買い物はマスク着用が・・・

ポカポカ陽気なのでベランダでボーッと日向ぼっこをしていると、

アパートの上の階に住んでいるお爺さんが駐車場から出てきて道路の向かい側で停車しました。

どうも奥さんを待っているようです。

車の窓を開けていて、やはりベランダにいた真下の階の人と大声で世間話を始めました。

お爺さんはマスクをかけ、顎の下に引っ掛けて話しています。

まぁこのご時勢ですから何ら不思議ではありませんが、

下の人が「マスクをかけて買い物でも行くの？」と訪ねました。

お爺さんは間髪を入れず「いや～マスケン・バル！」とヒョウキンに答えています。

いや～この憂鬱なご時勢なのにこのジョーク・・・

すぐさまヴェルディの「仮面舞踏会」を連想し、微笑ましく思わずニッタリと笑ってしまいました。

そう云えば「ヴェッテン・ダス」というテレビ番組があって、

それは一般公募でもの凄い特技がある人が、スタジオでスゴ技に挑戦する番組です。

この挑戦が出来るかどうかをゲストが答えるのですが、そのゲストが映画俳優や歌手など、

世界のトップ・スターを集めていて人気がありました。

スタジオにいる視聴者も時々参加するのですが、

ある時指名された女性が恥ずかしがって席を立とうとしません。

この時の司会者は大昔だったのでオランダ人のルディ・カレルでしたが、彼女の方へ歩みより

無理やり手を取ってステージまで連れてきました。

唯、この一連の行動の間、彼はある歌を口ずさんでいました。

それはモーツァルトの「ﾄﾞﾝ・ジョバンニ」で恥ずかしがるツェルリーナをﾄﾞﾝジョバンニが言葉巧みに誘うシーンで歌われるアリアでした。

「こんなとっさのタイミングでこんなアリアが歌えるなんて！」とえらく感心したのを思い出しました。

あのお爺さん、本当にマスケン・バルに行ったのかしら・・・