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「マルモッタン美術館からパッシー墓地へ」

この日はドビュッシーのお墓参りをする予定ですが、同じ方向にあるマルモッタン美術館を先に訪れました。
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唯、今は東京でのモネ展のために多くの作品がこの美術館から貸し出されているので、
逆にこちらでは「Villa Flora」と題した特別展が開催されていました。
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内容はこのヴィラ・フローラが収集している印象派の作品を展示しているのですが、
特別展なので結構多くの訪問者で賑わっていました。

特にご婦人たちのグループが3組ほど来られていて、其々に説明員がついています。
まぁ世界中の大抵のご婦人方はお元気で賑やかなこと・・・
まるで小学生の団体のように係員から何度も注意を促されていました。

余りに込み合っていたのでグループを追い越して先ずは階下にあるモネの展示室へ先回りしました。
踊り場からは直ぐに私の好きな霧に霞むロンドンの絵が現れました。
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正面奥には「印象、日の出」が展示され小振りながらインパクトある存在感を漂わせています。
「お帰りなさい!」これは先日まで東京へ行っていたはずです。
ササッと描かれた勢いのあるタッチですが、その雰囲気や状況は充分に伝わってきて、やはり名作だなぁと感心しながら見ていました。
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ここに展示されている彼の作品は殆どが晩年のもので、睡蓮やバラのアーチ
それに「藤」を描いた大作など描いている頃は殆ど目が見えない状態だったはずで、
そのご苦労が手に取るように伝わって来ます。
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モネの作品を充分鑑賞した後は2階にある展示室へと移動しました。

ここにはそれほど多くはありませんがモリゾ(Berthe Morisot)の作品を纏めて見ることができます。
彼女は女性画家がまだ殆どいなかった時代にコローやマネから画法を学び、
特にマネの絵にはモデルとして良く登場し噂さえされたほどでした。
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結局は彼の弟ウージェーヌと結婚をしましたが、マネ家とは密接な間柄だったようです。
廊下にはその家計図や娘ジュリーのスケッチなども表示されていて興味深い内容でした。

私は特に彼女が描くバラが好きで、ササッとマネばりの巧みな筆運びで描かれながらも、
その雰囲気を実に見事に表現しています。
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彼女の作品には娘ジュリーが良く登場しますが、マネと庭で遊んでいる光景では、
ちょっと困惑しながらも何時ものイメージとは違う親しみやすい表情のマネが描かれています。
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さて、マルモッタンを後にしてドビュッシーの眠るパッシー墓地へと向かいました。

向かう先はトロカデロ広場、シャイヨー宮のある所です。

この墓地のことはインターネットで調べて初めて知ったのですが、
なんとこんな街中にあったにも関わらず全く気が付きませんでした。

それもそのはず広場に面した所は石垣が高くそびえ、
広場からはそこが墓地であることを伺い知ることはできません。

大抵ここへ来れば反対側のエッフェル塔ベスト・ビューに気をとられ、
お墓側には目も止めていませんでした。
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石垣にそってダラダラ坂を上って行くと入り口が見付かりました。

この墓地も何人か有名人が葬られているらしく、どこに誰がいるのか案内板が設置されています。

ザッと目を通すと何と、マネもいますし私の大好きなフォーレ(正しくはフォレー)も、
ちょっとマニアックな人では作曲家のイベールも眠っています。

それにしてもこの墓地からもエッフェル塔が良く見えます。
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マネなど胸像が柱の上に鎮座していますが、その目の見ている先にはエッフェル塔が聳えています。
もっとも彼が亡くなった時は未だ存在していませんが、・・・
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さて、ドビュッシーは左奥の二列目で発見しました。
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小振りながら黒い見影石の綺麗なお墓で、
表面がピカピカと磨かれ生のお花も供えられていて人気の高さを伺わせます。
暫く佇んでいましたが自然と「映像」の一節が頭に浮かんできました。
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並木道を挟んでこれも二列目にはフォーレのお墓がファミリーと眠っていました。
昨夜の雨風で倒れたのか小さなバラの鉢をそっと起こしておきました。
ここでも「ペリアス」の一節を浮かべながら暫くシンミリとして佇んでいました。
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空も小雨模様となってきて、この日はシンミリとした気分に浸ったまま過ごしていました。





by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2015-12-23 23:46 | フランス | Trackback | Comments(0)
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