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「トゥッツィングのブラームス」 (ドイツ・ニュース・ダイジェスト3月のコラムより)

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ブラームスは大好きな作曲家なので、特に4曲ある交響曲は高校生のころから親しんで聴いていました。

その内3番は比較的短い曲なので、
レコードの余白にはオマケ的な扱いで「ハイドンの主題による変奏曲」がよくカップリングされていました。
ところがすっかり気に入って、途中から入っているにも関わらずこの曲の所を選んでよく聴いたものでした。
(勿論3番も大好きな曲ですよ。)

その後、何十年も経ってミュンヘンに住んでいたときに演奏会で貰ったプログラムを
パラパラ眺めていると、素敵な風景画が目に留まりました。

それはComptonと言う画家が描いた水彩画でしたが、
Tutzing(トゥッツィング)と云うシュタルンベルガー湖畔の町で、何とここでこの曲を作曲していたのです。
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Sバーンで行ける距離ですし行かない手はありません。

少ない情報を頼りにブラームスが滞在したペンションが建つHauptstrasseを目指しました。

湖畔にでると「ブラームス・プロムナード」と書かれた小さなプレートも掛かっていて、
何だかウキウキとした気分になってきます。
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グリーンベルトの中央辺りにある大きな柳の下にはブラームスの碑が建っています。
これは彼の生誕100周年を記念して建てられたそうですが、
碑には「ヨハネス・ブラームス、作曲家、Tutzing、三作品」と書かれているだけでサッパリとしたものでした。
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どういう経緯でここに来たのか分かりませんが、偶々Heyseさんと云う人が最初に連れて来たそうで、
すっかり気に入った彼は再びここを訪れ、5月から8月まで何と4ヶ月もの間滞在したそうです。
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湖に突き出た桟橋にヨッコラショと座り込み、
遠く連なるアルプスを眺めながらおもむろにI-phoneを取り出しました。
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低弦のピッチカートに乗ってオーボエが穏やかな主題を奏でだしました。

そりゃこんな風景に囲まれていたら、穏やかな気分で作曲が進められるでしょうね。

曲は進みホルンが軽快な旋律を高らかに鳴らし私の大好きな箇所に差し掛かりました。
きっとこれは目の前の堂々と連なるアルプスを表現したのかなぁ~

クライマックスに入り待ってましたとばかりにトライアングルを伴って盛り上がりを見せたあと、
名残を惜しむようにフィナーレを閉じました。

イヤァ~この上ない至福の20分間でした。




by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2018-03-19 19:09 | コラム | Trackback | Comments(0)
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