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「マドリッド王立歌劇場」にて

スペインの歌劇場と云えば真っ先にバルセロナのリセウ劇場を思い浮かべ、マドリッドの歌劇場は正直な処、今までノーマークでした。

調べてみると開場が1850年ということですからリセウより5年ほど後で、パリやウィーンの歌劇場よりも長い歴史をもっています。

当初から王立歌劇場として建てられましたので、なるほど王宮に向かい合って建っている訳です。

まだ、知らない歌劇場を訪れるのはとても楽しみで、
特にラテン系の劇場は独特の雰囲気を醸しだしていますし期待しながら出かけました。
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公演予定を見てみるとドミンゴのリサイタルがあったり、
オペラにも何人かビッグ・ネームの歌手が出演しているので中々レヴェルが高いのではと思われます。

当日の演目はオフェンバッハの「ホフマン物語」で大好きな演目の一つです。

歌手もニクラウス役にオターとビッグ・ネームも入っています。

この出し物はシュトットガルト州立歌劇場との共同制作で、
指揮者のシルヴァン・カンブルランがこの歌劇場の主席指揮者なので、その関係かも知れません。

最近はコストセーヴのためか良く歌劇場や音楽祭などの共同制作を多く見受けられますが、
時間とコストを掛けて良い公演をしてくれるのならとても良い試みだと思います。

遠く離れた歌劇場で同じ演目を観る観客なんて、
何処かのおバカな日本人(私自身のことですが)を除いてまずいないでしょうから。・・・
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歌劇場内部は小ぶりながらゆったりとした時間の流れを感じさせる雰囲気を醸しだしています。
階段室は最上階まで吹き抜けになっていて其々の階が見渡せますが、舞台衣装や小道具などが展示されていて興味深いものです。
なかでも小道具のチェンバロは作り物とは思えないほど細部まで拘った作りで感心させられました。
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二階の両サイドには小部屋があって、その調度品と共に良い雰囲気を出していました。
ここから大きなテラスに出る事ができ、王宮越しに沈む夕日をゆったりと眺めることができます。
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ステージの間口は大きくて、ひょっとしたらウィーン辺りより大きいかもしれませんが、
観客席は一般的な大劇場の2/3位と浅くて、これはある意味贅沢で歌手の声もよく通りそうです。
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いよいよ開演、音楽がなり始める前にカーテンが開きました。

台本上は劇場前の“飲み屋”という設定ですが、ここでは左端にバー・カウンターはあるものの、後ろには劇場用の椅子がズラーッと並び、
中央ではデッサン教室の真っ最中で、ステージ上には何と素っ裸のモデルさんが立っています。

手前にも石膏像に見立てた真っ白なモデルさんがやはり裸で寝そべっています。

音楽も始まりだしましたが、どうもこのモデルさんが気になります。
普通プロのモデルさんでも20分持てば凄いことなのですが、
この幕は結構長いので「途中でやめるのかなぁ?」とか如何するのか心配していました。

結局は20分ほど微動だにしないまま、次のモデルさんが現れ交代をしました。
彼女は別のポーズですが上からぶら下っている吊り輪を持って、やはり立ちポーズです。
この人も15分ほど立ったままで静止状態、また次のモデルさんが現れました。

オペラもオランピア登場くらいまで進んで来ましたが、デッサンは延々と続けられ入れ替わり立ち代り新しいモデルさんが出現します。
それもなんと皆さん美形なのです。
それに引き換えオランピア・・・この人形役にしてはちょっと・・・

とうとう二幕目が終るまで7人ものモデルさんが出現しました。

もう、モデルさんばかりに気を取られてオペラどころではありません。

三幕目のアントニアは病死するはずなのに元気印みたいな方が演じ、次のジュリエッタも同じこの元気な歌手が二役です。

その間も意味深げに裸にバスローブだけを纏った女性が奥の方を歩いていたりで、
フームいかが解釈をしたら良いものなのか分からないまま終幕を迎えました。

演出家のMarthalrと云う人はやはり演劇畑の演出家で、何か意味付けをしようと試みたと思うのですが、
まぁオペラですし、しかも幻想的でロマンティックな内容ですから、もう少し音楽にも集中したかったなぁと感じました。

歌手は歌に関しては小粒ながら良く歌っていました。
唯、期待のオターはこの役を演じるにはちょっとお歳をめされたかなぁ~
大柄でクールなイメージの彼女は同じズボン役でも、「バラの騎士」でのオクタビアンなんかピッタリの役柄でした。

オーケストラも練習中の音はノンビリとしたもので、それ程期待はしていませんでしたが、
いざ始まってみると中々の腕前で、雰囲気や表情も明るく充分楽しめました。
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二回も休憩が入ったので終演はもう12時近くになっていました。
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幾らスペインとはいえ未だ食事にありつけるか心配で、慌てて劇場近くのちょっとお洒落なレストランを覗いてみました。
看板のメニューをみるとやはり普段の倍くらいの値段です。

グッと我慢をしてもう少し探してみましたら、ちょっと外れに場末感満載のバルが未だ営業中。
もう上がりモードでビールを片手にサンドウィッチをほおばっていましたが、
遠慮がちに「未だ何か食べられる?」の問いに、「シー!」と心強い返事が人懐っこい笑顔と共に返ってきました。
間髪を入れずに「ウノ・セルベッサ」を注文、ギンギンに冷えたビールは一気に飲み干し、
お代わりと共に頂いた「塩ダラ入りコロッケ」の美味しかったこと。・・・

あの人の良さそうなオジサンたちに又会いたいなぁ。・・・


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2014-06-17 00:26 | スペイン | Trackback | Comments(0)
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