ダニエル・ハーディングとウィーン・フィルの演奏会から(ケルン)

昨夜はハーディング指揮でウィーン・フィルの演奏会があったのでケルンへ向かいましたが、
開演が19時と何時もより1時間も早いのでバタバタと出掛けました。
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演目はドビュッシーの「ペリアスとメリザンド」から組曲と
メインはマーラーの交響曲6番でした。

ウィーン・フィルの演奏会は何時も混んでいるのですが、特に年配の方々が目立ちます。

席に着くとステージにはこれ以上入らないほどの椅子が並べられていて、
如何に編成が大きな曲かが伺われます。

最初のドビュッシーから既にそこそこの奏者が入っていて、
「この曲でこれだけの人数がいるのかなぁ?」と思っている中、静かに始められました。
オペラも「印象派」と言われ具体的な状況表現を避け、
ちょっと抽象的に描いているのでいまひとつ掴み所がないのですが、これは組曲になっても同じことです。

余り盛り上がらない同じような旋律が繰り返され大編成の金管群が吹き出しても、
全く大きな響きは出さず、グッと押さえられています。

チューバも入っていますが、ほんのちょっとブファとサビを利かす程度で
鳴ったか鳴らないか分からないほどです。

それでもヴァイオリン群が甘いメロディを奏でている時など、
さすがウィーン・フィルだけあって、ウットリとするような柔らかな響きです。

「こんな所はあの自然光が差し込んでくるムジーク・フェラインの昼間に聴いたら気持ちいいだろうな!」と
想像をしていました。

まぁ結局は山場らしき所もなく、静かに終ったか終っていないのか分からないまま終了していました。

さて、休憩後はお目当てのマーラーです。

管弦楽だけの曲では一番大きな編成なので、これでもかとばかりの奏者が登場しました。
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ザン・ザン・ザン、ザザザン・・・と勢い良く弦群と打楽器によってバリッと刻まれました。
これを受けてヴァイオリンが甘いメロディを面々と奏でます。

イヤァ~さすがウィーン・フィルです。冒頭からこんな柔らかい響きを聴かされるとウットリしているだけです。

ハーディングも溌剌とした棒運びですが、慌てるような所がなく堂々としたテンポです。

曲は複雑に絡み合い万華鏡のようにキラキラと突き進んで行きます。

打楽器などは忙しく、二種類ほどの打楽器を掛け持ちし、
一番右端でドラ担当の奏者などは忙しくステージバックで鳴らすカウベルや
鐘のシーンの度に行ったり来たりしています。

曲はより複雑な絡み合いをみせ最強音の一撃で長い一楽章を閉じました。

打って変わって2楽章は穏やかにヴァイオリンの甘い旋律で静かに面々と奏でられ始めました。

この面々とした進行はこの楽章の最後までくり広げられ壮大な中にもマーラーの充実した精神状態が伺われます。

徐々に盛り上がって行った曲はグッと静かな響きへと移りこの楽章を終えました。

打楽器を伴って弦楽器群がガリガリと行進曲風に刻み、3楽章が始められました。

途中絡んでくる金管楽器などはちょっとグロテスクな表現でサビを利かせています。
チューバのソロが入るところなど空ろな感じで何処へ行くのだろうかと思いきや、
急に甘いメロディで木管が答えたりと支離滅裂です。

それでもホルンが甘く吹く辺りなどはアルプスの光景を連想させ、
「ああやっぱりこの人は山が好きだったんだなぁ~」と思わせます。

ハープにチェレスタを伴いボァ~ンと不思議な雰囲気の響きで4楽章は間髪を入れずに始まりました。

曲はあっちへ行ったりこっちへ行ったりと定まらないまま、ホルンのメロディを頭に
段々とメインテーマが序々に現れ出し打楽器も加わり盛り上がりを見せるのかと思ったら、
拍子を抜かれたように又、グッと落ち着き・・・と

やっとスピードも増してきてここでも万華鏡よろしく色んなメロディが絡み合います。

曲も後半に入りいよいよ、お待ちかねのハンマーをひっぱたくシーンが訪れます。

さっきまでシンバルを叩いていた奏者が厳かに持ち上げたハンマーは特注なのでしょうね、
一般的な木槌の4・5倍位あろうかと思われるほど大きなものです。

そして一旦溜めを作ってからダン!とタイミングよく叩き降ろしました。

曲はまた空ろになり紆余曲折を繰り返しながら2回目のハンマー・シーンが訪れました。
ここでもピタッとタイミングがあった一打・・・

奏者も緊張していたのか叩き終ったあとは、崩れるように座り込み表情は安堵からか呆然とした顔をしていました。

その後も未々、雑然とした曲はあっちへこっちへとウネリ、一旦グッと静まり返り、暫くの緊張の後、
ジャ~ン!大爆発、ボン!とピチカートで終了しました。

イヤァ~曲が支離滅裂だけに文章も纏まらないものになってしまいました。

演奏は全体的にボリューム満載でヘビーでした。

特に金管などは深い奥行きと、ウィーン・フィル独特の良い意味で荒々しさもあって余計ヘビーに感じました。

もう終った後はグッタリです。
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この曲は3月にラトルとベルリン・フィルでも聴いていて、どうしても比較をしてしまいます。

ベルリン・フィルでの演奏は精密さの極みで、アンサンブルは完璧だったし、
何一つ濁りのない清涼な響きには威厳を感じるほどでした。

この複雑な曲にも関わらず理路整然とディティールまで磨き上げた演奏は
曲の全体像を透して見てとれるような圧巻の名演奏でした。

まぁこの辺は常任と客演の違いもあるでしょうし、演奏の精度を重視しているベルリン・フィルと、
むしろ豊かな音楽性を大事にしているウィーン・フィルの違いが出たのかも知れません。

それにしても歳のせいか最近はこんなヘビーな曲を聴くとグッタリと疲れてしまいます。


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2017-09-16 01:24 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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