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「ロリン・マゼールとミュンヘン・フィルの演奏会」から

昨夜の演目は
ブラームス : 「ハイドンの主題による変奏曲」
     「ヴァイオリンとチェロの為の二重協奏曲」
シベリウス : 「交響曲2番」 と云う内容でした。
「ロリン・マゼールとミュンヘン・フィルの演奏会」から_a0280569_171924.jpg

指揮者のマゼールは稀に見る天才で若い頃からその才能に任せた華々しい活躍をして来られました。
(唯、ベルリン・フィルとの音楽監督問題ではとてもお気の毒でしたが。・・・)

丁度30年前、私がウィーンに居たころは国立歌劇場の音楽監督をされていましたので、彼の演奏会やオペラを観る機会が良くありました。

オペラでは当然ながらプレミエ公演を振る事が多かったのですが、ピットの中ではそれ程目立たないので、時折軽く指揮をしているシーンもありました。
チョコッとキッカケだけ振って、ジットして振っていない所もあったのですが、それでもオーケストラは物凄い勢いで弾いています。

プレミエですから楽団員も殆どは其々のパートのトップが入っています。
もうウィーン・フィルと変らないメンバーでコンマスにもヘッツエルさんが入っていたりして、必死で弾いておられました。
「いや~、こんなに軽く指揮をしているだけなのに、何とまぁ凄い音が出せるものだなぁ~」と変な感心をしたものでした。

そんな彼ですからちょっと暴れん坊的なイメージも付きまとって来ましたが、何ともう83歳と云う大巨匠の域に達していました。

前半はブラームスですが、これはちょっと興味を持って期待をしていました。
それはかつて90年にバーンスタインが亡くなられた時に、当時は未だショルティやジュリーニなどの巨匠が未だ存命中だったにも関わらず、
「これでブラームスを振れるのは俺一人になった。」と豪語したからです。
とは言え確かに彼がクリーブランド管と録音した交響曲は素晴らしい演奏で、一般的にはそれ程評判にはならなかったのですが、
私は3番などとても気に入って良く聴いていました。

さて最初の「ハイドン・バリエーション」はゆっくりとしたテンポで始められました。
かつては時折大きくテンポを動かして変化を付ける事もあったのですが、
この日は終始落ち着いたテンポを変えず、全体を通した印象としては堂々とした大人しい演奏でした。

続く「二重協奏曲」もツボを得た堂々たる物ですが、全体としては大人しく安全運転のまま終ってしまった印象を受け、昔のような活気を感じられませんでした。
それでもバトン・テクニックはしなやかで相変わらず上手いものです。
多分一番上手い一人でしょうね。

後半のシベリウスは、これも昔から得意にしていて、かつて30歳そこそこでウィーン・フィルを相手に交響曲の全曲録音をしているくらいです。

これは打って変わって最初から音楽が生き生きと浮き上がり、次から次へと緊張感をもって変化していきます。
テンポも堂々としていますが活気があるので、音楽が前へ前へと退屈することなく進んで行き、
三楽章から四楽章へ切れ目なしで移って行く様も、堂々と盛り上がって行きさすがと云った演奏でした。
いたる所で重要な活躍をする金管群もけして派手になることはなく、立派に堂々と鳴り響きました。
喝采!!

処で昔々未だ私が子供だったころ、母親がピエール・モントゥーの演奏会へ行ったそうです。
モントゥーは既に82歳だったそうで、「そりゃ両脇を抱えてもろて、ヨチヨチ歩いて出て来はったんやけど、
指揮台に立ったらシャンと別人のようになって指揮してはったんやでぇ~。」と半ば興奮気味に語っていました。

一度その時のパンフレットを見せてもらったことがあったのですが、演目が何と今回と同じシベリウスの2番で、
後になって「こりゃ行きたかったなぁ~」と、つくづく羨ましく思った事がありました。
(この人のシベリウスはレコードで聴いた処では、北欧風の冷たさや荒涼感とは無縁ですが、
暖かい人間性が滲み出た淡々とした中にも音楽的に豊かな演奏でした。)

計らずしも83歳のマゼールで同じ曲を聴く事になったのですが、
昔と違って最近のご老人は元気だなぁと思うと共に、時の流れの速さにも思いを馳せてしまいました。

さて来週はいよいよバルセロナへ出張するのですが、何と彼らもこの演目を引っさげてバルセロナ公演が予定されています。


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2014-02-15 01:07 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)
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