ラヴェルの「子供と魔法」それとツィムリンスキーのオペラ

頭の中では昨夜聴いたマーラーの7番の二楽章辺りの旋律が朗々と鳴り響いていますが、
前からチケットを買っていたのでシュターツ・オーパーへと出かけました。
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演目はラヴェルの「子供と魔法」それにツィムリンスキーの「小人」の二本立てでした。
これらはマーラーとはまるで違う世界の音楽なので頭の中で鳴っている曲を払拭しようと努力しましたが、
それは無駄な抵抗のままで開幕を迎えました。

ラヴェルの「子供と魔法」はちょっとユニークなオペラで登場人物と云っても家具や動物なども登場しますので人だけではないのですが、
その動きや衣装などはこの時代に全盛期だったバレエ・リュスの影響が色濃く反映されているようです。

ちょっと口うるさい母親の云うことを聞かないワンパク小僧が、この日も叱られてしまったので、
部屋中のありとあらゆる物に当たり散らします。
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ソファにすわろうとした処、突然ソファが動き出し何時も受けている乱暴を嘆いたり、それに安楽椅子が加わりダンスを始めたり、壊された古時計まで嘆きを訴え出します。
いつも使っているウェッジウッドのポットも中国製のティー・カップと威嚇しはじめますが、このシーンでは歌詞が英語になって面白い配慮です。
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その後いろんな物の化身が登場し、猫を追っかけて2場にあたる月夜の庭に出ていきます。

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ここでも幹を傷つけられた木が嘆いたり、彼氏を標本にされてしまったトンボや夫を殺されたコウモリ、
雨蛙の集団に有りとあらゆる鳥たちが一斉に訴え大騒ぎに発展して行きます。
皆が襲いかかろうとした時にペットだったリスが怪我をしてしまいますが、これに驚いた子供が
自分のリボンで介抱した処で事態は収まり、皆でこの子を母親の元まで返しに行きます。
ホットして母親に抱きつき、小さく「ママ」と云った所でライトダウンとなります。

この日の舞台は既に幕が開いていてこれから始まる準備を芝居として見せています。
ステージ上には舞台監督が何やら確認の打ち合わせをしていたり、出演者もウロウロと出番の準備など
普段はカーテンが閉まっているステージ上の様子を見せています。
芝居上のTVクルーも入っていて、カメラのクレーンが2台も動いていて大掛かりです。

舞台上には大きな幹の木が背景として何本も配置されていて、その前にトレーラーを使った室内と
大きなスクリーンがその上部に吊られています。
室内はちゃんと作っていて壁紙などちょっとレトロなフランス風ので、子供部屋に相応しい柄が貼られています。
スクリーンにはアップの映像が写しだされていますが、ソファやカーペットの柄はカラフルな市松模様です。
(これは30年ほど前に流行ったイタリアのメンフィス風でソットサスがデザインした柄にそっくりでした。)

どうも日本風に聞こえてしまう音楽で始まりました。
家具類は歌手がそれらしい衣装を付けて演じているのですが、中々良くできています。
グルッと直角に回転したトレーラーの下から、絵本の中の王女がせり上がってくる仕掛けも上手に
見せていましたし、その内登場する動物たちも被り物を含め上手く作っていました。

カエルやリスもそれらしく見える大きな被りものですが、ネットで作られているのでちゃんと歌うことができます。
トンボや鳥はスーッと舞台上にせり上がり相当高い所で浮いていました。
大勢登場する鳥たちの衣装もオジさんが混じっているにも関わらず可愛らしく見えました。

TVクルーは最初は演技に絡むシーンのアップや状況の補足をするのに役立っていましたが、
段々と退屈で邪魔をするだけの存在となり最後の方はネズミが音響さんの役をやらせれたりと、
もう苦し紛れの演出と化してしまいました。

とは云え全体としてはとてもお洒落で見ていて楽しい出し物でしたし、なんと言ってもラヴェルの音楽が良いですね。
昨夜のマーラーもそうですが、ラヴェルあたりもライヴで聴くと色んな音のニュアンスが浮き彫りになってきてハッとするような綺麗な瞬間が訪れます。


休憩後のツィムリンスキーの「小人」と云うオペラは、全く予備知識がないまま観ることになりました。
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内容は(後から調べたのですが・・・)とあるスペインの王女が18歳の誕生日を迎え、皆でお祝いをしています。
その内、お祝いのプレゼントが贈られますが、どれもこれも高価な感じの物にも関わらずこのワガママ王女は気に入りません。
もう最後の手段っぽく運ばれて来た木箱の中からは男が出てきました。
この男、出てきた瞬間から皆に笑われていますが、
逆に王女はこれには興味をそそられたようで、ダンスをしたりとお気に召したようです。

その内余りに王女が絡んでくるので、この男には恋心が芽生えてきます。
それを告白したあたりで、王女は「エッ何言ってるの!!」とばかりと態度が一変します。

無理やり鏡を見せられた男はそこで初めて自分が「小人」であることに気付かされます。
余りのショックに息も絶え絶えとなった彼に向かって「今度は心を持たない人形にして・・・」と
王女が言い捨てて幕…と云うなんとも残忍な内容でした。

当夜はラヴェルがちょっと子供向きな出し物なので大勢の子供達が来ていましたが、
「こんなの見せて良いの?」とちょっと心配になるほどでした。

それでも衣装などはカラフルで女性の広がったスカート内にはライトが仕込まれていて、
まるでアンドンの様に光って綺麗でした。
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ツィムリンスキーの音楽は初めて聴きましたが、ちょっとワグナーとハリウッド映画音楽の中間くらいの感じがしました。
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まぁマーラーさん音楽においてもアルマについてもツィムリンスキーよりも優っていますよ。・・・


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by Atelier-Onuki | 2013-10-27 20:08 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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