新しくスチールのしっかりとしたプレートが付き、
スペースが広い向かいのホームには記念のモニュメントも設置されました。
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そこには人々が手を繋いだスチール制のモニュメントが植え込みの中に立っています。
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そのコーナーにあるプレートにはモリエールの格言が刻まれていました。

「私たちは自分がした行為に責任を負うだけではなく、なにもしなかったという行為にも責任を負うべきである。」と・・・
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また別のプレートには[ 彼は死ななければならなかった、それは彼が荒くれ物の若者達から四人の児童を護ったから。] と、
[ 彼に対しては誰も助けに来なかった。]
そして [ 結束することで強くなれる。] と明記されていました。
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このような事件は何処ででも起きそうな危険をはらんでいますし、
もし、自分がそんな場に居合わせたら如何したら良いのか分からず、きっとパニックに陥るだけでしょう。

何か自分から行動を起こすほどの勇気もないし、と言って見てみぬ振りをするのも後ろめたいし。・・・

とっさに周りの人達と上手く結束して対抗できるのでしょうか。・・・
やはり難しい問題です。・・・

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追記

今朝ふと駅に沿っている小径を見ると、そこには彼の名を冠した通り名が付けられていました。
この辺の徹底ぶりはさすがドイツと感心させられました。
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by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2013-09-14 00:10 | ミュンヘン | Trackback | Comments(2)
Commented by kukko at 2013-09-20 07:34 x
痛ましい事件ですね。自分がその場所に居合わせたらどうだろうと考えたら、勇気がないです。警察や駅員さんを呼びに行ってるかも。
でも、その後、街の人々が十字架を立て、モニュメントやプレートを作られて、忘れないようにしようとされてる姿に感動しました。ブルンナーさんへの弔いであり、自分達への戒めであり、未来の人への教訓なんですね。ブルンナーさんは、今も、私たちに向けてお仕事をされているように思いました。
Commented by Atelier-Onuki at 2013-09-23 22:37
今もここを通りかかる人はじっくりとそのプレートを読んでいます。
自分自身にも問いかけてしまう重くて痛ましい出来事でした。
この事件の跡、彼の遺族の為に基金も出来ているようです。
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