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「プラド美術館」にて

先週は所要があってマドリッドへ行っていましたが、
週末が三連休に掛かったので、そのまま延長して滞在する事にしました。

早々に用事を済ませ夕方にはプラド美術館へ向かいました。
チケット売り場ではフリーのチケットを配っていて何と6時からは入場無料だそうです。
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ここへ来るのはもう20年ぶり位なので、今日は予行演習としてサッと見て回ることにしました。
それにしても大きな美術館で迷子になりそうです。
展示エリアも国と時代で分類されていますが、ちょっと慣れないと何処から観て行ったら良いのやら見当が付きません。
恐らく絵画部門に関してはルーブルに匹敵するほどの質と量を誇っているのではないでしょうか。
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収集作品は12世紀辺りから19世紀位までと多岐に渡っていますが、まぁ何と云ってもこの美術館の目玉はスペイン絵画と云えるでしょう。

それはエル・グレコに始まりヴェラスケス、ムリーリョ、そしてゴヤと繋がって行きます。
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先ずエル・グレコですが、彼の先進的な画風からそれ程古い時代の画家とは思えないのですが、なんと400年以上も前ですから、
ルネッサンス末期の画家で、そのモダンな表現や感覚には恐れすら感じます。
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ちょうど今年が彼の没400年にあたり、彼が住んでいたトレドでは特別展を開催しています。

この名前は本名ではなく自分で付けたようで、イタリア語のギリシャ人と云う意味でクレタ島イラクリオンの出身だそうです。

私は今までエル・グレコのことが理解できず好きな画家とは云えませんでした。
唯、今回じっくりと観ることができて、少しは親しみを感じられるようになりました。

それに彼は研究熱心で、この当時としては凄い数の蔵書を所有していたようです。
そして多くの題材はその書物に描かれたエッチングによる挿絵からヒントを得ていて、それをあの彼独特のスタイルで描いたのですね。
人物は縦長に描かれ恐らく12頭身くらいあるでしょうか。・・・

彼の蔵書の中には初めて発刊された“美術評論”の本があって、グレコ自らアンダーラインを引いて、その横に几帳面な書体でメモ書きをしています。
そのアンダーラインの部分には生存する注目すべき美術家の名前が書かれていますが、
当然ながら「ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ」の名が示されていました。
グレコが生きていた時代には未だ彼らが活躍をしていたと思うと、「こりゃ凄い時代だったのだなぁ。!!」と興奮すら覚えました。

さて、この美術館で最も充実しているヴェラスケスを初めセヴィリアから購入したといわれるムリーリョの優しい絵画の数々、
そしてあのゴヤ、ある時は宮廷画家として、或いは正反対にスペインの影の部分を描いた天才画家など、
今日の処はサッと観て別の日に改めてじっくりと観ることにしました。
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その他の絵画では真贋がはっきりしていない「モナリザ」が、他の絵画と並列にサラッと展示されて、そのあっけのなさに親しみを感じました。
ポーズは勿論のこと、服装や背景の描き方など素晴らしいもので、ダ・ヴィンチだと云われてしまえば、「そうなのだ!」と納得できるほどの一枚でした。
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今日はこれ位にして、バルで一杯です。
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「明日はトレドを目指すぞ。!!」


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2014-06-13 00:33 | スペイン | Trackback | Comments(0)
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