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「バイエルン放送交響楽団とデネヴェ、シャハムの演奏会」から

昨夜の演奏会は雪がちらつく寒い夜でしたが、自ら鞭を打ちながら会場のヘラクレス・ザールへと向かいました。
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プログラム前半はプロコフィエフの「三つのオレンジへの恋」からのシンフォニック組曲とチャイコフスキーのバイオリン協奏曲とロシア物が二曲、
後半はルーセルの交響曲3番とラヴェルの「ラ・ヴァルス」と云うフランス物が二曲でした。

当然メインの曲はソリストにシャハムを迎えたチャイコフスキーですが、私個人的には最後の「ラ・ヴァルス」が入っていたので楽しみにして行く事にしました。

前半のロシア物はやはりこの日のように寒い日に聴くには相応しい音楽です。

特にチャイコフスキーは期待以上の出来だったかも知れません。

シャハムのバイオリンは少し線に細さを感じますが濁りがなく清涼な音色です。
それに弱音も綺麗でエネルギーも失われる事がありませんでした。
チャイコフスキーは随所に甘くてセンチメンタルな旋律が現れとてもベタな趣味になることが多いのですが、
(私はこのベタな感じも好きなのですが・・・)
彼はその感情に流され崩れることがなく、スマートで純音楽的に捉えていて品を保っていました。
唯、時折盛り上がって来る箇所ではコンサート・マスターの方へグッ~とよって行ったり、或いはヴィオラの方向へ詰め寄っていったりと、
ちょっと見た目には動きすぎる傾向があるようで、
この辺をもう少しクールに品良くなって行くと、かつてのシェリングの様な品格のあるスタイルに近づいて行けるのではと感じました。・・・
(私はシェリングの生を聴く機会がなかったので偉そうな事は云えませんが。)・・・

さて、後半最初はルーセルの3番でこれは大昔ミュンシュの演奏で聴いたこともあったし、その後クリュイタンスのレコードでも聴いていたのですが、
どうも一向に理解が出来ないようで、結局この日も楽しむことが出来ませんでした。
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暫しの我慢の後、いよいよお目当ての「ラ・ヴァルス」です。
ラヴェル流のワルツ、「ラ・ヴァルス」はちょっと怪しい雰囲気で静かに鳴り始まった瞬間から、別次元の音楽で超一流の雰囲気、風格が漂っています。

日本の現代作曲家の間ではもっぱら「こんなラ・ヴァルスのような格好良い曲を書きたいなぁ~!!」なんて云われるほどで羨望の一曲です。

ラヴェルはピアノでの作曲段階から既にこの部分はどの楽器と、どの楽器がどう絡まってと、
自然と頭の中にオーケストラでの演奏のニュアンスが浮かんで来たそうです。
ですからオーケストレーションの魔術師とも云われ、それは色彩感が豊かでありとあらゆる楽器が絶妙に絡みあっています。

ラヴェルの音楽は録音でも充分楽しめるのですが、この絶妙なニュアンスや色彩感、
楽器群の絡みや不思議な響きなどはやはり生だとより明確に聴こえてきて、
録音では聴き取れなかった効果までも体験する事ができます。

不思議なリズム感を持つワルツは高揚して行き、曲は唸り複雑に絡み合いながら、
その軋みは陶酔して行きながらクライマックスの爆発で閉じられました。
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結局この夜はこの作曲家の格の違いをとことん思い知らされた演奏会でした。



by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2013-11-29 23:20 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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