ベルギーの田舎町ヴェルヴィエにて(ドイツ・ニュース・ダイジェスト 4月のコラムから)

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パリへは時々行くことがあり、タリス(Thalys)を利用するのですが、
アーヘンを出てしばらく走ると、丘に沿って古い家並みが続いている町を通ります。

タリスは停車せず通過するだけですが、「ここは絵になるなぁ……」とずっと気になっていました。
気温も上がり出したある春の日のこと、「ようし、あの町へ行ってみよう!」と決心をして出掛けました。
 
アーヘンから普通列車に乗り換えて30分ほど、そこは「ヴェルヴィエ」という駅でした。
ベルギーのリエージュ市とドイツ国境の中間に位置する町です。
古くから水と共に発展した町で、噴水も多くワロン地域の「水の都」と言われてきました。
駅前から古い建物が密集していて趣を感じます。
 
取りあえずはコーヒーを飲みながら一休みをしようと、
カフェに入りましたがここはベルギーのワロン地域、フランス語圏の町。

ドイツに隣接しているにも関わらずドイツ語は一切通じず、ガラッとフランス語の世界になっていました。
コーヒーのミルクもタップリですが、カフェ・オ・レほど多くはなく、
ちょうどドイツとの中間くらいの量だったことには思わず笑ってしまいました。
 
初めての町を知るために私は常套手段として中心部を抜けなるべく遠くまで行くバスを使います。
その日もさっそく見付けて乗り込みました。
町の中心部はほんのわずかで、すぐに田園風景が広がる田舎へと入ります。

取りあえず終点の景色も良かったので、ここで1枚スケッチをしました。

途中にも小さなお城がある村があり、ここでもう1枚描いてから町へと戻りました。
2、3日滞在してスケッチをするつもりだったのでホテルを探したのですが、一軒も見付かりません。
駅でも調べてみましたがやはり無いようです。
結局は諦めて近くの温泉保養地「スパ」へ移動することにしました。

ヴェルヴィエは、近代化の進んだ時代に取り残されたような町でしたが、食事は美味しいし、
その古く趣きのある佇まいは深く印象に残っています。
 
ところで、後ほど知ったことですが、
この町で作曲家のギヨーム・ルクーが生まれていて、
町のどこかに銅像もあるそうです。

彼は運悪く、チフス菌に汚染されたシャーベットを食べてしまい、
24歳という若さでこの世を去りました。
 
この早逝の天才作曲家のヴァイオリン・ソナタなどは素敵な曲で、モノラルながら、
ベルギーの名手アルテュール・グリュミオー盤をよく愛聴しています。


by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2017-04-23 02:41 | コラム | Trackback | Comments(0)
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