セザンヌを訪ねて 1 (ドイツ・ニュース・ダイジェスト 9月のコラムから)

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印象派の画家にはモネやシスレーを初め好きな画家がたくさんいるのですが、
水彩画家の私にとって最も崇拝している画家はセザンヌです。

他の画家たちは水彩画をあまり描いていないのに対し、
セザンヌは多くの水彩画を描いているので観賞できるチャンスもよくあります。

ササッと描かれたその達者な筆致に、「ウ~ン、上手いなぁ」といつも惚れ惚れしながら眺めています。

絵は概ね軽やかなタッチで、絵によっては一部分しか着色していなくて
殆どのスペースが鉛筆描きだけで残っているものもあります。

唯、これを未完成とはとてもいえず、絶妙なバランスで着色されていて、
そのセンスのよさに「ウ~!」と感嘆しヨダレを垂らすばかりです。

色の選び方も絶妙でササッと大胆にブルーで縁取りを描いたり、
パッとビビッドなグリーンが置かれていたり、影など大胆に濃いプルシャンで覆われています。

線の表現も輪郭線などは何本か続けて描いているのですが、
これが又絶妙なズレ具合で、対象物に動きや立体感を与えています。

そんなに好きだったら似たような描き方をすれば良いのに・・・と言い聞かして、
模写も試みた事もあったのですが、イヤイヤ中々このようには上手く行きません。

ササッと描いて一発で決められるなんて何という神業か・・・

不器用な私にはコチコチと何度も何度も描き直しながら仕上げて行くしかありません。

唯、見た目は器用に描いているようですが、あの神経質で有名なセザンヌですから、
きっとあれこれ迷った後に一気に描いているのではないでしょうか。

実際よくよく観てみると神経質に何度も見直しながら描いている様子を垣間見ることができます。
パリで印象派の人たちが通う“グレールの画塾”には、
年下のモネたちよりも、かなり遅れて入門しています。

元来、気難しくて人付き合いも苦手だった彼は、
温厚で面倒見がよかった年上のピサロ以外とは余り付き合いませんでした。

ピサロが住んで居たポントワーズへ移り住み、ここを始め
オーヴェル・シュル・オワーズなど一緒に写生に出掛け数々の名画を描いています。

しかしここでの生活もプロヴァンス出身の頑固者には中々馴染めず、
とうとう故郷のエクス・アン・プロヴァンスへ引きこもってしまいます。

そんなセザンヌの足取りを辿りにエクスへと向かいました。




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by Atelier-Onuki | 2018-09-25 23:51 | コラム | Trackback | Comments(0)
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