秋のアール・タールを訪ねて

ウィーンにいたベートーヴェンは29歳の時から難聴の兆候に見舞われます。

治療のため医者から温泉が湧くウィーン郊外のハイリゲンシュタットに移り住むよう勧められ、
下見にやってきた彼は、生まれ故郷ボン近郊のアール・タールに似ていたので
すっかり気に入って引っ越してきたそうです。

ここではあの名曲「田園」も作曲されています。

私も大好きな所で何度も足を運び、ベートーヴェンが歩いた道を辿りながら
ハイリゲンシュタットからグリンツィング、そしてカーレンベルクへと続く
丘陵に広がるブドウ畑の光景を楽しんでいました。

ところが、ある日、「そう言えば、その似ていた元々のアール・タールへ行ったことがないなぁ~ 」と、
ひょっと思いつきました。

「こりゃ是非とも自分の目で確かめてみなければ!」と、ある秋晴れのもとイソイソと出掛けました。

ボンの南、レマーゲンでローカル線に乗り換えアール川に沿って谷あいをゴトゴト走りだしました。

暫くして丘陵が続きますが、もうブドウ畑も点在しはじめ、
「ホゥ~こりゃハイリゲンシュタットに似ているわ~!」と、
どちらがオリジナルか分からなくなってきました。

丘陵が小高い山々へと連なり、急斜面に広がるブドウ畑はハイリゲンシュタットよりも
広大で「こりゃこっちの方が立派だなぁ~」なんて感心していました。

列車は最初の目的地 バド・ノウエンアール・アールヴァイラーに到着しました。
バドと付いていますからここも温泉地です。

石作りの長閑な駅舎を後にし、街中へと向かいました。
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途中からアール川沿いに歩きましたが、紅葉も始まった並木道がよく整備されていて
心地よい散歩です。
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直ぐそこには立派なカジノが川沿いに建っています。
その向こうにはシュタインベルガー・ホテルがお城かなと思うほど、これまた立派な姿で建っています。
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このホテルの裏側には、ベートーヴェンも来たことがある「温泉施設」が建っていて往時を偲ばせます。
この裏の道には、さすがベートーヴェン通りと名付けられていました。
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さて、もう2駅電車を乗り継いで旧市街地があるアールヴァイラー・マルクトへ向かいました。

草が生えている、全くホームには見えない駅で下車、まずはブドウ畑が広がる丘を登って行きました。
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中々の急勾配で足取りも重くハァハァと」息をしながらの散歩です。
途中には戦争で破壊されたのでしょうか、橋の残骸が奇妙な形で建っています。
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ブドウ畑の間を抜け、お丘の上へと出ました。
ここから街並みが綺麗に見渡せ、「こりゃ、何処かで見たような風景だなぁ」と思い出していましたが、それはアルザスのリクヴィールにそっくりです。
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帰りはブドウ畑の急斜面をショート・カットで下っていきました。

街は完全に城壁で囲まれていて、かつては城下町だったことが偲ばれます。
城門を潜り街中へと入って行きましたが、古い町並みは可愛い家が建ち並び嬉しくなってきます。
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広場にも大勢の人たちが思い思いに楽しんでいます。
余りに街並みが気に入ったので、アチコチと隈なく歩き回りました。
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そんな折、商店街の一角に古くて感じの良い住宅に出くわしました。
ちょっと奥まった所に綺麗にしている庭もあったので覗いてみましたが、
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その入り口の壁には見覚えのある顔のプレートが付けられていした。
エッこりゃベートーヴェンです。・・・
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このプレートを読んでみると、「この家の中で1781年、若きベートーヴェンが演奏をした。」と書かれていました。

1781年というとベートーヴェンは11歳です。
少年時代からピアノの名手として知られていましたから、ここにも招かれて演奏をしたのでしょうね。・・・

どうりで、若いころからこの辺には親しみを持っていたのでしょう。
ハイリゲンシュタットの謎が一気に解けたような気がしました。
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さあ歩きつかれて喉もカラッカラッです。

未だお昼過ぎでしたが、欲するは「おビール!」
何軒か見て回りましたが、コレッという店が中々見付かりません。

結局はちょっと気になっていたビール醸造所へと戻りました。
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ここアール・タールはワインで有名なのですが、
迷わずビールを注文 ! 

運ばれてきたビール・グラスにはエッチング風にお城を中心にした、この街並みが描かれ、
上には“Echt Ahrweiler Bier”(本物のアールヴァイラー・ビール)と書かれています。
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初めて飲む銘柄なので深呼吸をしてから気合入れて飲みましたが、
「オオッ~何という喉越し・・・」 軽めながらもちゃんとコクもしっかりあり飲みやすい味わいです。
もう、すっかり気に入って飲みきらない内に2杯目を頼んでいました。

それほど期待をしていなかった料理もちゃんと作っていて、美味しく頂きました。

こりゃ、今度は夜に来て、思う存分このビールを味わいたいものです。
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もう少し秋が深まり、紅葉が見ごろにになったら、また訪れたいなぁと名残を惜しみつつ帰路へとつきました。
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by Atelier-Onuki | 2018-10-26 22:07 | ドイツ | Trackback | Comments(0)
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