あくる日は何処に行こうかと迷っていたのですが、四条大通りを頻繁に走っているバスを待っていると、
最初に「銀閣寺」行きがやってきました・・・ これで今日の目的地は自動的に決まりです。 銀閣に着き参道にあるお店をチラチラ見て楽しみながら近づいて行きました。 偶々ラッキーだったのか、訪れている人も少なく静かにまわることができました。 池の周りをゆっくりと歩き、渋いながらも趣のある銀閣を眺めていました。 ![]() それにしても2階の窓など鐘の形が施されていたり、あの無骨な室町時代にしては細部まで凝った装飾がなされているようです。 ![]() 枯山水の庭は山の方へと連なっています。 石の階段を登って行くと、玉砂利に描かれた幾何学模様が綺麗に見えます。 ![]() 銀閣越しに京都の町々も遠く望めます。 近くに居た誰かが「あの辺に金閣寺」が見えるんですよ!」といっていたので、 何度も凝視をしたのですが、見つけることができませんでした。 山を下り、もう一周銀閣を眺めて、ここを後にしました。 寒い日でしたが、お天気は良かったので思い切って「哲学の小道」に沿って南禅寺まで歩く事にしました。 小川沿いの小道は綺麗に整備されていますし、周りの家々も雰囲気のある日本家屋で心地よく散歩を楽しんでいました。 それにしても延々と桜並木が続いていて、そのシーズンはさぞかし綺麗なのだろうなと想像していました。 ![]() ![]() 途中、いかにも「日本の風景」と云うような神社が現れました。 近づいて説明板を読んでみると、ここは若王子神社といって、この裏山には新島譲を初めとする同志社に縁の人たちの墓地があるそうです。 ![]() お墓好きの私ですが、山道を墓地まで20分と書いてあったので、ここは先のことを考えると残念するしかありませんでした。 長かった散歩もやっと南禅寺の門が見えてきました。 途中の「奥丹」という湯豆腐発祥の店先をチラ見しながら寺社ないに入って行きました。 ![]() 唯、ここへ来たのは南禅寺が目的ではなく、その奥にある水道橋いわゆる「水路閣」が見たかったからです。 それはレンガ造りの古いアーチ状の水道橋で、昔、京都美術館へ来た帰りによく歩いた懐かしい所だったからです。 それにしてもお寺の敷地内にド~ンと横切っているレンガ造りで洋風の橋はシュールでちょっとした異空間を演出しています。 ![]() ![]() 水道橋を潜り裏のほうから上に登ることができました。 今なお綺麗な水はとうとうと勢いよく流れています。 暫く感傷に浸りながら橋の上に止まっていた青サギを眺めていました。 ![]() 昔は下流に向かって橋の上を歩けたのですが、なんでも一部ひび割れが見付かったそうで、現在は通行止めです。 仕方なく上流の方へと歩きましたが、この方向へ行くのは初めてです。 暫く歩くと貯水場が現れここで行き止まり、この先が通り抜けられるのか不安だったのですが、 地元の人らしきオジサンがガツガツと歩いて行くので、後を付いて行きました。 細いレンガ造りの建物の脇を広場の方へと進みました。 どうもここは発電所のようですが、今も使っているのかしら・・・ ![]() 対岸の丘にもレンガ造りの建物が点在しています。 ![]() 広場を下ると突如として長い斜面が現れました。 それにしても長く、えらい幅の広いレールも敷かれています。 ![]() これはいったい何なのか訝りながらダラダラと下って行きました。 途中にはレール上に船が乗っていますが、「エッなんで船?」と益々訝しくなってきました。 ![]() 斜面を下り切り、橋を渡るとそこには「疏水記念館」が建っていました。 ![]() これは気になるし入場も無料とあるので迷わず入りました。 ![]() 窓口の奥には係りのオジサンが暇そうに一人いるだけで、訪問者も私一人です。 説明をじっくり読んでみると、これは何と明治23年に完成した疏水だそうで、 琵琶湖から延々と水を引いて来たそうです。 この理由の一つは御所を火災から守るための貯水池が必要だったのと、 もう一つは琵琶湖方面からの人や物流を山を越えずに迅速に交流したかったようです。 この発想は秀吉の時代からあったそうで、明治になってようやく念願がかなったようです。 これは京都府の長年の夢を叶える為の肝いり事業だったそうですが、 設計を担当したのは、何と卒業論文でこの計画を発表した「田辺朔朗」と云う人で何と29歳という若さでした。 1年後には日本発のこの水力発電所を完成させ、 この電力のお陰で停滞しかけていた京都の経済に活力を蘇らせ、今日もその恩恵に預かっているそうです。 それにしても偉い方で「ヘェ~、ホ~ッ!」と感嘆しながら見学していました。 奥の部屋にあるジオラマ模型も圧巻で、何本かある疏水の位置や水の流れを上手く表現していました。 当時使われた測量計や水深計なども展示していますが、これらはドイツ製で何だか嬉しくなりました。 大いに感心をしたのでグッタリと疲れたまま、大阪へと向かいました。 さあ、明日は講演会の第2弾が控えているので、「今日は余り飲まないぞ!」と思いつつ ・・・ 「串の坊」へと直行しました。 by Atelier Onuki ~ホームページもご覧ください~ 応援クリックありがとうございます! ![]() 人気ブログランキングへ
by Atelier-Onuki
| 2018-01-31 00:37
| 日本
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