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クロード・モネ「印象・日の出」について

昨日のAsahi.comを見ていたら、このモネの描いたいわゆる「印象派」の語源となった「印象・日の出」についての記事が載っていました。
クロード・モネ「印象・日の出」について_a0280569_23563583.jpg

それは長年問題にされていたこれは「日の出」か「夕暮れ」かの論争に結論つけるもので、
テキサス州の天文学者らが1872年11月13日午前7時35分ごろとやたら正確な時間まで算出し発表しました。

この疑問は実は何年か前にこの絵が描かれた「ル・アーヴル」の海岸を訪れた時から私自身の中でも沸々と湧いていました。

その日は夕暮れでしたが、この海岸特有のもの凄い勢いで潮が引いた後で、
この昔の写真の様に海底のヘドロがむき出しになり、港に着けられた船という船は傾いていました。
クロード・モネ「印象・日の出」について_a0280569_23565846.jpg

それでも遠くに沈む太陽は霞み、大きな空や海を淡いピンク色に染め、
遠くには船の姿もブルーグレーに霞んでいてまるでこの絵に描かれた情景そのものの雰囲気でした。

その時に頭の中ではモネはどの位置から描いたのだろうと想像していました。
左手には彼がここで描いた別の絵にも工場地帯が広がっています。
クロード・モネ「印象・日の出」について_a0280569_23582653.jpg

ただ、私が見ているのは明らかに夕日です。

ル・アーヴルは確かに北フランスで海は基本的に北側に広がっていて左側は西なのですが、
よくよく地図で確かめると、この海岸は西側へ張り出して正面は南西に向いています。

ひょっとして更に北西へ上って行けば何とか工場地帯を南東側にすなわち「朝日」を見ることも可能かも知れません。

まぁあれこれと想像を膨らませて画家がどの様な状況で描いたのか思い巡らせるも楽しいものです。

今の処は「日の出」と結論つけられたようですが、
所詮は絵の世界なので何処に太陽を描こうが画家の自由なわけです。

あれこれと想像を逞しく巡らせて鑑賞するのも一つの楽しみ方ですし、
逆に直感的に絵の世界へ入ってから想像を膨らませるのも楽しいもので、
名画にはありとあらゆるアプローチを楽しませてくれる懐の深さがあるようです。


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2014-09-11 23:59 | 絵画 | Trackback | Comments(0)
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