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「ブロムシュテットとバイエルン放送管弦楽団の演奏会」から

演目は
ブラームス : 「悲劇的序曲」
    「交響曲3番」
    「ハイドンの主題による変奏曲」
    「大学祝典序曲」 と云うちょっとユニークな曲順です。

マゼールの演奏会から一夜が明け今夜はブロムシュテットとバイエルン放送管弦楽団との演奏会でした。
演目はオール・ブラームスでしかも「ハイドンの主題による変奏曲」は昨夜と同じ演目なので計らずも聴き比べてしまう結果となりました。
「ブロムシュテットとバイエルン放送管弦楽団の演奏会」から_a0280569_19231299.jpg

片や83歳でしたがこちらは86歳と負けていません。
いやぁ~ご老人対決?・・否、大巨匠の聴き比べ・・・贅沢なことです。

この人はアメリカ生まれのスウェーデン人で徹底した「菜食主義者」として知られています。
ですから音楽も自ずから菜食主義的で脂っこさとは無縁のスッキリとしたスタイルで気を衒ったような表現とは無縁です。
絵で例えるならば軽い「淡彩画」の面持ちながら、内容は一杯詰まっていて渋い中にも深い精神が凝縮されています。

先日もベルリン・フィルでのインタヴューでは「語るべきは音楽です。音楽ができるだけ多く、私はできるだけ少なく語る。
それが私の役割だと考えています。」と謙虚そのもので、音楽に貢献をしています。

レパートリーはニールセンを初めシベリウスやグリークなどの北欧物は当然ながら、
ドイツ、オーストリー系の正統派音楽は間違いなく安心して聴くことができます。
唯、派手さや聴き栄えとかからは遠い世界なのでパット聴いただけでは、その良さは伝わり難いかも知れません。

お元気な姿で登場され最初の「悲劇的序曲」はキビキビとした棒さばきで始められました。
響きは引き締まりテンポもグイグイと前へ進んで行き勢いがあります。
バランスなども申し分なくアンサンブルは一糸乱れることなく緊張感が最後まで縦続され一気にクライマックスまで進んで行きました。

次は大好きな3番の交響曲です。
数名の楽団員が入れ替わる間も、彼は楽屋には下がらず指揮台の上で待っていました。

これまた気合が入った引き締まった響きで始められ、曲はグイグイと集中力を保って展開して行きます。
それにしてもこの人はテンポが若々しくキビキビとした棒さばきで気持ち良く引き込まれて行きます。
決して大げさな身振りはないのですが、バトンの動きは鋭くはっきりとした表現です。
あっと言う間に一楽章が終わってしまいました。

楽章の間も完全に止めてしまうのではなく、ある種の緊張感を残したまま二楽章へと入っていきました。
この曲では初めて経験ですが集中力を途切れさすことなく、曲全体の統一感をもって捉えているのだと察せられました。
それ程長い曲では無いので、フムこれはありだなぁと感心しました。

三楽章のあのホルンのソロも渋く溶け込んでいます。
一気に入っていった四楽章でもその進行具合は心地よく、曲が盛り上がる部分でも派手さはなく、
あくまでも引き締まった中身の濃い音楽が鳴り響いています。
そして回想をするように段々と落ち着きを取り戻してきた曲は、
丁寧で静かに静かに緊張感を保ちながら閉じられました。

後半の「ハイドン・バリエーション」も同じように引き締まった素晴らしい演奏で、
その室内楽的な響きを聴いていてフト、ひょっとしてジョージ・セルが生きていたらこんな演奏をしたかも・・・と思えてきました。

ブラームス得意の変奏曲は途中からハイドンの主題は何処に行ってしまったのか分からなく程、複雑に発展していきますが、
最後はまた最初の主題に戻り堂々とした響きの中フィナーレを閉じる名曲です。

フィナーレになってやっと出てくるトライアングルの連打は曲に華やかさを与える様、時には目立つよう手を掲げて鳴らす事もあるのですが、
この日は何処に奏者がいるのか分からない位で、譜面の影に隠れたトライアングルを控えめに叩いていました。

最後の「大学祝典序曲」はブレスラウ大学から名誉博士号を授与された折、祝典式での曲を依頼され作られた作品で、
ブラームスとしてはちょっと明るく遊びの要素も入っています。
生の演奏で聴くのは初めてでしたが、所々オドロオドロした所などもあって面白く聴く事ができました。

まぁ余り色気やロマンチズムは乏しいけど、
とても聡明で清楚なスッピンの美人から内容の深いお話を聞かせて頂いたような心境になった一夜でした。



by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2014-02-16 19:23 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)
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