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Linn城とブラームス

先日あるブログを読んでいたら、デュッセルドルフ近郊Krefeld(クレーフェルト)の
Linn城という砦と館からなるお城にブラームスが訪れたことが記されていました。
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この町へはかつて仕事の関係でよく訪れていましたが、町を探索したことなどなくて、まさかお城があるなんて全く知りませんでした。

まぁドイツは歴史的に小さな国の寄り集まりなので、思いがけない所で小さなお城に出くわす事が多いです。

このクレーフェルトはルール工業地帯の一角に位置し、かつては絹織物で栄えた町だそうです。
このブログを書くために、クレーフェルトについてちょっと調べてみましたが、何とこの町の出身者には、
あの世界的ブランドの創始者で馬具職人だったディエリ・エルメス(フランス人とばかり思っていた。)を初め、
現代美術家のヨーゼフ・ボイスや、荒川静香さんの代名詞的な演技の創始者イナ・バウアーさんと錚々たる顔ぶれが並んでいました。

さて、路面電車に乗り込みこの隣町を目指しました。
Linn城へはクレーフェルト中央駅で別の路面電車に乗り換えると15・6分で到着しました。

ここはごくごく小さな城下町でそれ以外は公園や畑が連なっている長閑なところでした。
町の入り口には地図の看板が立っていますが、町は完全に城壁で囲まれていて典型的な城下町の形態をしているようです。
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さて、城門を潜り城内へと入りましたが想像以上に立派な敷地に砦と、
後から建てられたであろう黄色い館との構成になっていました。

早々にチケット売り場へ歩を進めましたが、パラパラと訪問者が集まっています。
入場料を取っている所は整備も良く、それなりに見るべきものもあるので、これはちょっと期待が持てます。
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最初は館の方から入ることにしました。

一階にはキッチンや食堂に大広間がありましたが、どの部屋も調度品が素晴らしく品良く配置されていました。
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木の階段を上がると応接間や寝室、この階にも大広間がありました。
最初の応接間では真っ先にブラームスの肖像写真が目に飛び込んできました。
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その写真を中央にこの当時の夫妻の肖像画が挟むように飾られていました。
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ブラームスは1880年の1月にここを訪れているのですが、
この当時は交響曲の3番辺りを作曲している頃(47歳)で彼の絶頂期だったのですね。
多分、この頃はウィーンに住んでいたはずで、遠い所をワザワザ訪ねてきたのでしょう。
尤も、若い頃デュッセルドルフに住んでいたシューマンを訪ね、
暫く住んでいた経験があったので、このクレーフェルトにも親しみを感じていたのかも知れません。

この当時の領主Linnさんは音楽家だったそうで、
シュトットガルトの音大で教授をしていた程ですから本格的な音楽家だったのでしょう。
そのせいか部屋という部屋にはありとあらゆる種類のピアノや楽器が展示されていました。
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ブラームスは3年後の1883年にこの滞在の返礼として「6つの合唱とオーケストラ曲」を献呈しています。
その楽譜は写真の隣に展示されていました。
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さて、タップリと展示を見学し、砦へと向かいました。

ここは小ぶりながらレンガ作りの重厚な佇まいです。
木製の橋を渡り場内へ入りました。
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係官の説明通り先ずは塔へ登ってみました。
狭くて勾配のキツイ螺旋階段を登りきると、心地よい風に吹かれ見晴らしの良い景色が広がりました。
遠くデュッセルドルフの街並みも望めます。
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暫く風を堪能した後、階下の展示室へと向かいました。
最初の大広間はさすが砦だけに殺風景です。
この砦が出来た歴史をイラストで説明していましたが、
1150年に基礎が作られ段々と増築され1500年には今日の様な砦を形成したようです。
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別の部屋では当時絹織物で栄えていたころの織機などが展示されていて興味深いものでした。
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砦を後にし正面の城門から町へと出ましたが、この瞬間の景色は中々味わいの深い古い建物が並んでいます。
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暫く、城下町を散策しましたが、ちょっとした観光地を目指しているのでしょうか、
どの家も申し合わせたように玄関先は綺麗に花々で飾られていて、その努力を伺わせます。
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とても小さな町であっという間に一周してしまいますが、ちょっとタイム・スリップをしたような錯覚に陥れ、楽しむことができました。
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by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2016-08-11 00:46 | デュッセルドルフ | Trackback | Comments(0)
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