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ゴッホ - 7 (ゴーギャン来る) [ ドイツ・ニュース・ダイジェスト12月のコラムから ]

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アルルで新しい絵画運動のユートピアを夢みていたゴッホの元へ、とうとうゴーギャンがやって来ます。

当初、渋っていたゴーギャンですが、テオからの経済的援助をするという申し出は、
困窮していた彼の気持ちを動かします。

知らせを聞いたゴッホは喜び、急いで彼が来るまで準備を始めます。

それまではカフェの1室で寝泊りしていましたが、「黄色い家」をアトリエ兼住居として借り、
ゴーギャンのための家具なども揃えています。
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部屋を飾る為に、あの有名な「ひまわり」の連作も描いていますが、ゴーギャンが来るまでに4枚も描いています。

処でこの「ひまわり」は生涯7枚描いていますが、そこに描かれたひまわりの半数以上が枯れています。

これは単に形として面白く感じていたのか、それともそこにハカナサを感じ表現していたのでしょうか。
そこに「侘び寂」の世界を感じ取っていたかも知れませんね。
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そう言えばオランダの伝統的な花や果物の静物画でも、
蝶に虫、中にはトカゲなどが一緒に描かれている作品がたくさんあります。

これは生ある物はやがて朽ちる儚さを表現したものでキリスト教的な教えの影響もあるかも知れません。
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さて、ゴーギャンが到着すると2人は連れ立って精力的に出かけています。
アルル郊外にある「アリスカン」にも足繁く通っています。

ここはローマ時代のお墓で石棺がゴロゴロと無造作に置かれた不思議な空間で、彼らも好んで何枚も描いています。
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ゴッホは感情をそのままにキャンバスにぶつけていますが、ゴーギャンは緻密に計算された構成で描いています。

お墓に沿って流れる小川での一枚には3人の女性が佇んでいますが、
白いショールを肩から掛けていることから、アルル地方の民族衣装と推測されます。
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ゴーギャンは実際のモチーフを描きながらも想像を働かせて、画面構成をしています。

ゴッホにもその方法を勧め、1枚描いていますがどうも上手く行かなかったようです。

そんな正反対の性格をもった2人の共同生活は長く続くはずもありませんでした。
そしていよいよ12月、その事件は起こってしまいます。



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by Atelier-Onuki | 2019-12-24 18:57 | コラム | Trackback | Comments(0)
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