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アルベルト・ゼッダさんとクルト・モルさんの思い出

昨日と今日にかけてデュッセルドルフの歌劇場に縁のある音楽家が二人も相次いで亡くなりました。

一人は指揮者のアルベルト・ゼッダさんともう一人は歌手のクルト・モルさんでした。
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私がデュッセルドルフへ移り住んだは1985年だったのですが、
この頃のデュッセルドルフ歌劇場には未だ何人かの大物指揮者が出演していました。
(昔はベームやクライバーが指揮したこともあったそうで、その頃が羨ましい・・・)

それに正式な名称が「Duetsche Oper am Rhein (ライン川沿いドイツ・オペラ)」と言って
何だか憧れていたベルリンの「Deutsche Oper」に似ていて嬉しく思ったことでした。

中でもレコードで聴き親しんでいたアルベルト・エレーデがいて「リゴレット」など良く聴きに行ったものでした。

ドイツ物ではハンス・バラットやペーター・シュナイダーなどがいて本格的なドイツ音楽を聴かせてくれました。

イタリア物は先ほどのエレーデと昨日亡くなられたゼッダさんでした。

特に彼はロッシーニ研究で有名な方で彼の研究成果を反映したゼッダ版があるほどです。
(どこがどう違うのか私には分かりませんが・・・)

ロッシーニの生誕地ペーザロではアバドと協力して「ロッシーニ・フェスティバル」を主宰し、
一時期ちょっと人気が落ちかけていたロッシーニの再評価に尽力され、
「ロッシーニ・ルネッサンス」と言われるほどに人気が復活しました。

ロッシーニの死後、完全に忘れられていた「ランスへの旅」や「湖上の美人」などの再演にも大きく貢献されていました。

私は観た公演は「チェネレントラ(シンデレラ)」でその小気味の良いリズム感や軽やかな節回しなど、
如何にも本物のロッシーニを聴かせてもらった感じで大いに感心したことを思い出します。

それにこの演出が素晴らしい。

それは何とかの天才演出家ジャン・ピエール・ポネル、装置も自らデザインしたもので
切絵風の軽やかな装置は、ロッシーニの軽妙な音楽にピッタリとマッチしています。
演出はもう当然納得の一言で、コミカルな動きと軽やかな振り付けに気品まで漂って何度観ても飽きない演出です。

これはミュンヘンのシュターツ・オーパーやチューリッヒのものと同じものです。

そんな中1986年に芸術監督が変わりハンブルクから実力者クルト・ホレスがやってきました。
さすがこの人は人派が広く、新監督就任記念として、その頃活躍していた一線級の歌手を集め特別公演を開催しました。

5演目を15回ほどの公演を、それはあっと驚くような陣容でコトルバシュを初めポップにグルベローヴァ、
それにバルツァといった女声歌手にアライサ、コロ、カップチッリ、ベリー、モルといった男声歌手陣でした。

ゼッダさんが指揮をした「チェネレントラ」もその一つで王子にアライサ、隠者にベリー
それにチェネレントラにはバルツァと云った歌手陣で、これはウィーンあたりの大劇場でも揃わないほどのキャスティングです。

その上、劇場が大きくないので、まぁなんと良く声が通ること・・・これは大劇場では味わえない贅沢な公演でした。

バルツァなど堂々としていて義理のお姉ちゃん二人に虐められるのですが、
何とも動じない雰囲気でむしろお姉ちゃん二人がオロオロしていて思わず微笑んでしまいました。

ここでもゼッダさんの指揮は手馴れたもので、素晴らしいロッシーニを聴かせてもらいました。

さて、もう一人のモルさんもこの公演に参加されていて、シュトラウスの「バラの騎士」にオックス男爵の役で出演されていました。
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この頃のかれは大劇場でしか歌っていませんでしたが、昔この歌劇場に出演していた縁で出てくれたのでしょう。

これも予算があった昔の演出で、オットー・シェンクによるオーソドックスな王道演出です。
モルさんの歌唱、演技も堂々たるもので、理想的なオックス役を演じておられました。
特に2幕目での聴き所、バス歌手が出せる一番低い声を長く伸ばす所も見事に豊かな響きで聴かせてくれました。

デュッセルドルフの歌劇場もかつての財産的価値がある演目や演出を復活させてもらいたいものです。

また、二人の大物音楽家が亡くなり寂しくなりましたが、
ゼッダさんとモルさんのご冥福をお祈り致します。






by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2017-03-09 02:56 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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