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「ピエール・ブーレーズ(ブゥレー)さん逝去に寄せて」

昨日のニュースでピエール・ブーレーズさんが亡くなったと知りました。
もうご高齢だったので最近は演奏会の予定もなく気にはなっていましたが90歳での逝去でした。
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今回は単に偉大な作曲家で指揮者が亡くなったと云うだけではなく彼が音楽界のみならず
哲学や思想界にも与えて来た影響は大きく、一つの偉大なる時代が終ったと云えるでしょう。

彼の演奏に初めて接したのは以前にも書きましたがもう50年ほど前、
私がまだ高校生の頃、幼馴染K君の家で聴かせてもらったストラヴィンスキーの「春の祭典」でした。
会員制のレコード・クラブ「コンサート・ホール・ソサエティ」の盤で、
何でもフランスのADFとACCディスク大賞を受賞したとかの話題盤でした。

勿論ストラヴィンスキーと云う名前を聞くのも初めてでしたし、ブーレーズなる指揮者も初めて知りました。
その何とも前衛的な今まで聴いた事がない音楽には驚きと共に大きな衝撃を受けたものです。

ジャケットも今ではレトロな感じですが、当時はそのモダンな絵からも何だか新しい息吹みたいな物を感じました。
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彼は作曲家としてはストラヴィンスキーへの批判から始まりましたが、
指揮者としてはストラヴィンスキー解釈の第一人者として長らく活躍されました。

その後、ジョージ・セルの後を受けクリーヴランド管弦楽団の顧問になられた時期にも
数々のストラヴィンスキーを取り上げ、今でも名盤の誉れ高き録音が残されています。
この頃はジャケットもサイケデリックなデザインが多く「春祭」などジャヶ買いしてしまいそうなほどの格好良さでした。
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晩年にも同じ楽団とストラヴィンスキーを録音されましたが、少しクールさやシャープさが押さえられ、
温かみすら感じるような演奏になって行きました。
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それでも彼の特徴は何と言っても感情に流されずクールで頭脳明晰さを感じさせる演奏で、
透明感や音響のバランスなど完璧といっても良いもので、
普段は埋もれて聴こえて来ない楽器の音までクッキリと浮かび上がってきます。

指揮の仕方も独特で感情に任せて振るような事は一切なく、
まるで精密機械のように緻密な振り方であくまでも冷静な表現でした。

演奏会も何度か聴く機会がありましたが、シカゴ交響楽団と演奏したバルトークの「オーケストラのための協奏曲」や
それにウィーン・フィルと演奏したマーラーの「交響曲5番」など印象的でした。
中でもこのマーラーの前に演奏したハイドンの交響曲が気品に満ちた格調高い演奏で印象に残っています。

レコーディングの中ではベルリン・フィルやクリーヴランドと録音したラヴェルを特に好んで聴いています。

「マ・メール・ロア」に「クープランの墓」それにツィマーマンと数年後にエマールと共演した2種類のピアノ協奏曲など、
精密な演奏で絶妙に浮き上がってくるディティールには「エッそこまでやるか!!」と半ば興奮気味に聴いています。
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そうそう、昨年にバーデン・バーデンにあるブラームスの家に行った折、
ここを彼が訪れた時の写真が飾られていましたが、なんと彼はこの街に住んでおられたのですね。
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なるほどドイツ語もお上手・・・なんて領域のものではなくて、
一度インタヴューを聞いたことがあったのですが、それはネイティヴなドイツ語なのは勿論、
インテリの人が話すような上品な語り口で、「いやぁやっぱり頭の良い人なのだなぁ!」と感心したことがありました。

それにしても偉大な音楽家が亡くなられたものです。
心からご冥福をお祈り致します。・・・



by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2016-01-09 02:25 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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