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「変な飲み屋」は

家から歩いてそれ程遠くない所に大きなスーパーがあって、
大抵の買い物はここで済むので良く出かけます。
途中には広大な墓地がありこのスーパーは墓地に面して建っています。
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スーパーの周辺には色んなお店もあるのですが、手前に数年前から簡易食堂のような掘っ立て小屋がありました。
グリルなんかもやっているようで通る度に、何かを焼いている良い香りが漂っていました。
小屋の前は簡素なテラス席で何時もソコソコのお客が座っていて繁盛をしているようでした。

先日買い物に行った折にフト見るとちょっとシュールな感じで、入口の両サイドには黄色い提灯が、
そしてフェンスには「一番搾り」と大きく書いたノボリがはためいていました。
しかも墓地の入口に近いので、左隣は墓石屋さんで更にシュール感を盛り上げています。
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この光景は決してドイツとは思えない程で、何処か日本の場末感がプンプンして来ます。

フーンと思いながらも家に帰ったのですが、息子が「”一番搾り”の看板を見なかった?」と尋ねました。
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そうか彼も気になっていたようです。
なんでも店の中で日本人らしき人が働いているのを見たと云うのです。

「それじゃ~行ってみるか」と言うことで家内も含め買い物がてら行ってみる事にしました。

未だ5時過ぎと早かったのですがイソイソと出かけました。

案の定、お店はガランとした無人の状態で、何処を見ても開店時間が書いていません。
誰かいるのかと、そっとドアを押して見ると何と全く施錠もされないままで、ガランとした店が出現しました。
フト置いてあったチラシに目をやると、そこにはランチ・メニューとカタカナで書いてあります。
おぅこりゃ間違いなく日本人がやっている感じです。

取り敢えずは買い物をして時間稼ぎをしました。
出来るだけゆっくりと「三ぽ歩いて二歩下がる」のテンポで買い物をしたので何とか6時位までなりました。

「もう開いているだろう!」と店に戻ったのですが、相変わらず電気は点いていないしガランとしています。
「もう帰ろうか」と云ったあたりで奥の方で人影が見えました。
近づいてみるとそこには日本人のご夫婦が今しがた到着した感じで裏口のドアを開けていました。

「何時から開店ですか?」・・・「6時半からです・・・宜しく」、
「と・処で一番搾りは生ですか?」、「エエ生ですよ・・・」、おうこれは期待が持てる・・・

「よし近くの池端で時間を潰して後30分待つぞ!」と暫くベンチに座って雑談をしながら待っていました。
何の用事もないのに30分待つのは結構長く感じられますし、陽も傾きだして寒くなって来ました。
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やっと6時半になったので少々疲れながらもお店に戻りました。
ありゃ未だ電気も点かず店内は暗いままです。
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奥の方で準備をしていいる感じですが、こりゃ未だまだ開店まで時間が相当掛かりそうです。
この辺で実は”待つことが大嫌い”な私としてはシビレを切らしてしまいました。

このテンポですとこれから先の様子も想像ができるので、「よし、他へ行こう!」と決断しました。

「もう一軒近くに日本食屋さんがオープンしている」と聞いていたのでそちらに急遽変更することにしました。
そこはデュッセルドルフで展開しているお店の姉妹店だそうで、まぁまぁ美味しく頂きました。

結局はストの影響もあって長い散歩となりましたが、途中新しく建ったビル群を抜けたら、
昔ながらの懐かしい家並みも残っていて、それなりに楽しい夜となりました。

さて、あの店・・・確かにあのシュールなロケーションでの「一番搾り」・・・
未だちょっと気になっています。



by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2014-03-29 03:24 | デュッセルドルフ | Trackback | Comments(0)
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