この夜の演奏会はパットした公演もないし、シュターツ・オーパーの方はレンネルト演出の名作「セヴィリアの理髪師」ですが、
もう40年程使われている演出で今までに何度か観たこともあったので久しぶりにフォルクス・オーパーへ行く事にしました。 ![]() 出し物はレハールの「メリー・ウィドウ」でこれは未だ観ていない新演出バージョンで、 去年日本で引越し公演を行ったらしく、ご覧になった方もいるかも知れませんね。 ![]() シュトラウスの「こうもり」と並んで人気が高いこのオペレッタは内容的には甘酸っぱい恋物語だし、 音楽は随所に甘いメロディーが散りばめられて、耳が蕩けてしまいそうなシーンが数多く点在しています。 「メリー・ウィドウ」と云う英語でのタイトルはこの内容に相応しい綺麗な響きですが、 原題のドイツ語では「ルスティーゲ・ヴィトヴェ」とちょっと汚い発音ですし、ましてや日本語に直訳してしまうと、 「陽気な後家さん」で、これでは観にいく気が中々起こりませんね。 舞台はパリで、とある小国(バルカン半島のどこかか?)の大使館を中心に展開して行きますが、この陽気な後家さんこと、 ハンナは資産家でフランス人のお年寄りと結婚をしていましたが、この程旦那に先立たれ20ミリオンと云う大金を相続することになりました。 これを目当てに大勢のフランス人男性が言い寄って来ています。 もし、フランス人と結婚でもする事になったら、その財産はフランスの物になってしまうので、 男爵を初め何とか昔恋仲だった外交官のダニロとの結婚を仕組もうとしています。 二人は未だ好きなのですが中々意地の張り合いで進展して行きません。 ハンナの方が先にその思いを打ち明けるのですが、ダニロはどうしても遺産目立てと思われるのを嫌い, 頑なに拒否し続けヤケクソ気味にマキシムに入り浸りです。 すったもんだの挙句、ハンナは夫の遺言によると「再婚をした時点で自分には相続権がなくなるのだ。」と告白します。 それを聞いたダニロはやっと素直に好きであることを告白します。 その遺言によると「相続権はその再婚相手に譲渡されるのだ!」との落ちまで付いてハッピーエンドとなります。 それにしても出演者の皆さんは熟れた演技で歌も上手だし踊りも充分こなしています。 マキシムに見立てたシーンでは歌手に混じってダンサーがカンカンを始めアクロバットもどきのダンスまであって盛り上がります。 ![]() これらが後にアメリカに渡ってミュージカルに発展して行くのが良く頷けました。 そう云えば「ハッピーエンド」はハリウッド映画から出来た言葉でしたね。 ちょっと街から離れた所にある「フォルクス・オーパー」はローカル色満載で、 正に「民衆歌劇場」の名に相応しい場末感が漂っていて、この鄙びた雰囲気は大好きです。 ![]() ![]() チケット売り場のオバさんから案内嬢まで皆さんノンビリモードで優しく対応してくれます。 それは出演者やオーケストラも同じで「ホナ~行きましょか!」と云った具合の気さくさでホットさせられます。 いい気持ちになれたので終演後はお気に入りの中華レストランで一杯でした。 by Atelier Onuki ~ホームページもご覧ください~ 応援クリックありがとうございます! ![]() 人気ブログランキングへ
by Atelier-Onuki
| 2013-12-12 04:43
| ウィーン
|
Trackback
|
Comments(0)
|
カテゴリ
全体 ウィーン ミュンヘン ザルツブルク デュッセルドルフ チロル ドイツ フランス イタリア イギリス スイス スペイン アメリカ チェコ 日本 オペラ 音楽 絵画 所感 オランダ オーストリア コラム ベルギー 未分類 以前の記事
2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 最新のコメント
■お問いあわせ■
mail ☆ atelier-onuki.com (☆は@に直して下さい) こちらのメールアドレスまでお願いいたします。 ■Atelier Onuki■ www.atelier-onuki.com こちらで今まで書き溜めてきた作品の数々を紹介しています。 ご覧いただけますと幸いです。 ■ドイツ・ニュースダイジェスト■ 毎月第三週(金曜)発行のニュースダイジェストでも”水彩画から覗く芸術の世界”『Nebenweg』というタイトルで水彩画とコラムを寄稿しています。こちらも見ていただけたら幸いです。 当サイト内の画像および 文章の無断転載を 禁止します。 タグ
ブログパーツ
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||