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「引き続きドロミテにて」

このドロミテ・スキーのハイライトは何といっても”Sellaronda”と云って、ズボッと隆起し巨大UFOのような形をしたセラ山脈を一日かけて一周することでしょう。
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左右両方のコースをその日の気分で選んでスタートするのですが、全長約45kmのコースを登ったり下ったりとちょっと気合が入る一日となります。

案内には右回りの方がアクティヴだと書かれていますが、まぁどちらも似たり寄ったりの難易度です。

昔は左回りだとCorvaraから標高2300mもあるDantercepiesの尾根までオ股に挟んで自力で登っていくリフトを3本も乗り継ぎ、
距離も長かったので苦労をしましたが、今ではゴンドラが新設され快適になりました。

まぁちょっと苦労を要する行程ですが、其々特徴の異なる絶景が各所に散らばっていて、その景色を眺めるだけでも回る価値は充分あります。

そんなコースも毎年チョコチョコ変更されていたり、新しいリフトやコースが増えていたりと油断はできません。

そんな中、3年ほど前に回った折、途中のPasso Campolongoで新しいリフトを発見しました。
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この辺は私が宿泊していた地域から一番遠い所で、まず越えることが出来ない山脈が迫っていて、この向こうはコルチナ・ダンペンツォへとつながっています。
コルチナから登ることができるトファーナ山も雪の冠をつけて迫っています。
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初物の好きの私にとって行かない手はありません。
迷わずリストに乗り込みワクワクしながら3本乗り継ぐと、見知らぬ山脈が迫り景色は一層迫力を増してきました。
頂上に着くと周りは氷河で白一色の不思議な光景が広がっていて感動物でした。

それ以来、私はここを不思議空間と勝手に名付けました。
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ここから引き続き帰り道を回るべくCorvaraを目指して滑り出しましたが途中でこれは間違ったコースを取っていることに気付き、
無理やり脇道を横切って何とかCorvaraへと辿りつきました。

ただ、「こんな不思議な風景を又見たい!」と思うのは人情で、今回は特にこのへき地を目指して出発しました。

山はPralongiaというらしく今回はちゃんと名前を確かめる余裕がありました。

山小屋の近くにはヘリコプターが待機しています。
よく確かめてみるとハハッ~これはArmentarolaまで運んでくれるヘリでした。
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噂には聞いたことがあるのですが、ここにはリフトが付いていないのでコルチナ側からはヘリか馬ソリに引かれて登ってくるそうです。
唯、コースの全長が11kmと世界最長で、訪れる人も少なく素晴らしいコースだと聞いていました。

まぁこのコースだとコルチナにしか下れないので帰ってくることが出来ません。

まぁ諦めてダラダラと下りだしました。
ところが余程この間違いのコースに惹かれているのか又同じコースを辿っていました。
ここで又初物の好きの悪い癖が出て、こうなったらトコトン行って見ることにしました。
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地図で確かめると延々とブルーのコースが続きこの地域の一番端まで降りて行けます。
後で気が付いたのですが、このArmetaraola終着点の直ぐ横まで行っていました。
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まあ、もう帰りを急いでいたし今回は行かず宿題を残しましたが、このブルー・コースはとても滑りやすく、
長々と続く林間を気持ちよく滑る事ができました。

これは又再挑戦する価値が充分あります。

1週間の滞在はアット云う間に過ぎ後ろ髪を引かれながらバスに乗り込みました。

来た時の同じPonte Gardenaでローカル線に乗り継ぎBrixenからミュンヘン行きのICに乗り換えです。
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待ち時間が少しあったので何時ものように駅構内のCaféで一休みするのですが、このCaféには5・6年前から若い中国人夫妻が切り盛りしています。

まぁドイツでも中国人やトルコ人が経営するキオスクなども多いのですが、彼らのバイタリティには何時も感心してみています。

ここでも人懐こく対応してくれる彼らに心のなかで「頑張ってね~」と応援しています。

ホームへ出て列車を待っていましたが、フト待合所の裏に張られたポスターを見ると、
それは、この近くでマーラー縁の町Toblach (伊Dobbiaco)での音楽祭のポスターでした。
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なんとそこにはMaurizio Pollini に Ute Lemper の名前も載っています。

あんな田舎なのに錚々たる演奏家が出演しているようです。

まぁマーラーはピアノ曲を書いていないのでポリーニが何を演奏したのか分かりませんが、又一つ気になる催しを発見してしまいました。



by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2016-01-30 03:42 | イタリア | Trackback | Comments(0)
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