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ゴッホ - 9 (サン・レミー・ド・プロヴァンスの修道院)

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アルルから北東へ20kmほど、サン・レミー・ド・プロヴァンスにある
サン・ポール・ド・モーゾール修道院へゴッホはどのような気持ちでやって来たのでしょうか。
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街から南へ1kmほど離れたこの修道院の周りは麦畑やオリーヴ畑が広がり
近くには紀元前に作られた「グラヌム」という遺跡が残っています。
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遺跡の背景にはアルピーユ山脈が広がっていきますが、
鷲が羽根を下ろしているような特徴的な形をした山はゴッホも気に入ったようで何枚か描いています。
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この修道院はほぼ彼が入院をしていた当時のまま残っています。

彼が居た部屋ではありませんが同じ形状の1室が公開されていて、当時の様子を伺い知る事ができます。
狭くて暗い部屋に窓には頑丈な鉄格子が取り付けられ、ここが精神病院であった事を再認識させられます。
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それでも鉄格子越しに見える裏庭は右側に行くに連れなだらかな傾斜をしていて、
そうそうゴッホが描いた絵もちゃんと斜めになっていたなと思い出せます。
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ここに入院中も驚くほどたくさんの絵を描いています。

窓越しの絵はもとより庭の花壇や木々を何枚も描いています。
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ここで描かれた絵のコピーが裏庭の壁に沿ってズラッと展示されています。
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あの弟テオに長男が生れたお祝いにと描いた「花咲くアーモンドの木の枝」も・・・
その傍にはちゃんとアーモンドの木が実をつけていました。
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精神的にも体力的にもどん底にありながら、絵を描いている間だけは
自尊心を保つことができる貴重な時間だったようです。

回復するに従い、病院を出て近くを描くことも許されるようになりました。

オリーヴ畑や彼にしては珍しく遺跡も描いています。

それに尊敬をしていたミレーの模写も連作で描き初心に戻って描いていますし、
レンブラントの模写や宗教画の世界も多く描いています。

絵はこのころから益々うねり出し木々や空、道に建物までウネウネとした曲線だけで
描かれています。

その内の名作「星月夜」ではうねった糸杉の背景に渦巻く空に右端の月に向かって
大小様々な星が11個描かれています。(これは「ヨセフとその兄弟」の暗示か?)

背景のアルピーユ山脈の手前にサン・レミーの街並みと中央に教会が描かれていますが、
恐らく修道院の2階辺りから描いているようです。
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さあ、この名画に描かれたサン・マルタン教会へ向かうことにしました。


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by Atelier-Onuki | 2020-02-21 23:29 | コラム | Trackback | Comments(0)
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