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「ポカポカ陽気に誘われて」

この週末は久しぶりに陽が差し込み暖かな陽気になりました。

陽気に誘われ目指すは最寄り駅から南に下ったIckingです。
ここまで来れば自然に囲まれちょっとした旅行気分を味わえます。

途中Ebenhausenの家並みを過ぎれば、景色はパツと広がりアルプス山脈が遠くに見渡せこの路線随一の景勝です。
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人気のないIckingの駅からは国道を越え、ダラダラとイザール川を目指して下って行きます。
途中、私のお気に入りの小さくて趣のある教会を通り越すと森が見えてきます。
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おっと今日も森の入り口にはサーカス団が野営をしているようです。
ここは色んな旅のサーカス団が拠点にしているようで良く見かけるのですが、
以前この広場で‘象“の放し飼いをしていて、その余りのシュールさにびっくりした事がありました。
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さて、いよいよ下り坂もキツクなりだし、道に残っている根雪はちょうどカチカチで滑りごろです。
迂回すべく人が通った形跡がある森の中へと足を踏み込んで行きましたが
こちらの方が険しいけれども雪がフワフワしているので滑りません。
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暫くの悪戦苦闘のあとやっと小道に遭遇、その先からは既にゴーゴーと水が流れる音が聞こえてきました。
そこには大きな水門があって本流と運河への水流の調整をしているようです。
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木製の古い水門は味わいがあり、中は川向こうへ渡れる橋を兼ねています。
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水門を渡り運河に掛かる橋も渡ったところに、お爺さん二人が釣りの準備をしていました。
興味深々に仕掛けをチラと見ると、何と15・6cmほどある大きなルアーをセッティングしていて、
「エッ、何を釣るの?」と尋ねた処、お爺さんは得意げに手を4・50cmほど広げて「こんなの・・・」と云って笑っていました。
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暫く歩いてから振り返ると橋の上から釣り始めましたが、
その動きはギコチなくしかも川上から投げるなんて釣り人としては如何なものか、・・・ 
「こりゃ期待できないなぁ!」と歩を進めました。

お天気に誘われてパラパラと人々が歩いていますが、その大抵の人たちは日当たりの良い左岸を歩いています。

私は右岸を選んだのですが、この右岸には途中から小川が合流しその水が澄んでいてあまりにも綺麗だからです。
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その透明度はまるで湧き水かと思われるほどで、川底の緑鮮やかな水草をバックに可憐な小魚が所々で遊泳しています。
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小川をチラチラ見ながらこの一本道を水車小屋がある養殖場を目指しました。
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この養殖場では魚の販売もしているようですが、如何せん淡水魚ばかりなので中々買う気にはなりません。
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養殖場の中にも小川が流れているのですが、ここにはサスガこれでもかとばかり、あらゆる種類の魚が泳いでいます。
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ふと見ると金魚のような色をした魚も・・・これはゴールド・トラウトと云う種類だそうですが、これはちょっと気持ちが悪い感じです。
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もう3km以上歩いたのでここのレストランで休もうかとも思ったのですが、
それほど大した料理はないので、更に橋を渡り今度は左岸を修道院がある方へと歩を進めました。
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運河沿いの土手には雪が深く残っていて歩き辛いのですが、背中から太陽がポカポカと照りつけ心地よい気分で歩いていました。
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それでも2kmほどの道のりはキツク、遠くにレストランの屋根が見えて来た頃には
足腰のあちこちがガタガタ云い出していました。
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もう2時半を過ぎていて、こんな辺鄙な所にも関わらず店内は満席状態です。
何とか窓際の一席をあてがわれメニューを眺めました。
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臨時で差し込まれたページには“Wildwoche” (野生週間)と特別メニューです。
お決まりの鹿やウサギに混じって“猪”のフィレを見つけました。
これは食べたことがなかったので迷わず注文しました。
出てきた料理はフィレ肉をソテーし上からキノコソースが掛けられています。
野菜やポテトのグラタンが添えられボリュームもタップリ、濃厚な味ながらも美味しく頂けました。

帰り際店に入り口に飾られている賞の数々を眺めた処、このオーバー・バイエルン地方で
ドイツ料理として一位に選ばれた大きな看板が誇らしく飾られていました。
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さて体も温まったので川向こうの修道院を目指しました。
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そこから山を1kmほど上がって行くと、Ebenhausenの駅に辿りつきます。
大きな修道院でホテルやレストランなども周辺に隣接されていますが、
もう陽も傾きかけて来ているので雪道を急ぎました。
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途中、ブーン、ブーンと云うチェーンそうの音が聞こえてきました。
何と土曜日にも関わらず森林管理の人たちが働いています。
大きな重機で木を運んだり、細い山道を登っては大きな木を切り倒している様は中々迫力がありました。
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勾配の厳しい山道をやっと登りきり平地へと出られました。
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駅の近くには時々訪れたことがあるポスト・ホテルのレストランがあります。
ここはゲーテも滞在したことがあるほどで、その古くて味わいのある建物と、
料理も伝統的なドイツ料理で気に入っていました。
数年まえには一度スケッチをしたほどです。
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ところが昨年行った時、入り口には手描きで“閉鎖”と書かれた紙切れが付けられていました。
ひょっとして改装とかしていないかと淡い期待と共に眺めたのですが、
その紙切れが時を経た感じで付けられたままです。
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寂しい気持ちになりながら駅へ向かいました。

電車が来るまで少し時間があったので、疲労回復のため先ほど買ったチョコレートを取り出しました。
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“オッと、そう云えば今日はバレンタイン・デーでした。”


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2015-02-16 20:52 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)
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