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「パウル・クレーのこと」

秋晴れに誘われてホーフガルテンを歩きました。
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途中フトこの近くにパウル・クレーが住んでいたアパートがあることを思い出し前を通ってみることにしました。
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クレーが住んでいた通りは”モーツァルト通り”と偉大な芸術家二人が関与しています。
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白壁のアパートはこの偉大な芸術家が住んでいたとは思えないような、ごくごく一般的なアパートです。
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1931年から33年までバウハウスを退官された後、ここでアカデミーの教授をされていました。
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在職期間がたった3年と短いのは残念ですが、これは当事台頭してきたナチスが退廃芸術の弾圧を始めだし、
クレーにもその矛先が向けられ身の危険を感じた一家は故郷のスイスへと逃れました。

このような事がなければデュッセルドルフの美術界も違った歴史を辿ったかも知れません。
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クレーはご存知の通りマルクと行ったチュニジア旅行で、その明るさや独特の装飾形式に大きな衝撃を受け、彼の画風が一変します。

その後は色と形状の研究を積み重ね、ファンタジー溢れる独特の領域を編み出して行きます。
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何を隠そう私自身も浪人をしていた時期にクレーが使う色をサンザン研究した事がありました。

その頃はカラーリングに全く自信がなくて、どうしたら綺麗な配色が出来るだろうかと模索をした末に
「そうだ一度クレーと同じ色を作り、同じような配色したらどうか。」と思いつきました。

彼の絵は紙だけでなくキャンバスはもとより新聞紙や麻布など色んな素材に描いていて
色も当然ながらベタな単色ではなく、微妙なマチエールが重なりあった複雑な混色になっています。

そこからパッと見た基本となる色を選び、なるべく近い色を作りだしました。

それを今度は画面上に大体何パーセント位の割合で配色しているのかを割り出し、
自分が構成したデザインに似かよった割合で色を置いてみましたら、
まぁどうでしょう見違えるほど綺麗な配色で仕上げることに成功しました。

そんな訳でクレーさんは私にとっては密かな先生の一人で特別な思い込みがあります。

それにもう一つクレーさんからヒントを貰ったは今連載しているコラムのタイトルでした。

この依頼を受けて文章の内容をアレコレと練っていましたが、自分が生きて来た中で、
やはり余り普通ではない面白い体験談を載せるのが良いかと決めました。

その殆どの内容は普段、仕事をしながらも自分の好きな別世界で体験した出来事でした。

タイトルを考えているうちにクレーの一枚を思い出しました。

それはケルンの美術館にある”Hauptweg und Nnebenwege ”という絵で、
下から上に延びる一本のメイン通りに脇道が複雑に絡み合った絵です。
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このどちらの道も綺麗な配色がなされ、人生一つのメインを歩むのも良し、
脇の道に逸れるのも良し、要は上手にバランス良いハーモニーで進むのが良いのでは。・・・と云っているようです。

そうだコレだ「脇道」・・・「寄り道」・・・時間は掛かるけど寄り道は楽しいものです。
我が人生なんて殆どが「寄り道」ばっかりの気がするのでこのタイトルに決めました。

さてクレーさんはデュッセルドルフとも関係があったので、
ここの美術館にもチュニジアでの絵を初めそこそこの数が展示されています。
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そのうち機会があったらベルンにあるパウル・クレー・センターも訪れてみたいなぁと目ろんでいます。
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処でKlee(クローバー)って可愛い名前ですね。・・・


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2015-11-09 07:48 | デュッセルドルフ | Trackback | Comments(0)
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