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「パッパーノとサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団」エッセンでの演奏会から

「パッパーノは面白いよ・・・」と誰かから聞いたことがあったので楽しみにしてでかけました。
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それとサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団も昔オペラのCDで親しんでいて、
その可愛らしい名前には好感を持っていました。

音楽の守護神でもある聖チェチーリアの名前を冠するこのオーケストラは、
イタリアでは数少ない純粋なシンフォニー・オーケストラですが、
150年以上の歴史がある由緒正しきオーケストラです。

同じ名前を持つ世界最古の音楽院サンタ・チェチーリア国立アカデミアの出身者を
中心に構成されています。

唯、紀元2.3世紀、この聖チェチーリアを巡っては悲しい奇跡の物語がありました。

音楽院の近く彼女の実家跡に建てられた教会には、
棺が祭られていてその上にはマデルノ制作による大理石の彫像が横たわっています。
遺体は千数百年後に棺が開けられたにも関わらず、
腐敗がなく生々しかったそうで、マデルノはそれを忠実に再現したそうです。

少女だったせいか若干小振りに感じますが、
手の表情など未だ血が通っているかのように、柔らかく温かみすら感じました。

さて、話しが横道に逸れすぎたので本題に戻します。

演目は
ロッシーニのオペラ「コリントの包囲」から序曲
チャイコフスキーのピアノ協奏曲 (ピアノ: ユジャ・ワン)
レスピーギ: 「ローマの泉」と「ローマの松」

この日は開演に先立って30分前からパッパーノのレクチャーがありました。

オーケストラ団員も7・8名入っています。
話しは主にレスピーギの「ローマの松」をメインに進みました。

先ず、彼が作曲した当時のイタリアはプッチーニを初めとするヴェリズモ・オペラの全盛期で、
イタリア人の心に流れるオペラへの熱い情熱に対抗して、オペラ以外の曲を発表するのは大変な戦いだったと。・・・
彼はザンクト・ペテルスベルクの歌劇場でヴィオラを弾いていた当時に、
リムスキー・コルサコフから作曲を習ったので、管弦楽法に長けた教えを受けました。

この「ローマの松」は光輝くローマの一日を表現していて最初の「ボルゲーゼの松」では,
朝この素敵な庭園でキラキラとした太陽のもと遊ぶ子供たちの情景が描かれていますと。・・

「これはイタリアの音楽ですか?」との司会者の問いに、「カタコンバの松」の一節を演奏し、
「ここなどちょっとドビュッシー風だし、ヨーロッパ音楽とも言えるでしょう。・・・
でもやっぱりイタリアの音楽だなぁ~」と笑いを誘っていました。

「ジャニコロの松」では「ここは私の一番好きな箇所なのですが・・・」と最後の静かに木管が奏でる部分を演奏しました。 
(私もここが好きです。)

さて、コンサートはロッシーニの序曲から軽快に始まりました。
このオペラは決して喜劇ではありませんが、軽妙で転がるようなリズムの乗りは
やはりイタリアのオーケストラならではの演奏です。

ウィーンを初めドイツの主要歌劇場のオーケストラはレヴェルが高く、素晴らしい演奏をしてくれるのですが、
唯一不満があるとすればイタリア物のオペラにおいて、この弾むような乗りに乏しい事でしょうか。・・・

2曲目はチャイコフスキーのピアノ協奏曲で、「イタリアのオケでチャイコ?」と
それにソリストも最近ちょっと写真は見かけたことがあるけど若い中国人女性。
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しかも出てきた彼女は「オッ!」と思うほどの衣裳・・・ラメ入りの黒いワンピースは露出度も高く、
超ミニスカートにピン・ヒール・・・こりゃキャパクラに来たような錯覚に陥ります。
唯、露出されている肩や腕は、よく鍛えられた筋肉が盛り上がっています。

それにしてもヴァイオリン群の女性奏者たちは競うように肩が露出したドレスを着ていて、
こんなのはドイツ辺りのオーケストラでは見たこともなく、何だか微笑ましさすら感じました。

ポポポポ~ン、ポポポポ~ンとホルンが高らかに鳴る、あの有名なテーマは浪々と高らかに響き、
「ああ明るいな~」、・・・「こりゃイタリアの燦々と輝く太陽の下で鳴り響くチャイコフスキー」 ・・・
この浪々と響くオーケストラをバックにピアノが対抗しますが、「響きが滑らか・・・」
全く力んだりしないで、むしろ柔らかく流れるような節回しです。

それでいて、芯はしっかりとしたタッチでピアノの音が浮かび上がっています。

「おう、こりゃちょっと良いぞ・・・」と姿勢を正し直して聴き入っていきました。

一楽章の後半、カデンツァの部分では更に流麗な指運びで、ちょっと崩したように弾くあたりは、
何だかジャズの即興を聴いているような趣で益々引き込まれました。

ピチカートで静かに始まる2楽章は木管が奏でる甘いメロディにピアノも静かに絡んできます。
そのロマンティックで甘い雰囲気のなか、今度はピアノが伴奏にまわりチェロが切ないメロディを奏でるあたりでは、胸に熱いものすら感じました。

ティンパニーに一打に弦がガリガリと刻み、一気に3楽章へと突入しました。
スピードはドンドン上がり一気呵成に曲は進んでいきます。

もうオーケストラはノリノリの演奏、ピアノも負けじと気持ちが良いほどのスピード感で進みますが、決して荒くなる事はありません。

最後のコーダはどの様に弾くのか楽しみに待っていました。
猛スピードはそのままに、最後の早いパッセージをものの見事に弾ききりました。

弾き終わった瞬間、オーケストラ部分は残っているにも関わらず安堵感からか彼女は鍵盤に指を置いたまま「ニッコリと笑いました。」・・・

いや~・・・失礼しました。・・・それほど期待をしてなくて済みませんでした。

こんなチャイコも充分ありというよりも、とてもとても素晴らしい演奏でした。
彼らがあえて取り上げただけの内容のある、気持ちの良い独特のチャイコフスキーでした。

まぁチャイコフスキーもローマ賞を得てイタリアにも行っていますし、
その後に作曲した「イタリア奇想曲」なんて明るい曲ですから。・・・

喝采は鳴り止まぬなか、コンマスに促されてアンコール曲を弾きました。
先ほどの乗りのまま「カルメン幻想曲」(これってホロヴィッツ編曲だったか)
演奏が終るとこの技巧的な演奏に更に大きな喝采が止みません。・・・

また、またコンマスに促され、ピアノの前に座りました。
こんどはモーツァルトの「トルコ行進曲」ですが、途中から編曲された部分に突入し、
益々彼女の技巧の凄さを示しました。
聴衆はほぼ全員スタンディング・オベーで、もう割れんばかりの喝采でした。

まぁ一般的な聴衆やプロモーターは喜んでいると思いますが、彼女は技巧だけでなく、
ちゃんとした音楽性の持ち主だと思いますので、アンコール以外ではこのような曲には取り組んで欲しくないなぁと、オジサンは心配になりました。
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さて、メインは「ローマの泉」、と「ローマの松」です。
これはレスピーギがここの音楽院の先生をしていた位ですから彼らにとっては得意中の得意曲です。

もう多くをここで語らなくても、その素晴らしさは知れている処だと思いますが、
特に「ローマの松」は素晴らしく、あの幹がス~と延びた上の方だけが茂った柔らかい独特の形をしたローマの松を思い浮かべながら聴いていました。

キラキラと太陽が煌く庭園で遊ぶ子供たちの「ボルゲーゼの松」、

厳かな「カタコンバの松」、ここでは客席の外から聴こえてくるトランペットのソロが、
音のパースペクティヴをしっとりとした雰囲気を醸しだしていました。

そして「ジャニコロの松」では何といっても最後の方で、静かに奏でる木管に絡むよう入るナイチンゲールの鳴き声が、
シンミリとしながらもロマンティックな夕方の雰囲気を演出していました。

泣き声を遮るように遠くから打楽器と金管によって行進曲風のリズムがかぶって「アッピア街道の松」が始まりました。

アッピア街道を行く、いにしえのローマ軍の行進に思いをはせていますが、段々と近づいてきた行進は、いよいよ目の前にと差し掛かります。

ステージ中央の上階にはブッキーナといわれる古代ローマ軍が用いていたといわれる金管が二人、両サイドにもトランペットが二人づつ陣取って立体感を出しています。
オーケストラは最高潮に達し全奏のジャ~ン!!で閉じられました。

盛り上がる曲だけに、もう聴衆の興奮は最高潮で割れんばかりの喝采でした。

ここでもアンコール・・・「ちょっと雰囲気の違う曲を」と一声かけ、始まったのはシベリウスの「悲しきワルツ」でした。 
厳寒の国からの音楽ですが、この明るい太陽の国のオーケストラは明るいなりのも丁寧で爽やかな表現・・・シベリウスもイタリアにやって来たのでしょうか。・・・

拍手喝采にコントラバスのオジサンが更に煽るがごとく、ボンボンとコントラバスを叩いて響かせています。 さすが明るい国のオーケストラ・・・こんな光景は初めてです。

パッパーノがステージ脇から歩いて出てきた途中から、パラパン・パラパン・パラパパパと「ウィリアム・テル」の序曲の最後スイス軍の行進が鳴り始めました。

オーケストラも指揮者もノリノリで自由に楽しんでいるようでもあります。
余りにもポピュラーな曲ですが、意外と演奏会で聴く機会がありませんので、こちらも理屈抜きで楽しく聴かせてもらいました。

この日は選曲も良いし、盛りだくさんの演目で大いに楽しませてもらいました。

彼らの演奏会があったら、また聴きたいなぁ~と思わされました。
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by Atelier-Onuki | 2017-05-18 22:33 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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