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「蕗の頭」再び・・・

先日やはり野生物が大好きな知り合いがデュッセルドルフから出張でやって来ました。

以前から「蕗の頭・・・取りに行きたいですわ~」と云っていましたので、
ちょうど摘みごろだろうし、いよいよ一緒に行くことにしました。

彼の仕事が長引いたようで結局スタートできたのは午後4時を過ぎていましたが、
最寄り駅で落ち合い南へと向かいました。

折角なので“蕗の頭”を採取した後はこの近郊へも案内したかったので、
陽が傾きかけてきた道を森へとまっしぐらにグングン歩きました。

それにしてもこんな辺鄙な農道を東洋人二人のオジサンが歩いているのは
「こりゃ不審な光景だろうな~」と想像していました。
しかも森の中だとなおさら不審です。・・・

恥ずかしさもあるのでササッと済ませたかったのも事実です。

ドンドンと蕗ポイントへ到達しましたが、そこにはちょうど食べごろの大きさに成長した蕗たちが
コレデモカとばかりの数で顔を出していて、思わず笑いが出てしまいそうでした。
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初めて訪れた彼も、余りの豊作ぶりに半ば興奮気味に写真を撮りながら採集していました。
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もう充分に摘みしましたが、更に奥の方にある第二のポイントに向けて道なき道を野生動物のごとく移動しました。

ここでの蕗は更に色・形ともにより美味しそうな種類で、思わず追加採集してしまいました。
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採集を楽しんだあと森を出る頃にはもうドンヨリと暗くなり出していました。

これから終着駅まで南下し、バスに乗ってシュタルンベルク湖を目指す積もりでした。
ところがこのバスはもうこの日は終了です。

フト別の停留所を見ると“Bad Tölz“と表示されたバスが今にも出発しそうな感じで停まっています。

当初は時間が早ければここへ行こうかと思っていましたので、急遽このバスへ乗り込みました。
ここから1時間ちょっとの道のりでシュタルンベルク湖よりもずっと遠く、
少し無謀かとも思いましたが、慌てて乗り込んだのでもう時既に遅しです。

バスは、か細い女性の運転手ながら田舎道をグングン走り出しました。
もう車窓からの景色は薄暗くなりましたが、薄っすらと丘陵が広がる田舎の風景を眺められます。
もう少し明るかったら遠くアルプスも望める景勝コースですが、まぁそれなりに楽しむ事ができました。

途中の村からは細い田舎道へと入りますが、ここでこの運転手さんは車内の照明を全部落し、
「さぁ行くよ!」とばかりグイグイとスピードを上げ、やる気満々・・・その潔い走りっぷりには快感さえ覚えるほどでした。

それでもバド・テルツに到着した頃にはすっかり暗くなっていました。
色とりどりのファサードを持つ可愛い家並みは、普段は観光客で賑わっているのですが、
もう殆どのお店は閉まっているし人通りもありません。

お腹も空いて来たのですが、一見ショボそうなビア・レストランが開いているだけです。
そうだ城門を出た先にもう一軒、ビア・ガーデンがある事を思い出しました。

ここは教会の脇に建つ古い建物で、旅籠も兼ねている伝統的な雰囲気のビア・レストランです。
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中に入るとガランとした広い店内には一組4人だけのお客さんしかいませんでした。

案内されるまま窓際の席に座りました。
「一人で奮闘しているウェイトレスさんは・・」と云ってもやはり伝統的な方で、
恐らく80歳を越えておられるように見えます。

喉がカラッカラだったのですかさず生ビールを注文しましたが、銘柄は余り私の好みではない“Löwenbräu”でした。
二杯目は瓶ビールながら地ビールを見つけたので注文しましたが、
瓶にも関わらず麦のオリが底に溜まっていたりで、手作り感が漂っていました。

料理は先ず“Bärlauch”(行者ニンニク)のクリーム・スープを頼みました。
それにしてもこの“Bärlauchの何とか”というメニューが3種類ほど載っています。
きっとこの辺ではたくさん自生しているのでしょうね、家の近くでも中くらいの大きさまで育っていました。

続いて“川魚のグリル盛り合わせ”を試しましたが、これは中々塩っぽくて半分くらいしか食べられませんでした。

この辺でパラパラと婦人たちのお客さんが入ってきましたが、
皆さん人懐っこくニコヤカに挨拶をされて、この辺は良きバイエルン気質の大らかさが伺われます。

「もう喉がカラカラ・・・隣の教会で歌ってきたの・・・」と賑やかに話しかけてくれます。
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暫くして男性たちもパラパラと入って来られまた。
「Sa yo na- ra !」といきなり日本語で挨拶するオジサンも入ってきました。
この場合は「konbanwa」でしょう・・・「あッそうか~」・・・
「処でシャブシャブ美味しかったなぁ・・・また日本へ行きたいよう・・・」といった具合で店内は俄かに賑やかになりました。

一頻り食事が終わりかけた頃、にわかに民謡風の歌が始まりました。
すぐさま皆が加わりだし、それも綺麗な四声のハーモニーに発展していきました。

ハハ~ンこの人たちは教会の合唱団なのでしょうか。・・・
ドイツはアマチュアでも上手な合唱団が沢山存在しますし、
このテルツは特に少年合唱団がウィーンのそれと同じくらいのレヴェルとして有名です。

「ひょっとしたらこの人たちもかつてはこの合唱団の団員だったかも?」と、勝手な想像をしていました。

間近で素晴らしい歌声を何曲も聴かせてもらい良い気持ちになれました。

夜も10時近く、そろそろ閉店時間のようです。

また、ここでも最後の客となってしまった我々も帰り支度に入りました。
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店を出て目指すBOB(バイエルン高地鉄道)の駅までは暫く歩かなければなりません。
このBOBに乗ればミュンヘンまで1時間ほど直通で行けます。

駅が近づき、下り列車が入ってくるのが見えました。
こりゃ上りもすぐ来るかもしれません。

急いで上りホームへと駆け上がりましたが、ホームはガランとしています。
時刻表で確認したら、何と5分前に出たところでした。

次は1時間後で最終列車の1本前、しかも途中の“Holzkirchen“までしか行きません。
さて、どうしたことか・・・ まぁ取りあえずはHolzkirchenまで行けば別の列車もあるだろうし
何とかなるだろうと覚悟を決めこみ、駅裏にポツンとあるバーガー・キングで時間をつぶすことにしました。

何もしない1時間は相当長く感じましたが、やっと列車に乗り込むことができました。

長い車内には我々だけで貸し切り状態です。

車掌さんがやって来たので“Holzkirchen“からミュンヘンへの乗り継ぎを尋ねた処、
「途中の’Schaftlach’で前から来る列車に乗り換えればミュンヘンまで直通で行くよ!」と心強い返事です。

そう云えば何時もここで“Tegernsee“から来る列車と連結をすることを思い出しました。

人気のないSchaftlachのホームに降り立ち列車の到着を待ちました。
車掌さんも心配そうに出てきて「あと2分で着くからね!」と親切です。

遠くから列車がやって来るのが見えました。
列車のフロントには“München”と行き先が神々しく光っています。

もうまるで救世主の到来のような面持ちで、心強く眺めていました。

尚、今回の写真は彼が撮ったものを借用しています。


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2015-03-31 04:44 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)
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