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ドゥダメルとミュンヘン・フィルの演奏会から

演奏家の中にはパァ~と一躍有名になって世界的に人気が広まる人達がいるのですが、
私は天邪鬼なので余りその辺の人達の演奏会には出かけませんでした。

実はこのドゥダメルもその一人だったのでこの演奏会は当初予定には入れていなかったのですが、
知り合いの人が間違って二重に買ってしまったとかで譲り受けることになりました。

ベネズエラではストリート・チルドレン達が犯罪に関わるケースが多く、それらの防止策の一つとして考案されたのが、この子達への音楽教育でした。
それはもうユース・オーケストラとして活動をする程に成長を遂げたのですが、ドゥダメルはその音楽監督と云う立場でした。

そんな活動を知ったベルリン・フィルは人道的な見地から協力をし、アバドやラトルと云った巨匠が指導にあたったりしていました。

そんな訳で彼はベネズエラの星のような存在で、人気も高く引っ張りだこなのですが、
私にはそんな背景があるので世界的に支援をされているのかなぁ位に思っていました。

とは云えTVでしか聴いたことがなかったので、実際は如何なのか興味もありましたし、
演目がマーラーの7番なのでとても楽しみにして会場のフィルハーモニーへ向かいました。
ドゥダメルとミュンヘン・フィルの演奏会から_a0280569_16555085.jpg

弦楽のオドロオドロした序奏に乗ってテノール・ホルンが吹く不気味な旋律で始まった曲はドンドンと複雑に絡みあって進行して行きます。

オゥ~このドゥダメルさん、中々良いじゃないですか・・・
まぁ名前がグスターヴォでマーラーのグスタフと同じだからかなぁ・・・と如何でも良い事を考えていました。

溌剌とした指揮ぶりは、この複雑極まりない曲を完全に振りこなしていますし音楽的なセンスも申し分なく感じさせます。
それにテンポが良い・・・実に自然で呼吸とあっているし、時折テンポが動くシーンでも違和感がなく説得力があります。
最大級の人数が入っているオーケストラもバランス良くコントロールされていて、変に飛び出してくる部分がありません。
このテンポ感と云い表情の付け方と云い何処となくアバドの演奏に似た感じがしてきます。
これはきっとアバドからも習っているのかも・・・と思わせるほどです。

それにしてもマーラーさん面白い曲を書いたものです。
ありとあらゆる楽器が絡みあって面白い・・・弦を初め管楽器もソロ・パートが多用されコリャ奏者も緊張するだろうな・・・
自然の環境に自分の心象が絡みあって、時には激しく、又時には甘美に絡み合います。
甘いメロディーには色気すら感じる程で気持ち良くなってくるのですが、すぐさまそれが不協和音によってかき消されたりと混沌としています。
楽器はありとあらゆる楽器が絡み合い、まるで人生における不条理や理不尽なことを表出するかの様に、
うねったり歪んだりと複雑で面白い音響効果を上げています。
打楽器なども大きさの異なった鉄板やカウベルまであらゆる種類が使われていますし、
四楽章のセレナーデと云われる楽章ではギターにマンドリンまで主役として登場して来ます。
彼は指揮者としても優秀だったのでこの辺の効果的な楽器の鳴り方など熟知していたのでしょうね。

まぁ余りお知り合いにはなりたくありませんが、面白いオッちゃんだなぁ~とつくづく感心してしまいます。

ミュンヘン・フィルもこの夜は最後まで集中力を持って演奏仕切りました。・・・やったら出来るジャン・・・
(ここ最近は、問題はあったにせよ厳しく鍛えられていたチェリビダッケ時代を懐かしく思う事もシバシバありました。)
この夜もそれは指揮者の功績かもしれません。・・・
ドゥダメルとミュンヘン・フィルの演奏会から_a0280569_16564162.jpg


ラトルさんが2018年には64歳になるそうで、この年齢の時ビートルズは何をしていたのだろうかと
自問自答をした末に2018年以降のベルリン・フィルとの契約延長をしませんでした。(彼も面白い人ですね。)

そこで気の早い事にもう何人かの候補者が上がっていますが、ドゥダメルさんもその一人に選ばれていました。

候補者の顔ぶれを見ていて、まぁこの演奏会を聴くまではフム~ベルリンもつまらなくなるかなぁとちょっと心配をしていたのですが、
ドゥダメルだったら面白いかもと思うようになりました。

まぁプロ野球のドラフトで云うならば社会人の即戦力と云うより、将来性が楽しみな高校生で大化けしそうな期待が持てそうな気がします。

処で今年の紅葉は色付きが濃くて、ことのほか綺麗です。
ドゥダメルとミュンヘン・フィルの演奏会から_a0280569_16571185.jpg

オッとマーラーを聴いたせいか支離滅裂な文章になってしまいました。



by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2013-10-26 16:57 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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