デュダメルの「トゥーランドット」、ウィーン国立歌劇場の公演から

朝からマーラーの2番という物凄いゴツイ曲を聴いてグッタリと疲れましたが、
今夜はダブル・ヘッダーでオペラを観なければなりません。
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それはプレミア公演の「トゥーランドット」でデュダメルが初めて国立歌劇場に登場します。
ベルリンでは「ボエーム」を振ったそうですが、未だ未だオペラ経験のない若い指揮者にも関わらず、
ベネズエラ出身という環境のバックグランドを擁護すべく皆で協力をして大事に育てようとしているようです。
それに何よりも彼には稀にみる凄い音楽的才能が備わっているので、とても期待されているようです。
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さて、ササッとお昼をとって夜の公演に備えシエスタを目論んでいました。

一番近いリング沿いのホテルに入っている日本レストランに飛び込み、
熟睡できるようにと迷わずGösser(オーストリアで一番好きなビール)を注文しました。
このレストランは最上階にあってテラス席など心地よいですが、お味は昔と比べて段々と落ちているようで残念です。

さて、宿屋で一息いれちょっとだけ「復活」をしたので、イソイソとオペラへ向かいました。

席に着くと昼間の演奏会にも来られていた日本からの方々も見受けられます。

座席も皆さんロイヤル・ボックスの1列目やパルテレ(地上階)の真ん中付近の一番良い席に散らばっておられます。

私はそれらの席が見渡せるギャラリー(最上階)のしかも一番サイド席です。

ここはオーケストラ・ボックスの真上なので直に上がってくる音はダイナミックで素晴らしいのですが、
ステージは3分の1ほどしか見えません。

ステージのカーテンはこの公演にあわせブルー地に赤い龍が描かれています。

そんな中デュダメルが元気に登場しました。(まぁ若いから元気なのは当然か・・・)

バ~ン、バ~ン、バンと勢い良く振り下ろされ、この奇妙な中国の物語が始まりました。
カーテンは出だし同時にサッと開けられ斜めに歪んだ室内が登場しました。

部屋の奥にはピアノが置いてあってその前で、作曲家なのか詩人なのか何やら忙しく書き込みをしています。
(多分これはカラフなのでしょうか)
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役人が登場し「トゥーランドット姫の謎解き」の宣言をする辺りでは、
忙しく装置が左右に動きステージ手前3分の1ほどが舞台の設定で奥には観客席が現れました。

どうもこれから起こる物語は劇中劇風に扱われているようです。

メインの登場人物はこの仮設舞台上で群集は観客席から絡み合うといった手法です。
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衣裳なども現代風ですが、それほど嫌味のない演出です。

装置は5・6層に分かれた部分が何度も左右にスライドしカーテンや窓などもそれに連動していて中々凝った作りです。
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さて、勢い良く振り始めたデュダメルはその後もスピードを緩めることなく颯爽としたテンポが保たれ、
若々しく新鮮な感覚で進んでいきます。

といっても決して荒っぽい所がなく、むしろ丁寧で柔らかい表現は心地よい響きの連続です。

歌手にもちゃんと指示を出しているし、振り様も柔らかく丁寧に振っています。

上から見たロン毛頭での振っている様は、何だか昔のムーティを思い出すようでした。

それに彼の特徴はアリアにせよ各々の楽曲がフィナーレに掛かる折にみせる自然なクレッシェンドが
素晴らしく音量だけでなくテンポも微妙に上げていきます。

この効果は絶大で其々のシーンで盛り上がりをみせ、
音楽がグイグイと軽快に進んで行き、生きいきとした躍動感に溢れています。

オーケストラ・ピットを覗き込むと、指揮者用の大きな譜面台には楽譜が乗っておらず、彼は暗譜で振っています。
そこそこ長いオペラなのに暗譜とは恐れ入りました。

随分勉強をしたのでしょう、完全に自分のものにしているので自信に溢れた音楽が
若々しくグイグイ進む颯爽たる運びには心地よさを感じます。

時折コーラスが複雑に絡んでくるシーンでは若干のズレも感じられましたが、
もうそんな細かいことはどうでも良いと思うほど音楽の流麗な流れが優勢でした。

オペラはプッチーニが未完のまま亡くなってしまい作曲家の手による最後のリューが自殺するシーンまでで終る公演もありますが、
今回は多分アルファーノ補作による完全版で結局トゥーランドットとカラフが結ばれて幕となりました。

唯、補作部分から音楽は明らかにつまらなくなりますが、
幕切れ近くになってプッチーニ作曲の部分を再び使ったのが功を奏し、幕切れは引き締まった音楽で終ります。
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一回の休憩を挟んだ「トゥーランドット」は音楽の進みの良さもあって、アットいう間に終了してしまいました。

いや~、デュダメルさん・・・どう育っていくのか・・・これかも楽しみです。
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(終演後はトゥーランドットを観たこともあり、私の好きな中華レストランへ急行・・・
シエスタをとった効果は絶大でこんなヘビーな一日にも関わらず、Gösser,Gösser、と絶好調でした。)


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2016-05-25 18:09 | ウィーン | Trackback | Comments(0)
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