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「サロネンとバイエルン放送交響楽団」の演奏会から

演目
Anders Hillborg : “Eleven Gates” for Orchester
グリーク : ピアノ協奏曲 ( ソリスト : Alice Sara Ott )
シベリウス : 交響曲5番

昨夜の演奏会は作曲家がスウェーデン、ノルウェー、フィンランド(指揮者も)と
さながらスカンジナビアの夕べという様相でした。
「サロネンとバイエルン放送交響楽団」の演奏会から_a0280569_2295683.jpg

サロネンの演奏を初めて聴いたのは、もう20年ほど前でまだスウェーデン放送交響楽団との演奏会でした。

その時聴いたマーラーの4番がやたらと素晴らしく、
もう3楽章辺りで完全にノックアウトされ目に熱いものを禁じられませんでした。

それ以来、彼の演奏は注意深く聴いてきました。

最初の曲は作曲家の名前すら知らない曲でしたが、結構複雑な構成にも関わらず、
さすが作曲家でもある彼は理路整然とした指揮ぶりで丁寧な表現をしていました。
まぁ私はこの手の現代曲には全く不案内なのでコメントはできませんが、・・・
演奏後は作曲家自らステージに登場し挨拶をしていました。

さて、次のグリークは久しぶりに聴くのですが、ソリストの紗良・オットさんを聴くのは初めてでしたし、
ここ数年脚光を浴びているミュンヘン出身で日系の彼女の演奏は楽しみでした。

エメラルド・グリーンのドレスに身を包み登場してきた彼女はスラッと背が高くそれだけでも目を引く存在でした。
噂通りハダシでしたがそれでも大きく感じました。

曲の冒頭はティンパニーの連打に乗ってスタイリッシュに弾き始められます。

ここを余りにも気合が入りすぎて、ちょっと恥ずかしい気持ちにさせるピアニストも間々おられるのですが、
彼女の場合は力強くでも重々しくはなくフレッシュな響きで爽やかさを感じさせました。

一転してゆったりとしたフレーズでは丁寧な表現に瑞々しい響きで好感がもてます。

時折、テンポに貯めを作り変化を与える余裕すら感じますし、
テクニックは云うまでもなくほぼ完璧です。

最終楽章のテンポを上げていく所でも完璧で、躍動的にピアノに向かっている様は
まるで豹か何かが獲物に向かって行くような光景を思い浮かべるほどです。

26歳という若い彼女にコクや深みを求める方が間違っていますし、
むしろこの曲にはこの若さが新鮮な印象を与え爽やかな気持ちになれました。

フィナーレの難しいパッセージも堂々とオーケストラと渡りあって一気に弾き切りました。

ステージ・マナーもちょっとお茶目な一面も覗かせて好感がもてます。

喝采に答えアンコール曲が弾かれましたが、出だしでその余りのポピュラーさに、
思わず会場から笑いが漏れたほどです。
それはベートーヴェンの「エリーゼのために」でした。

さてグリークに話を戻しますと、バックを付けていたサロネンが素晴らしく要所要所をしっかり押さえていました。
ともすれば時折ちょっと安っぽい響きになりかねない部分もある曲ですが、
引き締まった表現であくまでも格調の高い演奏をしていました。


休憩後はシベリウス、これは彼にとっては同国の作曲家でお手の物です。

この曲はシベリウスの生誕50周年の祝賀用に作曲されたそうで、
彼の曲の中では牧歌的で比較的明るい部分もあります。

それでも極寒の大自然を連想させる曲想には全般にどうしても暗さは漂っていますが・・・

ここでもサロネンの演奏はあくまでもキビキビとした進行の中にも格調ある丁寧な表現で感心しきりです。

彼の指揮スタイルは若々しく勢いが良いのですが、丁寧で見やすくこの辺にも
さすが作曲家ならではの楽曲構成などしっかりと見据えた表現が出来るのでしょうね。

それにスタイリッシュながらも、既に風格を漂わせていました。

この所疲れていて、どうしようかと迷った演奏会でしたが「行って良かった!」とつくづく感じました。


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2015-01-18 02:29 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)
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